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観たものとか

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2024年5月の記事一覧

マティス展(国立新美術館) 作品点数が多くて見応えがあった。絵画だけでなく彫刻の展示も多い。個人的にはバレエ・リュスの衣装を手がけていたのが興味深かった。ピカソといいこの時代の芸術家はバレエ・リュスと関わりが深いのね。展示ラストのロザリオ礼拝堂の再現、光の演出が良かった。

捨てるための日記36_「ゴヤ《戦争の惨禍》(国立西洋美術館)」

ゴヤの「戦争の惨禍」が見たくて国立西洋美術館へ行った。企画展には何度か足を運んだけれど、常設展を見るのは初めて。 一つ一つの版画について語ることは避けるけれど、このタイミングで「戦争の惨禍」をまとめて見ることができて良かった。 ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナでの虐殺がなおも続いている現在、この展示がされたのは意義あることだと思う。 ゴヤの「戦争の惨禍」はスペイン独立戦争を描いたものだ。スペインにもフランスにも肩入れしていない、ただ暴力の悲惨さが延々と描かれる。

捨てるための日記35_「彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd Vol.1 『ハムレット』を観る」

初めて劇場へ芝居を観に行った。吉田鋼太郎演出、彩の国さいたま芸術劇場での「ハムレット」 みんな早口 初観劇なので、まず登場した人物がすごい早口でしゃべるなと思った。多分シェイクスピアは台詞量が多い? 状況とか全部一気にしゃべる。TVの字幕表示に慣れすぎっちゃっているから、耳からの情報を取得するのにけっこう集中した。吉田鋼太郎さんの低音ボイスは聞き取りやすい。 シェイクスピアはメタが好き? 舞台の上の役者に、役者や芝居のことを語らせるのはシェイクスピアではよくある手法な

アブソリュート・チェアーズ(埼玉県立近代美術館)

会期終了間近の平日の夕方、館内は空いていた。静かな状態で椅子たちを鑑賞できたのはすごくよかった。 1.美術館の座れない椅子 1-1.デュシャンの「自転車の車輪」(京都国立近代美術館) 木製のスツールの上に自転車の車輪が乗っている椅子。当然座れない。というかスツールはただの台座として使われていて椅子だと思われていない。 1-4.草間弥生の「無題(金色の椅子のオブジェ)」(高松市美術館) 椅子としての形は保っているけれど、ファルスを思わせる突起が全ての表面を覆っていて「座ら