LigaPortugal🇵🇹若手選手紹介～CB編～

2023年11月23日 23:11

お疲れ様でございます。
僕にしかできない投稿って何があるんだろう、と思って始めたのがこの選手紹介シリーズ。

ポルトガルリーグを彩る若手選手を各ポジションから4選手ずつ紹介していきます。
第1弾である本稿はCB(センターバック)編です。

アントニオ・シウバ(ベンフィカ)やウスマン・ディオマンデ(スポルティング)など知れ渡っている選手は今回敢えて外しております。それ故に今回紹介するのはあまり見る機会のない若い選手ばかりです。

移籍の噂で紹介した選手が出てきた際に、この投稿を読んでいただけたらと思います。

それでは本編へ

❶ Filipe Relvas(フィリペ・レルヴァス)

[プロフィール]
所属クラブ: ポルティモネンセ
生年月日: 1999年9月20日(24歳)
国籍: 🇵🇹ポルトガル
ポジション: CB(LSB)
身長: 192cm

今季(23/24)スタッツ:
リーグ戦: 11試合出場 0得点1アシスト
カップ戦: 3試合出場 0得点0アシスト

最初に紹介するのは、日本代表GK中村航輔が所属しているポルティモネンセの若き守備リーダー。
192cmと恵まれた体格を活かした守備力と、意外性のある攻撃参加が持ち味である。

ポルト市街地区エスピーニョで生まれ地元クラブに加入したレルヴァスは、3部4部チームを経て2020年に現在所属しているポルティモンセに入団。

昨々シーズンにトップチームに定着し、昨季は全試合フル出場を果たすなどチームに不可欠な存在となっている。
23/24シーズンのポルティモネンセは主に3バックを採用しており、ここまでレルヴァスは左CBで起用されている。

左利きの選手であり、ポジションはセンターバック以外に左サイドバックも務められる。チームが4バックシステムを組んできた際に、左サイドバックでも対応可能としている。

ポルティモネンセは守備的なチームであり、DFラインの設定が低い。攻め込まれる時間が長く、対人能力や空中戦を培うには良い環境である。元バレーボール選手の父親を持つレルヴァス。彼の身体能力の高さや空中戦の強さのルーツはここにあるのかもしれない。

サイドバックの選手としては上下動のランニングとクロス精度が物足りない。しかしマンチェスターCのナタン・アケやバルセロナのロナウド・アラウホなど欧州ビッグクラブでCBのSB化が進んでいる現状、守備力のあるSBとしての起用も悪くはない。

だが身体能力に定評のある若手DFに、現時点でここの選択肢を狭め才能を閉ざすような必要はなさそうだ。

昨季ヴォルフスブルクやハンブルガーSVから移籍金1,000万ユーロ相当のオファーがあったとされる。
しかし2026年まで結ばれている契約では、契約解除金は2,000万ユーロと設定されている為、その差額をクリアするクラブが現れるかどうか。

Portimonense are prepared to sell Filipe Relvas in the summer. Centre back now attracting strong interest after the deal collapsed last January. 🇵🇹 #transfers

Wolfsburg offered €8m to sign Relvas, Portimonense rejected the proposal. pic.twitter.com/johSxBqvst
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) May 24, 2023

最近ではポルトが獲得レースに参加した報道が出ている。故郷近くのビッグクラブからのオファーはレルヴァスにとって魅力的なものかもしれない。

ステップアップできるかどうかレルヴァスの去就に注目だ。

❷ Otavio(オタヴィオ)

[プロフィール]
所属クラブ: ファマリカン
生年月日: 2002年4月21日(21歳)
国籍: 🇧🇷ブラジル
ポジション: CB
身長: 188cm

今季(23/24)スタッツ:
リーグ戦: 10試合出場 2得点0アシスト
カップ戦: 1試合出場 0得点0アシスト

今季前半戦、守備で突出した才能を見せているのがファマリカンに所属するこのブラジル人DF。

ヴィニシウスJrやルーカス・パケタなど名選手を輩出しているフラメンゴのユース出身で、名門Rマドリーへ旅立ったレイニエルはユース時代の元チームメイトである。U20カテゴリに在籍していた時に、同国のクラブであるサンパイオ・コレアへの半年間のレンタル移籍が実現したが、僅かな出場機会に終始し失敗に終わる。

