仕事が好き。

もう少し、先の景色が見たい。

いつもそう思っているわたしにとって、仕事はあと一歩を踏み出すための
足だ。

行く先に道はない。

でも足があれば、一歩を踏み出すことができて、
一歩を踏み出せば、そこに道ができるのだ。

仕事とは収入源であり、
収入源であるからには誰かができないことをして
経済の仕組みの中で価値を生んでいる必要がある。
自己実現は二の次で、足りないピースを埋めるのは
わたしじゃなくてもいいことも多い。

それでも、いや、だからこそ、社会から必要とされている証になる。
わたしじゃなくてもよくても、
必要とされることを、ちゃんとできる能力の証でもある。
仕事は、自己実現の前に、自己承認のよすがだ。


「桜子は仕事そのものが好きだった。大勢の誰かに必要とされる充実感、私が物事を動かしているという手応え、やり終えた時の達成感、仕事はいろいろなものを与えてくれる。」--- 甘糟りり子 「産む、産めない、産まない」

わたしはどういうわけか、最初から自己実現欲が強かった。
出世欲や権力欲と近いようで違う。
出世欲や権力欲は、あらかじめ決まった構造とルールの中でひとつひとつゲームをクリアするように階段を上っていこうとする志向だと思う。
似て非なる自己実現欲とは、社会に対して、わたしがいいと思う、大事だと思うものごとを、同じようにいい、大事だと思わせたいという志向だ。
はじめに、わたしありき。

人と同じは嫌なんです。

人と同じでいないために、自分の道を歩くための足として、
わたしはものを書く、表現する仕事を選んだ。

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