台湾の食事スタイル
フードコートなどでほかのお客さんと同じテーブルに座った時、ふと気になることがありました。台湾の人の麺の食べ方です。
台湾のマナーでは日本のように音を立てて麺をすするのはタブー。で、どうするかというと、れんげの上にいったん麺を乗せてから、口に持っていく。れんげを口につけるのではなく、れんげが小皿のような役割をして、れんげの上に乗った麺を箸で食べるのです。うーん、こんな説明で想像つくかな?
れんげで麺をすくうのではなく、箸でれんげの上に麺を乗せるという作業がひとつ入ります。
ちょっと独特ですよね。この食べ方でどんないいことがあるのか、と思って、真似して食べてみました。
試してみた結果
1)麺をすすらないので音がしない
2)汁がはねない
3)れんげの上で熱い麺をいったん冷ますことができる
4)最後に残った箸でつまめないような具材も食べることができる
などの利点が見られました。
ただ、器を持ち上げないし、ひじをつくので、どうしても猫背になる。
また、すすらずに口の中に放り込むので、一緒に空気を含んでしまい、ゲップの原因になる、などの考察が得られました。
で、さらによく観察してみると、麺だけでなくご飯ものでも、れんげの上に乗せて箸でかき込むように食べています。れんげの上にごはんとおかずを一緒に乗せ、小さな丼状態を作り上げてから食べている人もいました。
この食べ方も真似してみたところ
1)台湾のお米はさらっとしてポロポロしやすいため、箸で食べにくい
2)箸の先が太い場合が多く、つまみにくい
3)米飯の上におかずが乗っているタイプだと、箸で食べにくい
など、箸で食べにくい状況があって、必然的にれんげを使っているということがわかりました。
また、
4)れんげの上にごはんとおかずを一緒に乗せて食べることで、味のない米飯を美味しく食べることができる
という考察も得られました。
ただ、その状態のれんげで直接食べるのは、かなり大きく口を開かなくてはならず、わたしには食べにくかったです。れんげを口につけつつ、箸で口にかき込むように入れる、というスタイルなら大丈夫でした。
さらに
5)お椀や皿を持ち上げて直接口をつけてかき込む姿はあまりない
ということも見えてきました。調べてみたら、丼などの大きな器はNG、小さなお茶碗はOKのようです。汁っぽいごはん、炒飯などのパラパラしたごはんは、箸でれんげの中にかき集めて食べていました。
この、れんげの使用方法、マナーというほど行儀作法的な意味合いがあるわけではなく、習慣、食事スタイルという感じでしょうか。台湾の人に聞いてみたことがありますが、あまりピンとこなかったようで、おそらく台湾の人もかなり無意識にやっていることではないかと思われます。
こういうライフスタイルの違い、おもしろいですね。今後も研究を続けます(笑)
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