結局フラメンゴでは1試合での出場に留まり、トップチームへの壁を高く感じていた時に、MLSのインテル・マイマミと現在所属しているファマリカンからのオファーが来たとのこと。ヨーロッパでのプレイを夢見ていたオタヴィオにとって、言語面で苦労しないポルトガル挑戦は必然の選択であった。

昨季(22/23シーズン)はU23チームで調整し、今季序盤から主軸として守備を担っている。元々チームには左利きのCBが不在であり、アルバニア人選手のエネア・ミハイが左CBを務めていた。今シーズンは左利きのオタヴィオが、ミハイから先発を勝ち取った格好だ。

序盤から、特に9月のパフォーマンスは素晴らしかった。第6節アロウカ戦で初ゴールを記録し、9月中チームは4戦無敗で堅守を誇った。リーグ公式が贈る9月の月間優秀DF賞ではディオマンデに次ぐ2位に受賞されるなど一目置かれる存在に成長した※。

※
オタヴィオ自身はこの結果に納得しておらず、
“Não é possível. Eu jogo basquetebol?(ありえないよ。僕はバスケットボール選手なのか？)”
とSNSで皮肉めいたコメントをしている。

これに反応したのが件の月間最優秀DFに選ばれたディオマンデ(スポルティング)。
SNSでバスケをしている自身の写真を貼り、
「僕はすでに月間最優秀DFだから、10月は何か違うことを試してみよう🤣」
と応戦したのだった。

強靭な体格から対人能力に絶対の自信を持ち、空中戦やカバーリングなど守備で存在感を放つことができる選手と評されている。ファマリカンに加入した際に「相手にタックルするのが好きで、空中戦も得意です。」とメディアに自身の強みを語っている。

ボール際で、というよりは、相手よリ先にボールを触ってチャンスを潰すスタイルの為、ファール数は以外にも少なく1試合あたり1.3回と比較的クリーンだと言えるだろう(Whoscored.comより参照)。

その他人種差別での被害者としてピッチ外で注目を浴びるなど、今のところ良い印象での目立ち方はしていない。
奇しくもこのプレイスタイルは先述したディオマンデと似ている。若き2人のセンターバックが高いレベルで競い合うことで、ポルトガルリーグを盛り上がることが好ましい。

2023年7月に完全移籍を果たし、2028年までの5年契約を結んでいる。2023年11月現在、具体的な移籍も噂は出ていない。
将来性のあるCBがこのまま継続した高パフォーマンスを続ければ、3強クラブの目に止まるかもしれない。

❸ Serdar Saatci(セルダル・サーチ)

[プロフィール]
所属クラブ: スポルティング・ブラガ
生年月日: 2000年2月14日(20歳)
国籍: 🇹🇷トルコ
ポジション: CB
身長: 190cm

今季(23/24)スタッツ:
リーグ戦: 5試合出場 0得点2アシスト
カップ戦: 4試合出場 0得点0アシスト

続いて紹介するのは近年力を付けているブラガ所属のセンターバック。CLにも出場しており、活躍次第ではスポットライトを浴びるかもしれない為、しっかり紹介していきます。

トルコの首都イスタンブールのバイラムパシャで生まれ、10歳の時に地元のクラブチームに入団。その一年後に名門ベシクタシュのアカデミーに移籍し、左右両足を使えるセンターバックとしてユースカテゴリーでは主将も務めた。

そのまま17歳の時にプロ契約を結んだが、19歳の時に迎えたプレシーズンで彼のキャリアの分岐点が訪れる。ヴィクトリア・プルゼニとの親善試合で、サーチは途中出場したのにも関わらず、わずか10数分後に下げさせられたのだ。原因は発熱だったらしいが、サーチは試合後ロッカールームで窓を割るなど不満を爆発させた。ベシクタシュはこの態度と行動を問題視し、トップチームから除名したのだった。

燻っていたサーチが新天地に選んだのがポルトガルのブラガ。初めての国外挑戦としてブラガを選んだ理由に、アントニオ・サルバドール(ブラガ会長)の名前を挙げている。｢彼は僕に敬意を示してくれたし、僕をチームや彼のプランに参加させたいと言ってくれたんだ。｣と移籍の背景を語っている。

