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総理官邸前に草はえる

この何日かツイッターで総理大臣官邸前のリアルタイム動画が流れてくる

SNSの動画なのであまり画質はよくない。けれど画質のせいではなく、なんとなく疲れた田舎っぽい雰囲気が漂う

原因はわかっている

やたらと視界にはいりこんでくる雑草だ

総理官邸前交差点から官邸の玄関へと続く道の入口にはアコーディオン式フェンスがあり、24時間体制で警備をしている人の姿が見える。

交差点を挟んだ歩道はグレーの敷石タイルで真ん中を黄色い点字ブロックが走る。

縁石は歩道と同じ高さ。

縁石の内側には銀杏の葉をモチーフにしたガードレール。都道では緑色の銀杏模様が一般的のようだが、ここは落ち着いたダークブラウン。

そのガードレールの足元。縁石に沿ってぼさぼさと雑草が生えている。

風に穂を揺らすエノコログサ
綿毛を付けたキク科らしい草
画面からは確認のしようもないが、メヒシバやツメクサの類もはえているのではないか、と勝手に推測する。

道をはさんで首相官邸がある道路に、なんでこんな雑草がはえているんだろう、と。

もちろん総理官邸そのものが豪華なことは知っている。

広く開放的な正面玄関は、昨年の夏に 小泉進次郎議員が結婚報告をした場所だ。

官邸内の広い階段は組閣の時には赤い絨毯が敷かれ記念撮影が行われる。記者会見室では総理や官房長官の記者会見が行われる。お得意の閣議決定が行われるのも、外国の首脳が来日した時に椅子に座って記念撮影をするのもこの官邸の中だ。

でも

例えば

ホワイトハウスの敷地の周辺にぺんぺん草が生えていたりするのだろうか。


大豪邸と言われる周近平氏の家の周りにツクシやタンポポが生えているのだろうか。

(もしかしたら生えているのかもしれないけれど)


私は地方住みの田舎者だけど
私が住んでいる町の駅前の方が遥かに小奇麗で清潔感がある。要するに「疲れていない」感じだ。

例えて言うなら

今まさに伸び盛りの会社、優良企業のオフィスのエントランスは、センス良くデザインされ、さりげなく自社をアピールし、明るく開放的でありながらセキュリティも完璧なんだろうな、と想像できるような空間になっている。おしゃれなコンテナにいきいきとした寄せ植えがあり、モダンな観葉植物の大鉢が効果的に配置されている。

反対に経営が苦しくなっている(と思われる)企業に行くと、全体にどんよりとした感じがする。オフィスの床の隅が黒く汚れ、ドアノブや鏡には輝きがない。半分ほどに葉っぱが減った観葉植物をいつまでも飾っていたりする。

さらにひどくなると周辺や駐車場にセイタカアワダチソウが生え、垣根にクズやヤブガラシが絡まっていても気にしなくなる。

つまり

行き届いていない
余裕がない

そういう風に取られても仕方がないのではないか

もっと言うなら

びんぼくさい

首相官邸前の道路が、だ。

いやいや。大好きですよ。野の花。雑草。愛でたり、食べたり、何ならミニ盆栽だってしちゃいますよ。

でも。ねえ。


2020年10月1日
菅義偉首相が日本学術会議推薦の会員候補105名のうち6名の任命を拒否しました。そして これに対し多くの抗議の声があがりました。

現内閣に切り捨てられた「草の生えた道路」は、「学問の国会」なのか「国の未来」なのか。

そして相変わらず圧倒的に情報量が少ないメディアの報道姿勢に失望しつつ、今日も草むしりで半日楽しく過ごさせていただきました。




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