ゲーム部炎上後にゲーム部を追いはじめて約1か月の感想
サブカル系にそれなりに興味がある人ならば、Vtuberというものをご存じだろう。3DCGのキャラクターが中の人(演者)の動きに合わせ動いたり話したりして、ゲーム実況や歌を歌ったりするアレである。
私も今まで友人に勧められてキズナアイやあにまーれなどをちまちまと覗いてきたが、6月に入り本格的に「視聴者としての活動」をはじめた。
つまり、没入しはじめたのである。
Vtuberの視聴者がふだんやってること
視聴者がVtuberの生配信を閲覧したり、Twitterで動向をチェックすることを「追う」という。この「追う」行為について、素人として掘り下げてみる。
まず、ある程度気に入ったVtuberに対してはメンバーシップ登録をすることが当たり前となっている。
メンバーシップとは月額有料制の追加サービスである。大体月490円であり、お手頃な値段だ。メンバーシップに登録すると、自分の名前の横にオリジナルの「バッジ」が表示され、ほかの一般視聴者との差別化を図ることができる。また、生配信中に自分がコメントすると、自分の名前やコメントに特別な色がついて他者と区別しやすくなる。(だからといって、Vtuberにコメントが拾われやすいということはない。)
生配信中にメンバーシップに加入すると、そのことが通知され、Vtuberからお礼を言われることがある。ただし必ずしも反応されるとは限らない。ホロライブのように視聴者の数が多く、コメント欄の流れがすさまじい時はなかなか難しい。
このような有料制サービスにはほかに「スーパーチャット」や「FANBOX」というものがあるが、これらは後程くわしく紹介する。
そして、一部の視聴者の生業の大部分を占めるのは「Vtuberに自分のコメントを拾ってもらうこと」である。これに関しては、肯定する人と否定する人がいる。
拾ってもらうとは、「自分のコメントをVtuberに言及されること」である。
可愛い女の子、しかも有名人に自分のコメントを拾われるのはうれしい事だ。実際に、自分のコメントが拾われたことを配信後に自慢げに話す人は多い。その一方で、「そのような事が本位になってしまうのは、Vtuberの配信を真に楽しんでいるとは言えない」という意見もある。確かにこの行動原理はトラブルの元になっている。
Vtuberの気を引くために、同じコメントを連投し続ける、自分本位で他の人にはつまらないコメントばかりするという事例は多い。これらの行為は「荒らし行為」とされ、事前に警告がなされるほか、有害として排除されることが多い。
コメント関連に共通するもう一つの事項が、「Twitterのチェック」である。現在のVtuberはほぼ必ずツイッターアカウントを運営している。だいたいは何気ない日常のぼやきや、配信の告知を発信している。そのアカウントを徹底的にチェックし、何か発言があればすかさずいいねを押し、リプライを返すのが視聴者の常識となっている。
大抵の場合はそのリプライに対しVtuberが何か反応をすることはない。ただし、「VtuberはファンのTwitterにいちいち返事をすることはできないがちゃんと読んでいる」というのがこの世界の定説だ。
ゲーム部プロジェクトってどうなの?
ゲーム部プロジェクトとは、知的財産開発企業「Brave group(旧Unlimited)」が展開するVtuberユニットである。とある高校にある「ゲーム部」に所属する4人の部員がYouTube上で情報を発信するという形態になっている。
このユニットは、あの著名なゲーム実況者「もこう」が一時期興味を示し、追いかけていたことでも知られる。(今も興味を持ち続けているのかは分からない)
私も実は「もこう」が自身のチャンネルでゲーム部に言及していることで初めて知り、興味を持ったという経緯がある。
ただし、実際に動画を視聴してからは「もこう」はあまり意識せず(そもそも元から直接的な関係は少ないのだが)、純粋に楽しめていた。
どうしても思い出してしまうゲーム部の光と影
私はゲーム部の一ファンであり、ゲーム部をやたら滅多と批判する意志は毛頭ないが、どうしても言及しなければならない部分がある。
ゲーム部は発足当初、一つの全体チャンネルで4人の部員がそれぞれ、或いは合同でゲーム実況やショートドラマを配信していた。
ゲーム実況においては様々な有名配信者とコラボしていて、かなり話題を呼んでいた。
また、特にショートドラマのクオリティは秀逸で、ぶっとんだ題名とカオスかつテンポの良い展開には何とも言えない中毒性があった。