加入した昨年度は主にBチームでの出番であったが、23/24シーズンは出場機会が増えCLにも出場している。絶対的なレギュラーではないものの、両利きゆえの左右をこなすセンターバックとして貴重な戦力となっている。

積極的な守備スタイルを好み、タックルやインターセプトなどハード面のプレイを得意としている。ブラガのようなサイド攻撃を試行するチームは、攻撃参加するSBが高い位置を取るため、その空いたスペースをセンターバックがカバーしなければならない。そんな攻撃に重きを置いたチームにおいて、瀬戸際を悉く防いでくれるようなサーチは適任なんだろう。
また今季は正確な配給面も評価に値する。局面を打開できるようなパスは出せないものの、リスクマネジメントに長けた配給力を得意としている。

欠点としてはベシクタシュ時代にも露見した精神面が挙げられる。合わせて、試合中に集中力を欠くシーンが散見される。20歳という年齢を考えれば、まだ向上の余地があるだろう。

最近、DF陣が怪我人続出しているフェネルバフチェが関心を寄せているという報道があがっている。出身国のクラブチームからのお誘いはサーチにとって断りずらいはずである。緊急性によっては今冬には動いているかもしれない。

❹ Manu Silva (マヌ・シウバ)

[プロフィール]
所属クラブ: ヴィトーリア・ギマランイス
生年月日: 2001年6月12日(22歳)
国籍: 🇵🇹ポルトガル
ポジション: CB
身長: 190cm

今季(23/24)スタッツ:
リーグ戦: 10試合出場 1得点0アシスト
カップ戦: 3試合出場 0得点0アシスト

CB編最後は目下好調のヴィトーリアSCの次期ディフェンスリーダー候補を紹介していく。

ポルト市街地区アヴェイロのサンタ・マリア・ダ・フェイラの生まれで、同自治体からの出身選手だとルベン・ネヴェス(アル・ヒラル)やファビオ・ヴイエイラ(アーセナル)などがあげられる。幼少期は地元のサッカークラブに通い、その後11歳で同自治体最大のクラブであるフェイレンセの下部組織に加入した。

トップチーム出場から3シーズン目を迎えた2023年1月に現在在籍しているヴィトーリアSCに移籍を果たす。その際、自身をデビューさせてくれた元フェイレンセ監督ルイ・フェレイラ氏から後押しを受けたそう(現役時代にヴィトーリアSCに在籍していたことが大きいと思われる)。

フェイレンセ時代は主に守備的MFでの出番が多かったが、守備力の高さやサイズも申し分無かった為かDFとしても振る舞うことを許された。
ヴィトーリアSCでは23/24シーズン開幕早々にCBの主軸であったイブラヒム・バンバやアンドレ・アマーロが揃って中東クラブに引き抜かれた為、今季から本格的にCB、特に3センターの真ん中を任されている。

彼の最大の強みは元中盤選手ならではの非凡な足元の技術力である。特に展開力に秀でており、ビルドアップする力は前任者に劣らない。
今季序盤戦は監督交代・主力選手の流出、カンファレンスリーグのプレーオフ予選など連戦が続いていたチームの中で、大きく守備が崩れなかったのも彼の存在があったと言える。

国内でもまだ知名度は高くなく移籍の噂はまだ出ていない。今のパフォーマンスを続けていれば、いずれは先述したバンバやアマーロのように国外クラブからのオファーもありうるだろう。

今回紹介した4選手の比較データ⬇️

今回はポルトガルリーグに所属しているCB(センターバック)を紹介しました。
欧州５大リーグ以外の選手紹介となると、参考にする記事やニュースが日本語ではないのがほとんどなので、投稿するまでに時間を要しました。
また想像していたよりも各選手の紹介文がボリューミーになってしまい、もしかしたら読み手にとっては優しくないものだったかもしれません。

まだ始めたばかりのシリーズなので試行錯誤の状態です。改善点や誤字脱字等ございましたら、気軽にコメントして頂けたら幸いです。
次は右サイドバック編を予定しております。
それでは謝謝。

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