【六十五歳の壁の打開策】

 ゴーデンウィーク中の五月四日、ヘルパーさんに昼食を作って頂いているとき、スマホの呼び出し音が鳴り始めました。
 スマホの画面を見ると、相談員さんからです。私はこのゴールデンウィーク中に電話があるとは、よほど緊急な用件かと思い、掛かってきた電話に出ます。
 電話に出ると、「今大丈夫ですか?」と。その声は慌てた雰囲気のものではなく、普段通りの口調。「はい。今ヘルパーさんが昼食を作って頂いていますが、大丈夫です」と返答。
 「実は、この前藤永さんが気にしていた六十五歳以降のことなんですけど」。
 私は、「六十五歳以降」と聞いただけで、全身に緊張が走るのを感じました。聞きたい一方で、悪い知らせだったらどうしよう。良い知らせのはずがない。少し身構えしながら、「はい」と返事。
 彼は、「六十五歳以降障害者福祉から介護保険に切り替わるのは、確かです」と。私はそれを聞き、やはりそうか。六十五歳以降になったら、お金が掛かるなぁとある種諦め状態に陥りました。
 「そうなんですね。。。」と呟きました。
 私がもうこれで六十五歳以降の話は終わったと思っていると、「藤永さんが年金の他に現在いくら預金があるか分かりませんが、預金がなくなり、生活保護を受けるようになったら、再び介護保険から障害者福祉に優先的に移行されるので、現状のサービスと同じサービスを六十五歳以降も受けられますよ」と。
 これを聞き、私は思わず笑顔になり、「じゃ、六十五歳までに預金を使い切ってしまった方が良いという話ですか?」と訊いてしまいました。
 彼は「浪費をしないでくださいね」と言いました。
 また、詳しい話は、今月中にいらして頂けるようですが、ひとまず六十五歳以降どうなるかについてわかって良かったです。
 彼からの電話が来るまでは、六十五歳以降のことを考え、毎夕食を納豆だけにしようかとも思っていただけに、彼に良い知らせて頂きありがとうございましたと、今度いらして頂いた時にお伝えしたいと思います。

 でも、やはり生活保護を受けるのには抵抗があります。
 だからと言って、出費が大きい食費を見直すにせよ、現在でも贅沢はしていません。
 一週間の朝夕の食事は、5,000円台です。
 時には、贅沢な鰻が食べたくなります。二尾で2,500円。
 一週間、毎夕食40gで4個入りの納豆(181円)を2個買い、二ヶ月に一度贅沢の鰻を食べることにしましょうか。
 介護保険を受けるために、生活を切り詰めることを続けると、ますますストレスが溜まり、うつ病も悪化すると思われます。
 やはり、一律障害者にせよ、障害者福祉サービスから介護保険に切り替わる制度には、問題があると思います。


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