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NHK新人落語大賞

NHK新人落語大賞の季節です。この大会は東京では二ツ目、大阪だとそれに準ずるキャリア(確か15年だったかな)の人が出られる若手落語家登竜門の大会です。

このコンクールの良いところは、エントリーすれば全員見てもらえるところですね。大会によっては、そもそも出場機会が運であったり、エントリーしても書類の時点で落とされたり、そういうのとは違って、出たい人は絶対出られてNHKのスタジオで芸を見てもらえるんです。

僕は二つ目時代の約10年間毎年出てました。一度も決勝に行けませんでしたけど、最期の年だけは「掴みかけた」ような感覚はありました。だけどそこまででしたね。

11分という持ち時間の中で、コンパクトに完成度と独自性を出す作業はとても難しいですが、毎年それを作ることを大事な行事にしていました。普段はそんなに目先の笑いを目指すというよりは、腰を据えて心から笑わせたいというのが噺のスタンスですが、このコンクールでの落語だけはとにかくたくさん笑わせることを念頭に作っていました。

二つ目最期の年は、二次予選まで行って、あと一歩というところで終わったのでとても悔しかったのですが、自分の中ではやり切った感があったのでとても満足していました。

二つ目さんの中にはコンクールに一切出ないっていう子もいるんですが、僕は勿体無い気がします。おそらく「落ちたらみっともない」とか「落語は競うもんじゃない」くらいの理由なんでしょうが、はっきり言って「落ちてもなんてことない」ってのがこのコンクールです。

落ちても別になんの痛手でもなく、むしろ経験になるので出た方が良いです。真打になるとそういう大会は一切なくなるのでむしろ二つ目だけの特権なんですこういうコンクールは。だから、年に一回のこのNHK新人落語大賞は出てほしいですね。

じゃあどうやったら勝てるか。

決勝に行けなかった僕にはわかりません。

だけどなんとなくわかるのは、「その人にしか出来ない落語」が見せられれば良い評価をしてもらえるんじゃないかということですね。

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