見出し画像

実家の「空き家」超有効活用術【重要部分まとめ】

こんにちは!
不動産投資の、本要約チャンネルの徳川です。
今回は三木章裕(みきあきひろ)さんの著書「実家の「空き家」超有効活用術」をご紹介します。この本は、空き家問題の現状から、その活用方法、不動産投資の具体的な戦略までを学ぶことができる一冊です。では、さっそく本の内容を詳しく見ていきましょう。

この本のポイントを3つ紹介します。

1: 空き家問題の現状と法改正の動向
空き家問題が深刻化する現状や、国や地方自治体が行っている法改正について詳しく解説しています。空き家を放置するリスクとその解決方法を理解することができます。

2: 空き家の活用方法の選択肢
空き家を「売る」「使う」「住む」「貸す」といった4つの具体的な活用方法を紹介。各方法のメリットとデメリットを知り、最適な選択肢を見つけるためのアドバイスが豊富です。

3: 実際の売却・賃貸の具体的なステップ
売却や賃貸に際しての具体的な注意点や成功するための工夫、賃貸ビジネスの実践的なアイデアが示されています。高値で売るためのコツや効果的なリフォーム方法など、実践的な情報が満載です。

### 第1章:実家の「空き家」の悩みを解決する4つの方法

この本では、空き家の所有者及びその予備軍の皆さんに対して、空き家を放置させないで、社会に役立つ形で対処し、所有者のあなたも損をしないで、なんとか「お金になる、儲かる」形で解決する方法を提案する本となっています。

自分が望まなくても、実家が空き家となり、自動的に所有者になるケースが年々増え続けています。
このような状況から国や地方自治体も空き家問題に本腰を入れており、法改正が進んでいます。
「空き家」問題は、もう後回しに出来ない状況に直面しています。

それではここで、空き家問題解決への糸口となる4つの選択肢を紹介します。

1、「売る」を考えたケース
財産価値という物差しで考えた際に、相続した人に財産価値としてどれだけ多く残るのか?を判断基準に考えてみましょう。「3000万円の特別控除(昭和56年5月末までに建築されたものが対象)」という特例が当てはまる場合、とにかくまずは売却から考えることであなたの手取り金額を最大化出来ます。ここは忘れずに覚えておきたいポイントです。

2、「使う」を考えたケース
次に事業を開始する予定のある方、お店の開業を考えている方は、自分で利用、使用することも検討してみてもいいでしょう。事務所と倉庫を兼ねて使えたり、空き家の立地が良い場合は、店舗としての活用が有効的です。改めて場所を確保するより、今ある環境を利用する方が初期投資のリスクを軽減できます。

3、「住む」を考えたケース
相続税対策も考えて小規模宅地などの特例を活用する方法もあります。
もし住むならば、なるべく相続税評価が低くなるに越したことはないはずです。

4、「貸す(賃貸する)」を考えたケース
相続した不動産なら、賃貸住宅に転用すれば購入費が入らないので、簡単なリフォームをするだけで、びっくりするような高利回りの不動産投資になります。

空き家問題を解決するには、以上4つの選択肢のうち、どれがわが家にマッチするかを見極めることです。そして地域のニーズを捉えながら、私有財産である空き家との間でバランスを取りながら、所有者にもメリットがあり、地域にもメリットがあるwin−winな関係を構築していきましょう。

親から引き継いだ古い家は、厄介者ではなく「お宝」です。相続する皆さんが価値に気づいて、磨き上げると輝いていきます。

### 第2章:まとまったお金が手にはいる「売却」

第2章では下記3点の内容をお伝えしていきます。
1、実際に売買する時の注意点
2、不動産屋に任せっぱなしの丸投げは危険!
3、空き家を高く買ってくれる人とは?
これらを抑えるだけでも、「私の物件は売れるだろうか」という
心配の種が少しでも解消するはずです。

【実際に売買する時の注意点】
売り物件としての状態を整えて早めに処分をしたければ、売る為の工夫がされている”質がいい”物件を購入者は選んでくれるでしょう。そして購入者は意外と近隣の方が多い為、売却エリアの方との繋がりを持つことも早期に売れる近道とも言えます。次に気をつけたい点は「同エリアに比較できる物件が1つもない、取引事例が少ない」という場合です。お店で商品が棚に1つしかなければなかなか手を出しづらいように、購入者は比較判断ができず、必然的に売れにくくなります。

【不動産屋に任せっぱなしの丸投げは危険!】
空き家売却の失敗として「相場よりかなり安い値段で売らされた」というケースをよく耳にします。
著者の知るところでは、買取をして簡単なリフォームをし、転売する仕事がメインという会社があります。はなから安く買い取る目的で、あまり広告もせず、売れないことを演出して安く買い取っているのです。
ではなぜこのような罠に引っかかる人が多いのか?それは、自ら自分の物件の相場を調べていなかったからというシンプルなものです。物件の市場性と売却価格の調べ方を知っていたら、騙されることはなかったでしょう。

