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人間ドックは何歳から受けたらいいか

人間ドックとは、船の「ドック」に由来していると言われています。つまり、船を陸に上げ、徹底的にメンテナンスするイメージで、人間も隅々までチェックするというイメージなんでしょう。最初にこの名前をつけた人は、ナイスですね。
 実際に「人間ドック学会」が組織されていますから、人間ドックという名称は公のものとして認知されているということですね。

人間ドックとはどんなメニューがあるのか

通常の診療とちがって、人間ドックは「自由診療」という分類です。
つまり、国もしくは保険団体が医療費の7割を負担してくれる「保険診療」ではないということです。「健康診断の価格」でも説明しましたが、金額は人間ドックを行う機関が自由に決めてよく、数万円のコースから、数十万円のコースまで様々です。具体例を見ていきましょう

基本人間ドック
37,400円
定期健康診断項目 
+ 検査 肝炎(HBs抗原検査、HBs抗体検査、HCV抗体検査のいずれかを含む)
+胃部レントゲン(胃バリウム検査)
+超音波検査(エコー検査) 腹部超音波検査
+呼吸機能検査
+便潜血検査
※健診会東京メディカルクリニック スタンダード人間ドック

人間ドック+脳ドック
50,400円

定期健康診断項目
+MRT/MRA検査(頭部MRI・MRA、頸部MRA)
+エコー検査(腹部エコー検査、頸動脈エコー検査)
+スパイロメーター
+便潜血
+血液検査 
※<血液一般> 赤血球・ヘモグロビン・白血球・ヘマトクリット・血小板・MCV・MCH・MCHC・血液像・血清鉄・血液型(ABO式・Rh式)※初回のみ <肝機能>AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP・ALP・総蛋白・アルブミン・LDH・総ビリルビン・A/G比 ・HBs抗原・HCV抗体 <脂質代謝>HDLコレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪・総コレステロール <糖代謝> 空腹時血糖・HbA1c <尿酸>尿酸値 <腎機能>クレアチニン・BUN・ e-GFR <膵機能>血清アミラーゼ <炎症反応>RPR・RF・CRP <電解質>ナトリウム・カリウム・クロール・カルシウム
※健診センター 栄エンゼルクリニック

レディースドック
51,800円

定期健康診断項目
+眼底・眼圧・聴力
+血液検査
高脂血症検査(T-chol、HDL-chol、LDL-chol、TG)、糖尿病検査(空腹時血糖、HbA1c) 、肝・胆道系検査(総蛋白・蛋白分画、総ビリルビン、直・間ビリルビン、AST(GOT)、ALT(GPT)、γGTP、ALP、LDH)、腎機能検査(UN、クレアチニン、eGFR)、膵機能検査(血清アミラーゼ)、電解質検査(Na、Cl、K、Ca)、血液一般検査(WBC、WBC分画、RBC、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、Plt)、血液型検査(ABO式、Rh式(初回のみ))、甲状腺検査(FT3、FT4、TSH)
+腫瘍マーカー(CA125:卵巣)
+CT検査
+乳腺超音波
+内視鏡検査
+肺機能検査
+子宮頸部細胞診検査
※三田国際ビルクリニック フルレディースドック

