【ニンジャ二次創作】ニンジャG

オリジナルニンジャのG…の話

ハローハロー!覚えているか?返事は要らない。だがそっちはどうだ?こっちはもう大変。タロ・ウラシマの気分さ。一体何があったか…簡単に言うと、ぼうけんのしょはきえてしまった わけだ。え、わからない?そいつは驚いた。アタシの話でわかったことが一度でもあったってのが驚きだ。まあそれはいい、とにかくぼうけんのしょは消えたよ、ある奴の不始末でな。 …皆、ツイートのまとめは忘れないうちにやっておくといいぜ。それに見切り発車で事を進めてもだいたい良いことはない。どうしようもない重大な食い違い…とても恐ろしいものだ。

「ゴシップミル=サン!いつまでカメラに向かって喋っているんです!」

おっと。すまんが時間切れだ。まだ言いたいことはあるが、それはいずれわかるだろう!サラバ!


「掃除の邪魔です、手伝わないならどこか行ってくださいな」
女は箒でその胡乱な者の背をつついた。そいつは渋々腰を上げ、チャブの上に置いていた羽根付きの帽子を被った。
「へいへい。日が落ちたら帰ってくるんでそれまでには掃除終わらせなよ」
「ま。誰のせいだと思っているんだか。それにお忘れです?」
「忘れてない、忘れてない。あんたには感謝してもしきれない、ユベシ=サン」
ユベシと呼ばれた女性は不服げに唇を尖らせたが、これ以上は何も言わなかった。けれど、感謝してるのはこちらのほうだと彼女は思った。
ユベシは10年前、故あって命を落としかけた。助かるなどという都合の良いことは起こらないだろう。全てを諦めた女が見上げた空は、突如何かに遮られた。そこには泣き出しそうな顔で天を睨む、継ぎ接ぎマントのニンジャがいた。ニンジャがすぐそばにいるのにも関わらず、彼女に恐怖はなかった。というよりも、そんな顔をした者にどう恐怖出来ようか。考えてると不意に体が浮いた。そのニンジャが自分を抱えている。恐らく女だと思われるそいつは泣きそうな表情のまま、「逃げようか」と言った。返事もままならないので、言われるがまま抱えられるまま、ユベシは逃げた。……生き延びた。礼が言いたかった彼女は、自分を救ったニンジャの名を聞いた。それがゴシップミルだった。謝意を述べると、軽く首を振り、去っていった。それ以来会うことはなかったが、10年後の今。数日前、崩れた廃屋の屋根に座り込むゴシップミルを偶然ユベシは発見したのだ。そんなことがあり、この胡乱なニンジャは彼女の家に世話になっているのだった。

「ここ10年のことは全くわからんのだがどうやらソウカイヤが再興している…何が何やら」ふらふらと歩きながらゴシップミルは呟いた。街の様子も見慣れているが見慣れない。以前より猥雑になった……違う。秩序はケオスに…わからない。何がどうなった。
「みんなどこへ行った、見送られることもなく…ってまさか死んだとかはないよな」ゴシップミルは思案し、何人か知り合いの顔を思い浮かべた。水っぽいバー店主。四人のメタラー。ジョルリを操る小僧。ラッコ。胡乱な神父風の男。……ないな。到底死ぬとは思えない。頭を振り、要らぬ心配を払った。
「しかしせめて、現状を教えてくれる奴がいりゃあいいのになァ」
そう言って歩くゴシップミルのすぐそばに、ピザタキなる店があることを当人は知るよしもなかった。

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