フリーレンから考え始める他種族、他言語、異なる価値観
葬送のフリーレンが人気みたいですね。ちょっと気になってる考えがあるのでフリーレン紹介と合わせてまとめておく感じ。
葬送のフリーレン
勇者パーティが魔王を倒したあと、そのパーティメンバーの1人であるフリーレンが仲間たちとの思い出と共に歩む物語。エルフは長寿なので色々とまったり学んでいく感じ。
原作はコミックで2023/09/15の11巻が最新。2巻まで読んだけど、これからガチバトルが始まるのかな?って雰囲気。なので2巻まではそこまでバトル!って感じのものは無いような進行。これで人気が出ていることにちょっと驚き。アニメでは2巻のさらに先が出てきそうに見える。Netflixでは9話まで公開されてる。
見どころ
仲間と共に過ごした魔王討伐はエルフであるフリーレンの人生から見ると1/100くらい(だっけ?)でしかない。しかしその何分の一の時間がフリーレンに残したものは案外大きそう。そしてフリーレンはその思いを胸に旅を続ける。
大きそうってのがポイントでフリーレンは知ろうとする。体験することでそれら物事の1つ1つが自分にとって価値があるのか、意味があるのか、得られるものがあるのかを見定めようとする。それは好奇心によるものか、仲間がもたらした想いによるものか。
今までエルフという種族は指輪物語でもゲームでもマンガでもアニメでも多々登場した。だけどフリーレンはさらに一歩踏み込んだエルフの価値観を見せてくれる。そしてこの物語の舞台においてエルフの数はかなり少ない(みたい(まだ2巻しか読んどらんけ!)。
ただそのエルフ観だけでなく、コミックスの端々にあったような作者の描写の細かさや面白さに多々良い気持ちがもたらされる。主人公はあんなに感情の抑揚が無いみたいに見えるのに。
3巻から11巻で激しいバトルマンガになるのかはわからないけど、少なくともアニメの全体のバランスを見るとここまで書いたことはあながち遠からずなんだと思う。
ちなみにマンガの方は次にくるマンガ大賞の2回前の第7回、2021年に3位に入賞してる作品。
最近見つけた素晴らしくリアルな描写
フリーレンが人気だけど、結構それ以外にも興味深いものがあったって最近気づきました。最近までに見て興味深かったもので亜人というか人間以外というかの作品を挙げておく。その後でまとめ。
僕の妻は感情がない
社畜なタクマが家事ができるロボットを手に入れたところから始まる物語。ぱっと見ロボットとの恋愛物語かと思いきや知的好奇心をがっつり突いてくる作品。ロボットのありかたや使命や責任感、登場人物同士の会話による技術の過渡期に行われそうな議論だったり、非常に興味深い。アニメ化するんじゃないですかね、そろそろ。
コミックは現在7巻まで。
自分はここで無料分を読んだ後、マンガ喫茶に行った時に並んでたので6巻まで読了して、さらにkindle版を買って3回目+7巻を読もうかと考えてる今日この頃。感情が無いけど理解するというか模倣するというか、表現方法が独自になることもありそれだけで楽しく、妙にリアルで本当にありそう。
次にくるマンガ大賞では第6回に15位、第8回に6位で、時期によりそうだけど、継続して興味を持たれている印象。だって楽しいもん。
ミズダコちゃんからは逃げられない!
こんどはラブコメよりな感じで気軽に読めるんだけど、触手を持ち上げる威嚇しているような描写のところが良かった。この認識のすれ違いを描けるところに驚いて、ずっと頭の隅に引っかかってる作品。
まだWebコミックのみのはず。
亜人ちゃんは語りたい
読み方はデミちゃん。コミックで全11巻完結済み。結構前に読んだと思ったのに1年に1冊くらいのペースだったみたいで、終盤を読み終わってなかった。
おそらく亜人に関しての先駆け的な作品にあたるのかも。2015年に1巻開始したもの。
タイトル通り語ってくれるもので、伝承を含めて先生が調べたものを現実に照らし合わせて説明してくれたり、実際の生活の中ではどんな感じなのか、また亜人の持つものを分析することで・・・。
気楽に読める雰囲気とわかりやすさ、でもその裏には現実的に考えた時のリアルが描かれ興味深い。
次にくるマンガ大賞のかなり前の第2回で2位を受賞してた。年に1回だから2016年だって。
月出づる街の人々
ほっこりまったり楽しめるこの作品は一般的にモンスターと言われる方々が登場するお話。種族の異なる両親からさらに異なる種族が生まれるって不思議な世界。透明人間の子育ての大変さや狼男との関係性、ナーガとメドゥーサの友情だったり、そこに息づく空気を感じられる。これはモンスターのまったリアルな物語。
2巻まで出てる。次にくるマンガ大賞では第9回の今年16位に入賞。
転校生メデューサと二口女
これは次にくる大賞に入ってないのが不思議な感じ。Pixivに上げたものを総集編としてAmazonやBoothでも販売してた。種族に関しての描写もあって楽しいけど、その中心には転校生メデューサと二口女がいる感じ。二口女の告(つぐ)は優しいいい子。
他者への興味
亜人だったりロボットだったり、は1つのジャンルとして成り立ちそうなくらい他にもありそうだった。他種族ってイメージでまとめたけど、そういうことが楽しいと感じられるのはおそらく他者への興味だよね。
最近のマンガやアニメではリアルに息づいてそうな描写がされているので、人間とは大きく異なるその種族の価値観を垣間見れる。
サピア=ウォーフの仮説といってピンと来るかはわからないけど、言語は思考を規定するという言葉がある。個人が利用できる言語によって思考が限定されるというイメージ。
