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【エッセイ】我が家の文鳥たち

我が家には文鳥が2羽います。
名前はアンとコロと言います。

仕事から帰り、家のドアを開けると2羽が「遊んで、遊んで。」と「チヨチヨ」と鳴き出します。

鳥かごの扉を開けると2羽同時にすごい勢いで飛び立ちます。それから部屋を一周して外に出れた喜びを表現。それから2羽で室内のあちこち飛び回ります。散歩を楽しんでいるのかな?

その後、2羽共、僕の方に遊びに来ます。コロが僕にとまろうとするとアンが首を回しながらギュルギュルを声を出して「コロ、あっちに行け!」と怒ります。するとコロは少し離れますが、諦めずにすぐ近くに寄ってきます。

コロがマウスのコードをかじって遊んでいると、近くで見ていたアンが一緒に遊ぼうとします。
またアンがコロを威嚇しますが、しばらくすると一緒にコードをかじって遊んでいます。

お互い喧嘩はするけど、お互い毛づくろいをしあったり、一緒に飛び回って遊んだりと仲の良い2羽です。両方ともオスなので、なんだか人間の兄弟の様で微笑ましいです。

アンとコロを見ていて人間の社会も文鳥の群れも似ているなぁと感じました。例えば、会社だと主張しながらもお互いの妥協できるポイントを見出す時があります。いつも喧嘩をするけど一人になると寂しく感じる恋人や夫婦も多いです。


では何故、全長5cm重さ25gm足らずと人間と比較してかなり小さな文鳥が、人間の様な社会性を持っているのか不思議に思い調べてみました。

文鳥1匹1匹は小さくか弱い生き物です。だから1匹だけで行動していると、トンビやワシのような猛禽類にすぐ捕食されてしまいます。でも群れで行動すれば、ワシやトンビなどの猛禽類に襲われても生き残る確率が高まります。厳しい自然を生き抜く為の本能ですね。

但し、群れを維持するには優秀なリーダーがいないといけません。エサや水場を探して仲間を導き、猛禽類が襲ってくる危険を察知できるリーダーが必要です。

アンとコロの2羽の中ではアンがリーダーです。
アンが飛び立つとコロも一緒に飛び立ちます。
でも縄張り意識が強く、アンが餌を食べている時、コロが一緒に食べようとすると「ギュルギュル。」と鳴いて威嚇します。やさしさが無いリーダーだなっていつも思います。

でもこの群れの中の本当のリーダーは僕です。 
ペレット(栄養食)、シード(ヒエやアワなどの種子)、ボレー粉(貝殻などカルシウム)などを与えます。飲み水と文鳥の水浴び場の水を交換し清潔に保ちます。
アンとコロを1日1時間は部屋の中で放して一緒に遊びます。でも遊んだ後、なかなか2匹が鳥かごに戻ってくれなくて困りますが。3日に一回鳥かごの掃除もします。だから一応良いリーダーを自認していますw

我が家の文鳥達は外に出したら多分、カラスに捕食されたり、餌を摂れずに死んでしまうでしょう。文鳥は家の中でしか生きられない儚い生き物。

そんな文鳥との楽しい生活を維持する為には、の餌(収入)の確保が必要です。だから僕は文鳥と自分の生活の為、今日も社会という人の群れの中へ飛び立ちます。

そして今夜もアンとコロが僕の帰りを待っています。

#第3回THE_NEW_COOL_NOTER賞_  8月参加

#文鳥 #エッセイ


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