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ソロおばin Belgium⑥~ケルン中央駅で悲鳴をあげそうになる

アラ還おばちゃんが海外旅行20年のブランクを経て、2024年3月に単身ヨーロッパ(主にベルギー)に行ってきた話です。この日だけはin Belgiumではなくin Germany。

前回は、ブリュッセルから日帰り旅で行ったドイツのケルンで大聖堂のすばらしさを満喫したところまでの話でした。

観光を終えて帰りの電車迄のホッとしている時に、今回の旅でいちばん怖いと感じ、いろいろな事を考える『事件』がありました。大袈裟かも知れないけど、こんな事があるんだ〜、という事で。

スタバでの出来事(スタバは悪くない)

帰りの電車までの1時間弱、ケルン中央駅スタバで少し休憩することにした。

いちばん上のBruxelles Midi行きで帰ります



塔に登ったり、ライン川対岸までを2往復したりして、さすがに少し疲れていた・・・。きっと緊張感のない顔をしていたと思う。
店内で温かいカフェラテを飲みながら、座ってぼんやりしていたら、いきなり目の前に浅黒い肌の小柄の中年の男性が立ち、両手を合わせて拝むようなしぐさをし始めた。ヒィーッ!!!ぎょっとして見ると、しっかり目が合った・・・。うわ、これ、お金をくれ、って言ってる・・・うわっ
高いスツールに座っていたのでさっと立ち上がることができない。反射的に顔をそむけ動かない、いや動けない、ほぼ硬直状態・・・きっと数十秒もないくらいの短い時間だったと思うが、息ができないほどの緊張だった。

彼が目の前からいなくなり、ほっとして周りを見渡すと、もう店内にはいなかった。ほかの人のところには行かなかったんだ・・。
残りのカフェラテを飲みながら、ピンポイントでわたしの前に来たのだと気づくと、ぞっとした。しばらく心臓バクバクが止まらなかった。
見るからに「おのぼりさん」のアジア人の小柄なおばちゃん。一人だし、気弱そうで(たしかにビビりではある)、ちょろい、と思われたのか?たしかに、なめられるよなあ。

ベルギーに来てから(ここはドイツだけど)生まれて初めて「物乞い」といわれる人たちを見て衝撃を受けていた。大勢の人に「恵んでください。」のポーズをしている人を見て、心が痛みながらも、身の安全のためには関わらずにいよう、と思って数日過ごしていた。こちらから関わらなければ大丈夫だと思っていた。でも、向こうからやって来るとは。

あー、もうびっくりしたー。まわりにこれだけ人がいるのに、こんなことがあるんだ・・
と混乱していたので、買うはずだったスタバのご当地マグを買うことを忘れていた・・くやしい。

このテーブルの右側に物乞い男性が立った。私との距離は1メートル未満

まさかホームで

気持ちが少し落ち着いたところで、駅のホームに向かう。ホームはかなり混雑していた。

帰りの列車はケルンが始発ではないので、座席指定をしておいた。
ホームはわかるが、どの辺りで待てばいいのかはっきりとは分からない。
分からないままだったが、列車が到着するまでまだ数分あるので、人混みから少し離れた場所(といっても10メートルも離れていない)で待つ事にした。
さすが大きな駅だなあ、人が多いなあ、スリに気をつけなきゃ、と人混みを眺めていた、その時だ。さっきのスタバの男性がまた目の前に立って、両手を合わせて拝むポーズをした!!ヒィーー!!!!
無意識のうちに私は人混みの中に走って逃げていた。え?つけられていた?そんなに狙いやすかった?もう怖すぎて怖すぎて、さっき以上に心臓バクバク、変な汗がダラダラ。
大きな荷物を持っていなかったから走って逃げられたけど、持っていたら行手を阻まれたのかな。

どういう事情があって物乞いをしているのか分からない。相手のことを理解しないままに一方的に怖がるのは、偏見や差別かもしれないし間違っているのかも知れない。困っている人を見捨てている私は冷たいとも思う。

ただ、ピンポイントで来られたのは、どう考えたらいいのだろう?狙いやすいヤツだった?驚いて少額なら出しそう?まわりにアジア系の人がいなかったから、目立っていたのかなあ。

いやぁ、やはり駅では油断してはいけない。改札がないんだもの、誰でも入れるしなあ。心臓バクバク・・・
今回の旅唯一の『事件』だった。

教えてくれてありがとう

まだ呼吸が整わないうちに、同じホームに待っている人たちが、同じホームの反対側に移動し始めた。え??今度は何⁇
「ヨーロッパの駅では、直前にホームが変更になることがある」とかいう、もしかしてそのパターン?
そうしているうちに電車が入ってくる。躊躇している暇はないので、すぐ近くにいた人に「Brussels?」と聞くとそうだと教えてくれた。無視せず返事をしてくれて、ありがとう😃


チケットによると22号車14番が私の席。とりあえず22号車に近そうな場所にいたが、ちょっと自信がない。ま、乗ったら何とかなるだろう、とお気楽に考えて乗った。ところが予約表示の14番が見つからない・・・あれ??どこ??えーー⁈たぶん相当困った顔をしていたと思う。
その時、学生風の若い女性が、席を探しているの?と私にもわかりやすい英語で声をかけてくれた。そうなの、私の席はここなんだけど、とスマホでチケットを見せたところ、笑顔で「ここは21号車だから、隣の車両だと思うよ。」とまた聞き取りやすい英語で教えてくれた。ありがとう~!!助かった~!!旅先で受ける親切、涙が出そう。

おのぼりさん全開のアジア人おばちゃん、狙われもしたけれど、助けてもらえることもあった。本当にありがとう!!

チケットの一部
Wg.は、号車  Pl.は座席
座席横の窓の上に、予約区域が表示されている。
ケルン-ブリュッセル
隣の12番には結局誰も来なかった。

ドイツケルンまでの日帰り旅、いろいろあったが、やはり日帰りであっても、列車の旅、好きだなあ。そんなことを思いながら車窓から長閑な風景を見ていたら、あっという間にブリュッセルに着いた。

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