Le rond-point
私は、来週から少しずつ復職へと動き始めます。
最初は職員の皆さんへの挨拶だけ。そこから出勤のトレーニングを始め、最終的にはOfficialの訓練。
楽しみなような、でも少し不安なような気持ちを抱えながら、最近は毎日を生きています。
そんな中で、ふと感じたことがあります。
「これ、凱旋門のロータリーと似てるな」と。
タイトルのLe rond-pointとは、凱旋門のロータリーを意味します。
写真は、数年前に訪れた際の凱旋門。
パリではエトワールと呼ばれています。
この下に地下鉄があって、ここで降りてシャンゼリゼで買い物をする。
パリに行ったことのない人でも知っているような、有名な場所です。
そして、その下にあるのがle rond-pointです。
ご覧の通り、反時計回りで車が動き、ロータリーに入った車は一度内側まで入り、何週かして自分が出たい道に近づいてから出ます。
信号がないので、そういう意味では合理的なインフラではありますが、ご想像の通り事故は起きやすい。私も2年前にパリで一度運転をしましたが、とても緊張しました。
何が緊張するかって、走る優先権がすでにロータリーの中に入ってる人にあるということなんです。
日本の高速道路は、合流してくる車に合わせて車間距離をあけますよね。スムーズに入ってくるように、すでに車線を走っている車が配慮します。スピードを落とすだけではなく、車線を変えることも。私もよくします。
ただ、凱旋門のロータリーでは、これが逆になります。
つまり、外から入ってくる車ではなく、中を回っている車が優先。だからこそ、外から入ってきた車は、かなり神経を使います。
優先とはいっても、もちろん内側の車も意識はするでしょう。「あー、この車入りたいんだな」って。
要は、外から入ってくる車は、内側の流れを読んで入っていかないといけないわけ。「あの車どいてくれるかなぁ」なんてのは、基本的には通りません。もちろん優しいドライバーもいるとは思いますけどね。
この感覚と、復職って、近いと思うんです。
外から入ってくる車が私たち休職している先生、ロータリーで走っている車が現職の先生だとしましょう。
私たちは、カウンセリングや精神科外来などの”道”で、自分の好きなように走ります。好きなスピードで、好きなように曲がったりして。だからこそ、ついわがままになってしまう。
でも、いつかはこのロータリー(職場)に入らないといけない。
そのときは、自分のわがままは通らないんです。周りはすでに動いているし、そちらに合わせないといけない。今まで通ってきた道なんて、これから先は通用しないから。
ロータリーに入るときも同じ。
実際に凱旋門のロータリーでも、適当に入っていく車はないでしょう。左右を見て車間距離を確認し、安全に入っていく。神経質になる。
私たちも同じです。復職も、出来るだけスムーズに入ろうとするのは可能でしょうが、全く神経質にならずに復職するのは難しいでしょう。周りが配慮してくれても、少なからず神経質に、デリケートになるのは当たり前。
だから、それを「周りが配慮してくれない!」とか「全然自分のこと考えてくれない!」だなんて、それは違うよって。お株違いだよって。
ロータリーに入っている車(働いている先生)は、自分がどこの道で出ようか(自分のプライベート何しようか)を考えているでしょうから、その人たちに「道開けてください!(私のこと配慮してください!)」なんていうのは、違うなぁと私は思います。
※配慮が全く必要ないという話ではありませんからね。
では、ロータリーに入らなくてよくない?という声も聞こえてきそうですが、ロータリーに入るから出られる道があるんです。仕事も同じですよね。
だから、一つも神経質にならずに復職するなんて、それは無理。
そろそろ私もロータリーに入る準備をしようと思います。
えいと
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