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「カラオケ行こ!」のライトな感想

ミニシネマが好きでお気に入りのミニシネマのスケジュールをチェックするのが週課になりつつあります。
そこで見つけていた「カラオケ行こ!」。前情報は一切見ておらず、原作漫画も読んでおらず、ミニシネマの作品情報詳細のあらすじだけ読んで、コメディタッチで脱力しながら笑える予感がしたので、「あ、コレ行こ!」と心の中で決めてました。危うく夫を誘うところでしたが、私のほうが見たい熱量が強かったので、流れで一人鑑賞に。
結論を言えば、一人鑑賞に落ち着いて本当に、本当に良かったな(良い意味で)と心から感じた映画でした。

以下、個人的な感想です、未鑑賞、原作未読、かつBL要素が苦手な方はここで、読み進めるのをご遠慮ください。


序盤はまだ普通のコメディと思ってノンアル片手にゆる~く見てました。主役二人は終始落ち着いたトーンの会話。にしても聡実君、肌綺麗、真面目で繊細な思春期の少年だ。狂児さん、足長いなぁ、スーツの似合い方この世離れ。異変を感じ始めたのが、車の助手席に聡実君を乗せて走るカットから。なんか車内の空気感が、てか撮り方も、雰囲気も。トレンディ…?いやいや、まさか。だってこれトレイラー見る限り脱力系コメディだよね?

聡実君の家近くに駐車して彼を送り出す際、綾野剛が自然に「家着いたらラインして」「聡実君!…おやすみ。」……ん?なんかこの間、視線、会話…。いやいや、中学生だしね。帰りはそりゃ心配だよね。

カラオケで落ち合った時のカット。直ぐに聡実君を見つけてにこやかに側に歩み寄りパーソナルスペース0距離で聡実君を見下ろす綾野剛。なんか撮り方、迫ってないですか…?いやいや、まぁ気にするほどでは…。

ヤクザ達に怖がり聡実君が綾野剛にしがみつく。それを当然のように綾野剛が受け止めている、二人の距離感。からのとうとう片腕を自然に聡実君の後ろに回している。これは気のせいじゃない!

「可愛い子犬ちゃん」発言だったり、肩に腕を回して抱きしめてる頻度が高すぎなのとか、沈黙してじぃっと見つめるのとか…。綾野剛の様子がとにかくおかしい。
演出家の指示が「とりあえず、押しに弱いお人好しで自分の為に一生懸命になってくれる可愛いあの子を全力で甘やかして口説くように」となっているに違いない極上の口説きっぷり。綾野剛の本気は次元違いますね。

喧嘩のシーンも、もう聡実君、最後の捨て台詞はそれヒロインのセリフ!そして、お守り投げつけられて綾野剛の切ない顔なんなん!

もうビジュアルポスターの傘差し掛ける2ショットが少女漫画原作の恋愛映画のソレやねんけど!!もうそうとしか、見れないんだけど!!最高かよ!!

「おっさんずラブ」「きのう、何食べた?」「ちぇりまほ」など、2015年以降、BLの市民権がめざましい広がりをみせていると感じております。というかヒットした実績が制作側を動かしているのですね。特に地上波、映像作品でメジャー俳優を起用しての作品づくりには歓喜しかありません。

BLと思って見ていなかったけど、ドストレートに胸に弾を打ち込まれて、驚きとともに暫し優しい気持ちになりました。
BLの良いところは優しい気持ちになれるところですね。

シネコンで公開されてから好評で、ファンの間で騒がれていた良作と後日知って納得の作品でございました。


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