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【母の遺作】詩・味噌汁を作りながら

味噌汁を作りながら ふっと 思う

大学なんかに やるんじゃなかったと 

娘の大学生活に不満があるじゃなし

 何 贅沢なことを いってんのよ

たしなめる もう 一人の私がいる。

私の母も、 同じ思いをあじわってたかも?

ふっと そう患う私もいる。

だが、 この会話の無さは どうだ

 春休みに帰宅した娘は

まるで 遊ぶロポットだ。

 内面を隠しとおして、 毎日走り回っている

それほどのことじゃないじゃん

みんな これが 当たり前よ。 

人の内面に立ち入りたがる悪い癖よ

母さんは。

娘の無言の姿の後ろに

そんな声が聞こぇるような気がする。

そうかもなー。

でも・・・

こんなんで ええやろか? 

味噌の香りの中に 吹っ切れない私の思いが 混じりこむ。 

いつもより 濃いめの味噌汁が

はい いっちょう できあがり!

(1989 ・ 2 ・ 20頃)

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