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今、注目されている「経営分析5つのキーワード」④

4.ROIC(投下資本利益率)とは何か?

(1)用語の説明
ROIC(ロイック)は「Return On Invested Capital」の略で、日本語では「投下資本利益率」と訳されます。企業が銀行や出資者などから調達した資金(投下資本)から、どれだけ利益を出したかを表す指標です。
ROICは、企業の「稼ぐ力」を評価する指標です。
具体的には、銀行などの債権者や投資家から調達した資金で、どれだけ効率的に利益を出せたかを示す指標です。

【ROICの計算方法】
ROIC = (営業利益 × (1 - 実効税率)) ÷ (株主資本 + 有利子負債)

【具体例】
投下資本(株主資本+有利子負債)1億円、利益(営業利益×(1-実効税率)1,800万円の会社の投下資本利益率(ROIC)
利益1,800万円÷投下資本1億円×100%=18%

【目安】
ROICの理想値は7%とされています。
一般的には12~15%以上あると優秀な企業であるとされます。


(2)注目されている背景
ROICが注目される理由は次のとおりです。

  • 投資家はリターンを求めて投資を行うため、ROICで期待収益率を明確に示している企業はリスクが少ないと判断し、投資を行いやすくなります。

  • 資金を調達する際は債権者への説明が容易になります。

  • 株主や金融機関の同意が得られやすくなり、さらなる資金調達につながります。

  • 経営層は事業の運営状況を容易に把握することができます。

(3)留意ポイント
ROICの理想値は7%とされていますから、それを下回る場合は、事業の撤退等を考える必要があります。

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