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教員を早期退職した二人の本音

昨日、早期退職したてほやほやの元同僚に会ってきた。
ちょうど私の住む地域では今日が入学式。
ランチをしたレストランが混んでいた。明らかに入学式帰りであろう親子連れもたくさんいた。

2年ぶりに会った元同僚は元気そうだった。
昨年体調を壊してしまったことが原因で早期退職を決断したようだ。
ほんと健康に勝る幸せはない。
まだ退職して10日ほどだったが、すでに「パソコンを使わなくなったら肩こりが和らいでいる」と言っていた。これからは誰に気を遣うでもなく、だれにごめんなさいと謝るでもなく、ゆっくり休める。これ以上の薬はない。

元同僚はとても明るい人で、好きで仕事をしていると思っていた。
スルー力も高くやわらかな物腰で、生徒からも慕われていた。
一緒に2年間働いたが、その間同じ教科でクラス担任をしている女性が私と元同僚二人だけだったのもあり、よく話をしていた。

昨日彼女の本音をかなり聞いた。
「もう教員はしたくない」
「ほかの仕事がしてみたい」
とのこと。
私と同じだ。

好きで仕事をしていたのなら講師や非常勤で戻ればいいのにと話を振ってみたが「えー、教員しか知らないからほかの仕事がいいなー」。
教員時代彼女は楽しそうに見えたが、実は表に出さないだけでかなりつらかった様子。思うところはたくさんあったがかなり言葉を飲み込んで過ごしてきたようだ。思ったことをすぐに口に出してしまう私とは大違い。
私もそうだったが、家に帰っても「あの生徒にこあのことを伝えないといけない」「あの書類を明日中に準備しないといけない」などと考える日常だった。それをしなくていい日々にまだ慣れないが、心は相当楽になったようだ。

教員時代、家に実際に仕事を持ち帰ってすることはそんなに多くなかったが(持ち帰りでできる仕事は教材研究とかくらいかな、以前と比べて持ち帰られなくなっていたし、私は家で仕事するのが嫌で遅くまで残っても学校で完結させたかった)常に明日やることや伝えることを考える生活をしていた。頭から離せばいいのだろうが、それができない。できないから精神が消耗する。スマホに知らない携帯から電話がかかってくるのが嫌で仕方なかった。夜9時半とかにスマホの着信が鳴ると、それだけで心臓がバクバクした。せめて、学校にいるときに苦情の電話はかけてもらいたかった。夜の電話は良くない話の場合が大半だ。夜9時半、家でくつろいでいる時間に電話で怒鳴られたら眠れるわけがない。くつろぎタイムまで仕事したくなかった。
それから解放されただけでも心が健康になる。

アラフィフまで勤めた仕事を辞める決心をする。
理由は人により違うが、一つ言えることは、少なからずその仕事に嫌気がさしているということ。楽しいだけの仕事なんてない、わかっているが、嫌なことが蓄積されると本当に健康を害す、人格を変える。そうなる前に手を打とう。健康な体さえあれば、どうにかなると自分に言い聞かせて過ごす日々。

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