さらば、我が青春の…④
パチンコを趣味としていた「パチンカス」だった当時、軍資金と目標ラインを共に¥4000に設定するという縛りを自分に課していた。
賭場が毎日開帳されている状態のパチンコで長く続けていく為には、大負けしない事が重要。だから追加投入は絶対しない事を心掛けていた。
更に負けない為に重要な事は欲張らない事。
ひとまずノルマに達成したら引き上げる。
「あそこで止めとけば良かった…」というのが一番つまらないし、只でさえ愚かな自分を呪い殺したくなるから…。
だが時折、明らかに勢いに乗っている、自分が無双状態に入っていると感じる時がある。
その時は流れを信じて一気に勝負を掛ける。
むかし、阿佐田哲也が博打のコツは「出る・引くを徹底すること」と何かで読んで腹落ちして以降、このやり方を実践する事にしていた。
…まぁ、最近のパチンコでこのやり方が通用するのかは知りませんけど。
しかし、他の趣味がなくなってしまった自分にとっては大勝ちしても欲しいモノ・書いたいモノが当時は無い状態。
結局、勝ち分は酒食費か翌日以降の軍資金に充てられるだけで、目的も無くグダグダと惰性で打ち続けるだけの意味の無い趣味になってしまっていた。
そんな中で久しぶりに買ったフィギュア(S.I.C極魂 牙狼」)。
少しばかり手を入れて弄った事もあってか愛着が湧いてしまい、そこからフィギュア収集熱が再燃。
買っていたのはガチャの「アルティメット エヴァンゲリオン」の一番最初のシリーズ。
パチンコに勝ったら一回コレを回すのが儀式となった。(これも当時「CRエヴァンゲリオン」にはよく勝たせて貰っていたので「ゲン担ぎ」として…という自分に対しての言い訳なのだが)
気づけば結構な数の「初号機」と「弐号機」が溜まっていた。(あと、全くいらない「射出台」も…)
結構良く動く構造なのもあって自作フィギュアの「素体」として、これらを活用する事にした。
これ迄のフィギュア収集と明らかに違っていたのは今回は「集める」を目的としたものではなく、コレを素体にして、「欲しいモノを自作する事」が目的となった所。
実際に胴体〜脚部以外の改造に適さないパーツは処分。
新たに設えた「収納スペース(隠し場所ともいう)」はまるでエヴァ劇中のネルフ基地内にあった「エヴァの墓場」のようになっていた。
コレクションを目的としていた時は、「目新しいモノを発見→入手→満足→次のアイテムを探す」というサイクルを繰り返していただけで、入手したモノ一つ一つへの思い入れは決して高くは無かったように思う。
今回は欲しいモノを作っている間は、少なくともその製作期間中はそのキャラクターやそのモノに対して愛着を持つ事ができる。
更に「作る」事が主目的なので数を抑える事かできる。
そんな訳で、新たなオタク趣味は再開。
作ったモノは「S.I.C極魂 牙狼」と同一サイズの敵キャラが欲しくなった事もあって作中の敵キャラ「ホラー」。
一体作ったらもっと作りたくなって、以降は次々と製作…。
こんな感じで作り進めていく内に製作に熱中して、そして同じ時期に仕事が立て込んでいた事もあって暫くパチンコに行かない期間が発生。
ある程度、仕事も製作もひと段落ついた所で
久しぶりにパチンコ屋を訪れた所、得意としていた台が入れ替えの影響で全て無くなっており、足掛け十年以上に及んだパチンコ生活に終止符を打った。
まあ、そもそもパチンコなんてお金になるからやっていただけで「ゲームとして」面白いといった類のものでは無かったので、後腐れ無くスンナリと足を洗う事が出来たという次第。
昨今、パチンコ屋の閉店が相次いでいるが、
「元パチンカス」の自分としては早目に別の趣味に移行して引退できたのはラッキーだったと今になっては思う。
さらば、我が青春のパチンコ…。
只、この調子で改造フィギュアを作り続けた結果、新たな作品収納場所も早々にキャパオーバー。
後々「第2次処分命令」が発される事になるのだが、それはまた別のお話…。
(完)
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