【空き家を高く買ってくれる人とは?】
空き家を売却する時に、買ってくれる人の用途によって値付け額は大きく変わってきます。
この章の最後に、空き家を高く買ってくれる人の特徴をランキング形式で紹介していきます。

第1位 自宅として買おうとする人
このケースは採算度外視で高値をつけてくれる方が多い印象です。
業者が見つけた場合、仲介手数料がかかりますが、近隣などに自分で声をかけておいて自分で買主を見つければ手数料がかからず、その分手元にお金が残るのも利点です。

第2位 商売などに使おうとする人
例えば、お蕎麦やさんやパン屋さんなど、使う用途によって売上や収益が違いますが利用できるとなれば、いい値段をつけてくれます。

第3位 不動産投資家が、賃貸物件や賃貸住宅などに利用する場合
著者が顧問をしている「全国古家再生推進協議会」では、全国で7000人を超える投資家を抱えています。古家再生物件としてお眼鏡に適えば高値で買い取ってくれる可能性もあります。

第4位 不動産買取業者
この場合は、転売目的なので市場価格より買取価格は安くなります。すぐに売却できてお金になるというメリットはありますが、売却価格が安くなってしまうことは覚えておきましょう。

いかがでしたか?この情報を知っているかいないかで、売却金額は大きく左右されるかと思います。
まとまったお金が一気に手に入るというのが「売却」のメリットですが、売る為の工夫を怠らず、自分が持っている空き家はどんな人が買ってくれそうかという買い手側の心理を考えながら、慎重に行動に移していきましょう。

### 第3章:辺鄙な場所でもアイデア次第「使う」

「起業のチャンスは都会しかない」と思っている人も多いかもしれません。ですが長年、古家・空き家ビジネスに関わっている著者からすれば、逆に都会の人が地方で起業するケースの方がチャンスが多いと感じています。例えば著者の友人のケースを見てみると、田舎の実家に帰って、その地域で新たに品種改良された農作物を栽培して、都会の飲食店に出荷して成功を収めたそうです。こんな田舎で使い物にならないと思っていた物件でも、見直してみると意外な活用方法が見つかるかもしれません。

現代は、インターネットで世界中が繋がっていて、それが都会であろうが、辺鄙な田舎であろうが関係なく情報をやり取りできます。”ビジネスに立地は関係なくなった”と言えます。
せっかく空き家という社会資本を持っているのであれば、大きな資金をかけずに自分のビジネスを始められます。ぜひ今後、あなたが副業や起業をする際の参考材料にしていただければ幸いです。

### 第4章:「自ら住み暮らす」を決断したら・・・

「自ら住む」ということは、相続税評価が低くなるに越したことはないはずです。
お金を使うなら、自分たちが住むためのリノベーションや設備など、自分たちの生活が充実することに使いたいですよね。一戸建てであれば、丸ごと自分の家なのですから、思う存分改装ができます。
シアタールームやサンルームを作ったり、ペットの為のペットドアを作るなんてことも可能です。
このように、住む家から楽しむ家にカスタムチェンジできるのが、空き家をフル活用するメリットとなります。

次に押さえておきたいことが、「住宅費」です。
家計の支出の中で大きなウェイトを占めているのが、家賃や住宅ローンなどの「住宅費」です。
相続した空き家を改装して、家族で20年住んだ場合、新築物件を買うよりも住宅費を大幅にカットすることが出来ます。浮いたお金はお子さんの教育や就学費用に振り分けたり、家族の趣味や遊びに使うこともできるでしょう。また、「老後2000万円問題」も相続した家に住めば一挙に解決します。近年では、「リバースモーゲージ」という自宅を生活資金化する方法が誕生しています。これは自宅を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けて生活資金に充てて、死亡後は自宅を売却、その代金で融資の返済に充てるというものです。人生100年時代と言われる現代、デメリットばかり目立つトピックですが、長く生きること、すなわち長く資産形成に関わることができるのですから、賢い選択をし、子々孫々まで豊かに暮らせる礎を築いていきましょう。

### 第5章:空き家に働いてもらう「賃貸」

一言で賃貸といっても、様々な用途があります。一般の不動産と考えると、住宅・店舗・倉庫・事務所・工場・農業・再生エネルギー関連など、多種多様な用途が考えられます。
では空き家や古家はどんな用途に向いているのでしょうか?一緒に考えていきましょう。

奇抜な利用法を考えても、イチからマーケット調査をしなければ使い物にならない物件を作ってしまうだけです。それを踏まえた上で、著者が推奨しているのが「賃貸住宅」か「宿泊施設」です。
パーティールーム、テレワーク・ワーケーション住宅として、民泊として貸し出す方法などもあります。
特に民泊の需要は高く、コロナが落ち着いた今将来性は高いとも言えます。
一つに”賃貸”と言っても、様々な貸し出し方法があることをおさえておいてください。
そして、リフォーム費用のかけすぎには注意し、値ごろ感のある家賃を設定し、利用者にとっても所有者にとってもメリットのある賃貸ビジネスが理想といえるでしょう。

