累 読んだよ

※最終回と最終巻発売当時のふせったーからお引越し

イブニングで累が最終回迎えたんだけど完結巻でたら友人宅に押し付けに行く予定だからふせったーで感想をぼそぼそと…

どこまでも残酷に美しく描ききってくれた累最終回だった…
0か100かの醜さと美しさに皆振り回されてそれでも求め続け破滅した物語。作中にも出てきたけど誘蛾灯に誘われた蛾が光を求めそして焼かれて堕ちていく、そんな話だった…

醜さはそんなに許されないものなのか。それは当事者にしかわかり得ない苦しさと絶望なんだろう。醜い自分を捨てて美しい“誰か”になれたなら。演劇に魅せられ美しさを奪い取り高みに登り詰めた。そしてそのために誰かを何かを踏みにじった人達はみんな消えない呪いと死ぬまで付き合って行くんだ…

最後の最後に醜いままでも生きていけるのでは?と希望を持った分、めちゃくちゃラストが辛い。でも読んだ時に多分幸せな結末にはならないんだろうとは思ってた。
美しさを知らなければ女優としては芽吹くことすらできなかった。醜い累のままだったら暁の姫で宵を選択することは多分できなかったと思う…

累は永久交換の事は誰にも言わずひっそりと生きていくことを選んだ。多分ガラス細工を見つめて妄想の中で日々を過ごすローラのように、輝いていた日々を惜しみながらこれからあったであろう日々を想像しながら。

野菊は最後、自分の人生でなく、いざなを恨めという母親でありいざなの言葉を思い出した。ニナの母親を累に引き合わせた時もこれでいいのかと多分迷っていた。
でも野菊は刺され、累は死に、永久交換で累が紡美だということを一生知らずに生きていく…恨み言を吐くことも本心を伝える事も姉妹として過ごす未来ももう2度とやってこない…天ヶ崎さんも多分野菊の傷を治すことは出来ない。

そんで羽生田さんェ…羽生田さんがどこまでも美しい淵透世を追い続ける限りこのエンドは避けられない…どこまでも気付くのが遅い男…燃え盛る焔のような女を忘れられない…わかる…分かるけどもう少し累を見てあげて欲しかった…でもほんとによく丹沢ニナ、咲朱と上手く大物に仕立てられたよなあ…マネージメントの腕は確かだったのか…

幾先輩が1番マシか?美しさもあって、演技力は累との交わりで高まって、これから多分もっと高みへ登っていくんだ。どうしても累側に感情移入しちゃうから幾先輩はどうしようもなく羨ましく妬ましい対象に見えてしまう…でも1番累と向き合ってくれてたんだよなぁ…

トゥルーエンドがハッピーエンドとは限らない。因果応報なのか…最初は醜い女が美しさを手に入れてのし上がる話かと思ったけど、散り様まで書いて、それでちゃんと終わる。犯した罪にはちゃんとそれ相応の罰がある。全ての帳尻を合わせて閉幕。
カーテンコールは、きっと無い。


最終巻が出たよ↓

何回か読んでたはずだったんだけど、最後の舞台、雨野さん見に来とるやんけ…気づかなかった…累良かったな、渾身の演技ちゃんと届いてたと思いたい。

改めて読んだけど色々と追加要素で精神がやられる。

まず表紙裏のおまけを探すタイプのオタクはもれなく一緒に死んだと思うが多分あれ羽生田さんに見せた最後の顔なんだろうなと思う。あんな、あんな笑顔…お前…嘘じゃん…羽生田さんあんなんじゃ絶対忘れらんないじゃんまた女の影探してさ迷っちまうじゃんか…
追加ページ最後もしかしたら殺しにでも行ったのかもしれないな…なんて考えたけどそれでも入れ替わりのことは話さずそれを受け入れるんだろうな※妄想

野菊は野菊で幸せとは言えんかもしれんが余生は穏やかに過ごしてほしい。過ぎ去った時間はもう戻せないし2度と会話をすることもないんだけど、その後悔が野菊に与えられた罰なんだよな。

あーーーーーーーー幾先輩は一体どうしとるんだ…まあでも女優は続けて貰わんと困るよなあ…

もう一度やり直せたらじゃないけど、もう少し違えばいい方向に行けたのかも知らんがやっぱり何もかもが遅すぎたんだよな。
飛び抜けた美しさも目を背けるような醜さもどちらも異形でしかない。累は多分その異形を最後認められた。美しさに囚われなくても得たものが多分あった。この世にはまだお前を形容するための言葉が存在しないんだ。今の累ならその言葉を救済だと思えたんじゃないかなぁ…

なんだかFate/Zero見終わった後と似たような気分になったわ…Zeroに至るじゃないけど全ての清算がついて収まるべく収まった。納得は行く、けど喪失感があるようなそんな最終巻だった。

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