泊まりドック
352,000円

定期健康診断項目
+眼底・眼圧・聴力
血液検査
<血清学的検査>高感度CRP、梅毒反応、肝炎ウィルス検査(HBs抗原・抗体、HCV抗体) <リウマチ>RF <感染症>HIV抗体
 白血球数(白血球分画)、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、 血小板数、平均赤血球容積・平均赤血球ヘモグロビン量・平均赤血球ヘモグロビン濃度 <肝機能>総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、AST、ALT、γ-GTP、ALP <腎機能>尿素窒素、クレアチニン、電解質(Na、K、Cl、Ca、P、Mg) <脂質代謝> 総コレステロール、HDL コレステロール、LDL コレステロール、中性脂肪 <膵機能>アミラーゼ、エラスターゼ1 <糖代謝>空腹時血糖、グリコヘモグロビン(HbA1c)、75g糖負荷試験(または空腹時血糖+食後2時間血糖値) <痛風>尿酸 <血清学的検査>血液型(ABO・Rh式) <甲状腺>TSH、FT4
+腫瘍マーカー(CEA,PSA)
+PET-CT検査
+胸部CT検査
+超音波検査
+内視鏡検査(胃部・大腸)
+肺機能検査
※国立国際医療研究センター病院
男性のための宿泊人間ドック(2泊3日)大腸内視鏡+胸部CT+PE-CT

いろいろありますね・・・

さて、そのうえで、

何歳から受ければいいのか

これは大変難しい質問であると同時に、他人に求める回答ではないのかもしれません。なぜなら、例えば「30代でこの疾患にかかる確率は0.03%です」
と言われたところで、自分がその0.03%に入らない保証はないし、前述したように検査の制度もそこまで保証するほど高くはないのです。

人間ドック学会のHPを調べてみると。

Q5. 人間ドックは何歳から受診できるの?
A,通常成人(20歳以上)を対象としています。
Q5. 人間ドックはどのくらいの周期で受ければいいの?
A.原則として1年に1回が望まれます。

実施する側とすれば、そういいますよね・・・

年代別に、提案している場合もあります

1. 30代:注意するのは将来の生活習慣病
2. 40代:そろそろ健康リスクが高まる年齢
3. 50代:メタボかも?人は心筋梗塞のリスクに注意
4. 60代:受診頻度はマメに!身体の全身を調べる検査を
※人間ドック・健診「マーソ」より

わたしからの提案としては、

1.まず自分の家系で病気の傾向はないか(遺伝的要素)

2.最近周りから「太ったね」「痩せたね」「顔色が最近黄色いね」とか言われたことはないか。(症状の有無)

3.最近疲れやすいなど、自分の体で心配なことはないか
(自覚症状の有無:「そんなのみんななるよ!」などの周りの医療職以外のアドバイスは無視して、自分の体に問いかけてみてください)

以上の3点をチェックした上で

その病気をネットで徹底的に調べてみて、心配な状況を洗い出し
希望に合いそうなコースのある人間ドック施設に、直接相談してみましょう。

施設内には通常、医師や看護師がいて、「心配ならばこんな検査を入れてみてはいかがでしょう」という提案をしてくれます。※対応が悪い・相談に乗ってくれない等の施設はパスしましょう

相談するときに注意したいのは、(絶対はない)と自覚することと
(絶対病気がわかるとは思っていない)ということを相手に伝えることです。
医療に「絶対」はほとんどないのですが、それを理解していない患者からのクレームは嫌なものなので相手は警戒します。また、クレームを避けるために、ありとあらゆる検査をして訴えられたときに「やれることはすべてやった」というために、非常に高額なコースを提案されてしまうかもしれません。
そういった事を避けるためにも「絶対に病気が発見できるとは思っていませんが、一度チェックして安心したいと考えています」と伝えましょう

その上で、自分に納得の行く費用の施設のコースを選び、検査してもらいましょう。

そうすれば、ひとまず安心できますし、それを期に自分の体調に注意が向くようになるでしょう。

まとめ

日本の医療は、病気になってからがスタートです。(病気でない人まで見ていたら日本の医療は破綻します)

病気になりたくないと思うのは当然です。でもそれは「あなた自身」のことなのです。
「自己責任」といってしまうと人間味がなく、世知辛い世の中だと思うかもしれませんが、個人個人は

「他人の健康にまで気を使っている余裕はない」のです。

そう思えば、自分で調べ(ネット環境)自分で確認する(人間ドック施設)すべが日本にはこんなに揃っているんだと、幸せに思えるのではないでしょうか。


 

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