### 第6章:空き家の「潜在能力」を探る

この章で覚えておいて欲しいことは、「空き家は、世間の邪魔者ではなく、重要な社会資本である」ということです。社会資本というと難しく聞こえますが、日常生活を円滑に送るための社会基盤や施設のことを指します。例えば、水道やガスなどの供給施設や道路、鉄道施設なども社会資本です。

近年では、築古分譲マンションの荒廃が社会問題となっており、必然的に社会全体の荒廃を招くと著者は語ります。この悲劇を繰り返さないために、再生分譲マンションの投資指導をする際には「傷んだ物件でも低コストで再生できるリフォーム力が大切だ」と伝えています。続けて、この投資で一番重要なのは「リーシング力」だと語っています。せっかく投資しても、入居者が見つからず、なおかつ融資も使っていると返済の負担も含めて毎月かなりの支払いがのしかかってきます。そのような悲劇を起こさないためにも、しっかり入居者をつけられる”リーシング力”が一番大切となってきます。

閑散とした分譲マンションをなくしていくことで、町の活気が生まれていきます。所有者の不動産価値を向上し、地域の経済に貢献していつまでも賑わいのある町を持続していくことが、社会荒廃を進ませない鍵となっていきます。

### 第7章:空き家を生み出さないために

現在の加速度的な空き家の増加は、高齢者が自分の家に住めなくなることで生み出されています。
不幸にしてお亡くなりになられることだけが空き家を増やしているわけではありません。
例えば、高齢で身体の衰えが顕著で、高齢者住宅や高齢者施設に入居するケースや、病気やケガにより長期入院を余儀なくされるケース。また、平均寿命が延びてきた現代では、身体が元気であっても”認知症”を発症し、まともな日常生活を送れず実家を手放すというケースも増加傾向にあります。

このような状況に陥る前に、両親と子どもとの間で、家族信託を結んでおくことが、空き家を生み出さないコツとなります。そうすれば、不動産の売却行為を子どもに信託できるようになり、不動産の売却がスムーズに進むようになります。認知症はいつ発症するかわかりません。思い立ったらまず、家族信託に詳しい司法書士さんや弁護士さんと相談してみましょう。

### 第8章:「空き家」は新しいビジネスマーケット

序盤でもお伝えした通り、全国に空き家がどんどん発生しており、その空き家を活用することで新たなビジネスが増えています。例えば空き家をリフォーム会社がリフォームして、賃貸物件に転用し、家賃収入を折半するビジネス。他にも、空き家を借り上げて、店舗向けに内装してテナントに貸し出す「サブリースビジネス」なども誕生しています。また、郊外の空き家を改装して、全国にワーケーションを作り、全国のビジネスマンと空き家の所有者をマッチングするビジネスもいいでしょう。
このような「空き家」という素材を使っていろいろな企画やアイデアが生まれています。
アイデアを練る段階で、しっかりと需要と供給のターゲットを明確にしておけば、地域再生の起爆剤となり、ビックビジネスとなっていくでしょう。マーケットの大きさは膨大なので、アイデアさえあれば可能性は無限大です。新しいビジネスや起業を考えている方も、この「空き家」分野を開拓してみてはいかがでしょうか?


### まとめと感想

この本を通じて、分かった事は、以下の3つです。

1つ目は、空き家問題の現状とその深刻さです。日本全国で増え続ける空き家は社会的な問題となっており、その対策が急務であることが強調されています。特に法改正によって空き家の管理が厳しくなっているため、所有者としての責任を果たすことが求められています。この章では、空き家が放置されるとどのようなリスクがあるか、法的なペナルティについても詳しく解説されています。

2つ目は、空き家の有効活用方法です。本書では空き家を売却、利用、賃貸、住むといった具体的な方法を紹介し、それぞれのメリットとデメリットを解説しています。例えば、売却によってまとまった資金を得る方法や、自ら住むことで住宅費を節約する方法など、実際にどのような手段が最適かを見極めるための指針が提供されています。特に、どの方法が一番利益を生むか、どのように地域のニーズに応えるかといった具体的なアドバイスが役立ちます。

3つ目は、実際に空き家を売却・賃貸する際の具体的な手続きと注意点です。本書では、売却時に不動産業者に任せきりにするリスクや、高値で売るための工夫など、実践的なテクニックが紹介されています。また、賃貸としての活用法についても、民泊やテレワーク用住宅などの新しいビジネスモデルが提案されています。これらの情報を元に、空き家をただの負担とせず、有効に活用するための具体的な行動を起こすことができるようになります。

このチャンネルでは、不動産投資に関する本のリクエストも、コメント欄でお待ちしています。お気軽にコメントしてください。
それでは、ここまでご視聴いただき、ありがとうございました。ではまた!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?