2024.5.30 曇り

NHKラジオの歌謡スクランブルで90年代のJポップ特集が3回に分けて放送された。
裁縫をしながら、聞き逃し放送で3回分続けて聞いたら、学生だったころの「感じ」を猛烈に思い出して、頭がくらくらした。

時代の記憶が音楽と強く結びついているのはだれもがそうで、だから懐メロが喜ばれたりするのだろうけど、私は懐かしいというよりかは、その時にもう絶対に、二度と、決して戻ることができないという「時間」の恐ろしさみたいなものを強く感じ、呆然としてしまう。

雑誌「新潮」の120周年記念特大号で、昨日たまたま開いて読んだいしいしんじの「ひとことひとし」も時間をモチーフにしていた。
この間までやっていた宮藤官九郎の「不適切にもほどがある」も時間だし、数年前の坂元裕二の「大豆田とわ子と三人の元夫」でもタカナシさんが時間論を語っていた。
そういうものを読んだり観たりするたびに、時間って何なんだろ?と考え始めるのだけど、時間はやっぱり私の頭ではどうにも手に負えない。時間とか宇宙とかって怖い。怖くて、本気で考えることなんてできないのだろう。

恐いと初めて感じたのは10歳の時だとはっきり覚えている。その時の体の震え、頭のしびれまで覚えている。
最近になって、怖いと思う前に考えをほかのことに移すことができるようになった。
たぶん、年を取って鈍感になったんだと思う。
年を取ると楽になることも多い。