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ウィルソン  第一話 目覚め

 少年は静寂の夜の中、息を切らしながら走る男を2階の寝室の窓から見た。その男は裸であった。髪はところどころ無くなっており、顔には大きな傷があった。足には矢で射抜かれたかのような深く、そして鋭い傷があった。だがその男のブルーの目はやけに見開かれており、そして美しかった。
そして、
「ヨハン、俺は必ずお前を呪い殺してやる」
そう突如叫んで男は前に倒れ、死んだ。



「ポッポーポッポー」汽笛が鳴った。
ウィルソン-ニューロンはある用事でロンドンに行くべく汽車に乗る。手動式のドアを開き、好きな席に座った。そして自分の好きな本「ジョージーの伝説」という航海ものの本を読み始めた。  まもなく汽車が出発する頃、一人の女性が入ってきた。そしてすぐにでも席を確保したいのか、最も入り口に近かった自分の席の向かい合わせに飛び込んだ。席を確保して初めて自分の目の前に人がいる事に気付いたのか、あるいは自分のたった今したことを恥じてか、顔を真っ赤にした。ウィルソンはそんな彼女を微笑ましくおもい、読書を再開した。


かなり長い間、汽車に乗った。そしてようやくイギリスの大都市「ロンドン」に着いた。彼は真っ先に駅に近くにある「俺たちの酒」といういかにも安そうな酒屋に行き、朝っぱらから酒を飲んだ。一見紳士そうに見える彼も長い間汽車に乗っていたストレスを晴らすべく酒を飲んだ。そして5分ほどオーナーと他愛ない会話をして店を出た。そして「コンキスタドールホテル」に直行した。

 彼はホテルの係員に蛇が刻まれた金の硬貨を渡した。すると係員はホテルのオーナー室に彼を案内した。25階建てのホテルで一流ホテルである「コンキスタドールホテル」。彼は最上階の25階まで案内され、オーナー室の前まできた。
「オーナー、ウィルソンさんがお見えです。」
そういうと、
「うん、中に入ってくれ」
中にいるドスのきいた男の声が言った。
彼は堂々とオーナー室に入った。そして大の漢2人の間で高級そうな椅子に座っている中年の男がここのホテルのオーナーだ。 
「やあ、ウィルソン、君がいつ来るか待ち遠しく思っていたんだよ。」
オーナーは目を細めながら言った。
「久しぶりだなジョン、俺も相棒に会えて嬉しい。」
また再開しにきたんだろ?とオーナー。ああ、ちょっとばかり金が必要だ、とウィルソン。
「ようこそ、コンキスタドールへ、昔の稼業を再開しにきたんなら話は早い。」早速、彼はある写真を渡した。そして、
「こいつの生首を持ってきてくれ。」
その写真にいたのは若い女一人。そしてどこかで見覚えのあった顔だ。 思い出した、あの時汽車にいた女か。
「賞金は?」
「450万ドル」日本円にしておよそ6億5000千万
「承諾した」彼は懐からハンドガンを出し、その女顔に向けて発泡した。
ジョンは気色の悪い笑みを浮かべながらゲラゲラと笑った。


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