しかし、ゲーム部は去年、運営体制の大規模な変更を迫られることとなった。この違いは「今と昔のゲーム部はまるで別物である」と言う人も多いくらいで、新参の視聴者をかなり混乱させてしまっている。実際に私も恥ずかしながら、ゲーム部の置かれている状況や向き合い方をうまく把握できていない。
ゲーム部は昨年から今年にかけて、ちょっとした社会現象になるほどの大きな問題が発生してしまったらしい。
その具体的な内容はBrave group社からはあまり説明されておらず、Twitterの発言やニュースサイト等から間接的に把握せざるを得ない。また、現行のファンの間では半ばタブーとされている雰囲気もある。
そのために新参者の私もあまり詳しくは理解できていないので、詳細は皆さまで各自、こっそり調べていただきたい。
ゲーム部は好きだけど「あれ?」と思うこともある
私はゲーム部に裏切られたと感じたことはない。しかし、時に疑問を抱いてしまうこともある。
まず、ゲーム部では別会社のPixivが運営するFANBOXというウェブサイトで有料制の会員限定コンテンツを提供している。具体的にはメンバーが書いた日記や、会員が交流するためのチャット欄、過去のウェブラジオのアーカイブ配信である。
しかし、会員向けのチャット欄は現在廃墟状態である。開設当初は数人が記念にコメントを書き込んでいたが、今は無人状態。私が加入した際は折しもメンバーの桜樹みりあが出没し、話しかけてもらうことができた。
これは大変うれしい経験であったが、その後は少し声掛けしてみてもほぼ誰からも反応はない。
その後、例外として一人、後述の非公開動画に関して話しかけてくれた方がいたが、本当にそれっきりだった。
そして、ウェブラジオのアーカイブもなぜか非公開になっており閲覧できなくなっている。
このことについてチャット欄で質問してみたが、有効な情報は得られなかった。
ようするに、説明書きにある通りの内容が享受できず、少しがっかりしてしまったのである。
また、ゲーム部はたびたび視聴者の間で少し荒れてしまうことがある。
以前は、配信が高額スーパーチャットの連投で本来の内容が停滞してしまうという事があった。スーパーチャットとはクレジットカード決済などで配信者に対して「コメント付きの投げ銭」できるシステムで、100円程度から4万円という大金まで、任意で送ることができる。付属のコメントを読むかどうかは配信者の善意とされるが、金額の高さによっては読まざるを得ないことが多い。もっとも、ゲーム部では逐一スーパーチャットにてきぱきと反応してくれることが多い。
この時は、視聴者がTwitter上で怒り心頭で批判する場面が多くみられ、ゲーム部の夢咲楓と桜樹みりあが視聴者の怒りをなだめるために急遽声明を発表するという事態に至ってしまった。
これ以降も、たびたび「自分本位なコメント」や「指示厨」を発端とする「視聴者の怒り」が確認されている。
これらの問題は、「解決されたらもっとゲーム部が好きになるのに」と思ってしまう。最も後者の問題は、私たちの問題だろう。コメント欄はみんなのものだ。誰もが気持ちよく、配信者のパフォーマンスを楽しめるお手伝いをしてくれる場所だ。キャバクラではない。
ここで述べた「私の違和感」は、界隈では「気にしすぎ、期待しすぎ」かもしれない。
さいごに
ゲーム部プロジェクトは過去に「大炎上」という大きな十字架を背負っている。しかし、彼彼女らは魅力的な才能を有しており、時折辛辣な非難にさらされながらも、ついてくるファンに対して素晴らしいコンテンツを提供し続けてくれている。
Vtuber産業はいわゆる「知的財産ビジネス」であり、求める人に「感動や喜び、癒し」を提供してくれる。これはヒトの社会が「モノ→モノ」のビジネスに限ったものではなく、感動や喜びを提供できるということを示している。
ゲーム部プロジェクトを応援し始めてはや1か月手前。ここまでのめりこんだのははじめてだ。
いろいろな感動や戸惑いはあった。
私はゲーム部プロジェクトをきっかけにIP開発事業に大きな可能性を感じ、将来志したいとまで思うようになった。
ちょっとしたきっかけで稚拙な文章を書いてしまった。積極的にこの文を誰かに見てほしいとまでは思わない。
しかし、もし同じようなことを思った人や、もしゲーム部のメンバーが今の活動に悩みを感じているような時があったら、この思いが届くことを願う。
あなたたちの存在が私たちの支えです、ゲーム部
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