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没入感🎈

『虎狼の血』と『虎狼の血 level2』
を観た。
警察とヤクザの血生臭い話だ。
一作目の方がおもしろかった。
役所広司演じるガミさんを大好きになった。
没入感が違ったように思う。
どういうところで没入感が変わってくるのだろう?と疑問に思った。
考えている中で、
地元最高、第64話『友達の家』を思い出した。

サキちゃんがお詫びにと
家で振る舞った料理が肉じゃがで、
とても嫌な気持ちになったのだ。
肉じゃがって家庭料理感が強い。
親が作ったことあるのかなぁ。
みんなでおいしいって食べたこともあったのかなぁ。
と勝手に想像してしまって嫌な気持ちになった。
ごちそうみたいな立ち位置に、
肉じゃがあるのも嫌だった。
おかずで出てきたら、
「えー?今日肉じゃが?」って文句言うくらいに当たり前の料理だと思っていた。

足に彫られた家族という刺青も、
早く生まれたというだけで、
本当は大人が担うべき責任を、
サキちゃんが一人で背負ってることを、
象徴しているみたいで嫌だった。

過去を具体的に描かなくても、
日常の何気ないシーンに人生は現れる。
それに触れるとその人を知った気になる。
没入感が増して、
好きになったり嫌いになったり、
幸せを願ったりするようになる。
とても不思議だ。

生(ナマ)の経験、
体験した人にしかわからないこと、
出ない言葉、
それが描かれていると、
作品にグッと引き込まれる。
自分の人生の地続きに、
登場人物を感じることができる。

セブ山さんが、
「こういう話を聞けておもしろかった。」
というときにもよく出てくる
『体験した人からしか出ない言葉』
何かものを作るときに、
生々しさは欠かせないのだろうなと思う。

創作物は命の削り粉だ。
それを浴びるから、
人は魅了され心動かされるのだろう。

セブ山さん自身や、
セブ山さんの作ったものに対して、
好きとか嫌いという思いを、
SNSで見かけることがある。
『好き』はもちろんだけど、
『嫌い』にも好きと同じか、
それより多くのコストが
かかっているように思う。
どちらも心の根っこを掴まれて、
ぐらぐら揺さぶられているということだ。
だからじっとりとした『嫌い』を
SNSで見かけると、少し嫉妬する。
あなたの方がより
セブ山さんの心の手に触れたのだ。
と羨ましくなる。

バーイベントで、
一人離れた場所から、
セブ山さんを見ているとき、
月だなぁと思った。
見えているけどすごく遠い。
きらきら輝いて眩しい。
家に帰ってたくさん絵を描いた。
いくら描いても、
ぜんぜん形にならなくて苦しい。

個展も楽しみだ。
原画っていったい何なんだ?
十年ぶりの東京だ。

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