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さらば、我が青春の…③

結婚によるコレクションの大処分命令を受けて、その後は当時もう一つの趣味であった「パチンコ」に興じるようなっていた。(勿論コレも家人には内緒の趣味。)
あれだけ、キレイさっぱりとコレクションを処分されるとまるで憑き物が落ちたように「収集」そのものに興味が無くなった。
「モノ」に愛着を持つなんて俗物だ。
全てが無くなった時の喪失感をまた味わうくらいなら「モノ」なんていらぬ!
聖帝サウザーの気持ちがある部分で分かった気がした。…まあ、いい歳した大人の考え方ではないが。
何は兎も角、「パチンコ」それのみが唯一つの趣味となってしまった。
実は「マジックカーペット」などの羽モノから入って、当時すでに歴10年以上だった自分。
ユルい時代だったのでパチンコもタバコも居酒屋も、今みたいにいちいち年齢確認なんてされなかった、
認めよう、我まさに「パチンカス」であると…。

でも会社はそんな事知らないので、これまで通りに出張を言いつけてくる。
明らかに出張に対するモチベーションが下がっているのに上司は全く気付かない。
無能な上司にも困ったものである…。
出張の行き先としては日本海側に3〜4日泊まり込みが多かったのだが、仕事終わりに一人で「美味いもの」を食い歩くなんていう「井之頭五郎」みたいな粋な男では無いので、結局は地方のパチンコ屋に…。
そんな乱れた生活の中、出張先で立ち寄った萎びたショッピングモールでソレを見つけた。
「S.I.C 極魂 牙狼」
1/12サイズの通常のS.I.Cより小さな1/18サイズのフィギュアシリーズである。
フィギュアなんてもう買わないと誓っていた自分だったが、こんな10cmくらいのモノなら隠し持っていても家人にはバレないだろうという誘惑に駆られて、気づいた時にはレジへ…。
前日にパチンコで勝ってたのもあるし、当時打っていたのが「CR牙狼」だったし、その感謝と翌日の勝利を願って…等と適当な言い訳を自分にしつつ…。

宿泊先のホテルに着いてから開封してじっくりと眺める。
このサイズでこの造形、素晴らし過ぎ…。
只、二の腕にロールが無くてポーズが付けにくい点だけが気になった。
…まだ、モールが開いてるなと思い、ニッパーとヤスリとピンバイスを買いに出る。
出張先の宿で買ったばかりのフィギュアを切り刻んで二の腕に横ロールを設けてやっと満足。

「S.I.C極魂 牙狼」(改)
頭部と腕部を改造。

翌日にはこんな小さいモノならもう1・2個くらい買っても良いだろうと同じシリーズの絶狼・キバを購入。
それぞれ、微妙に手を入れて弄っていった。
自分が気に入る形に弄るのは楽しいと久々に痛感。

「S.I.C極魂 絶狼」(改)
頭部の形状を改造。
「S.I.C極魂 キバ」(改)
頭部を若干改造

こうして、家人の禁を破ってフィギュアを購入。

…只、この時はまだ10cmの小さなフィギュアが3つだけだったのだ。
ココからあんな沼に堕ちるとはこの時は思っても無かったのだ。

(つづく)







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