あまり良い例が思いつかないけど、例えばスパイシーって味を表す言葉があって、日本人は辛いと同義にとらえることが多いかもしれないけど、スパイスが効いているって意味で会って決して辛いだけじゃない。だけど飲食店でスパイシーって書いてあると大抵辛いことを表していたりする。
スパイシー=辛いだけどspicyはスパイスが効いているってイメージ。そのもの味や風味を表す言葉が無いとイメージを伝えられないけど、その言葉が無いと認識しずらい、できないというか。
そういう意味で言うと日本語以外のネイティブの人とは価値観が違うはず。(と言っても調べるほどに英語では同義のものがあって、過労死は普通にKaroshiがあったり、zigzagって英語かーい!とか知るんだけど)
言語だけでもそういう価値観の違いがあるのに、他種族となるとさらに大きな価値観の差が感じられたり、好奇心を感じたりしますよね。
個人としてはそういった好奇心が満たせるような作品が多くあり、続刊していることが喜ばしくもあり、さらにフリーレンのように一般的に楽しまれるようになったことに、人類としても日本人としても知的好奇心や許容量がさらなる高みに登っているかのような、喜びがあったりなかったりするわけですよ。他種族へ興味を持てる余裕があるというか、その価値観を理解できる多様性と言う土壌ができたというか。
どこかのご家庭でフリーレンを家族で見ている時に、少し前に家族としてお迎えしたペットの寿命も人間とは違うけど、今度は自分たちがフリーレンの立場に立って考えた時にお互い今を全力で楽しもうとかそんな会話が出るようになると想像しただけで、もう感動できるくらいなわけで。
同じ言語話者の日本人同士の人間関係で大変な時があるのは恐らくお互い歩み寄ってないからって理由が多いかもしれないけど、お互い歩み寄る意志さえあれば本来楽しいはずだと思うわけです他者とのふれあいや価値観の共有。(主観たっぷり)
ということで、他者への興味、他種族への興味、生き物以外のロボットへの興味、そういった知的好奇心くすぐる名作がたくさんあるので、フリーレンに感化された方はどうぞ広大なその先へ。
それでも英語は避けたい日本人?
他種族への知的好奇心と新たなステージの話をした後だけど、日本人の英語苦手な意識はまだ根強いのかなって感じたでき事は普通にあります。
最近だと円安の影響もありそうってことだけど、すでに海外から日本へのインバウンドはコロナ前の水準を超える状況になっているとのこと。
秋葉原に行けば通り過ぎる人の半数以上が海外からの旅行客の可能性がありそうだし、友達の家に遊びに行けば道に迷った旅行客の方が路地を歩いていたり、近場のマンガ喫茶でも日本語を話さない海外の方がいたり。とあるお店では海外旅行客の方が日本人より多いってお店もあるとかないとか。
自分はTOEIC600点くらいの人なので話せるほうではないけど、マンガ喫茶で話しかけたらビリヤードやりたいってジェスチャー付きでやってくれるのでちゃんと受け取れてた。店員さんは一歩も二歩も引いて相手をしようとしてなかったように見えたけど、今後は何しに来たか指差しで選べるような海外の人向けの紙1枚でも用意してくれると嬉しいところ。最悪黙ってても旅行客なら翻訳アプリを使ってそうだけど。
道に迷ってる人の時は「Are you maze?」(あなたは迷路ですか?)だったか頭に浮かんだまま伝えちゃったけど「I'm lost」って返ってきて会話もして最終的には目的地の方角を伝えて向かっていけたし、なんならつたない英語でも話しかけた勇気を拾ってくれたのか「Your English is good」とか褒め(慰めて?)てくれたし。
って恥をさらすことで苦手意識がある人は少しでも気が楽になるといいな。自分より英語わかってる人は多いはずだし。(いやーmazeはないわー)
オンラインゲームでは海外の人と遊ぶこともあるし、FPSの対戦では相手の思考を読む人が強いだろうし、Twitterでもすぐ翻訳できるし、どんどん言語レベルは上がる人は上がって価値観も広がっていきそうですけどね。(中国語、スペイン語、アラビア語あたりは相変わらずわかるようにならんけども)
マンガのフリーレンを読んだ人向けのアニメの話
最後にアニメのフリーレンは結構力入ってますよって話。主題歌がYOASOBIってのもそうだけど、それ以外に実はマンガよりアニメの方が情報量が多いです。2巻までしか読んでないけどそれでもいくつか見つかってる。マンガではどれも1コマくらいで通り過ぎてたはず。
ネタバレになるか微妙なところなので詳細な描写は避けるけど、マンガ読んだ人こそ覚えているうちにアニメを見ることでより深いフリーレンの世界を楽しんだりできます。なんなら今からマンガを先に読んでしまってから残りのアニメを見る(まだテレビでは続いてるのかな?)って方法もあります。とりあえず5つ。
そういうシーンがあることを知るという意味ではネタバレになるかもしれないので、ぼやかして書くけど嫌な人はここまでにしてください。
フェルンが練習してる時にアニメではフリーレンからポイント3つ?を具体的に何と何とって教えてくれます。
花を探すシーンでマンガでは足跡が1コマくらいだけど、アニメではちょっと違う表現に。
日の出を見に行くシーンでマンガでは気づいたら寝てるけど、アニメでは・・・。
シュタルクとの会話の時に回想で魔法を使うシーンのゴーレムはマンガでは止まってる1コマだけど、アニメでは・・・。
シュタルクと出会った夜の大きな音について、フリーレンとフェルンのやりとりがアニメだと多くなってて・・・。
アニメの方が情報量が多くても世界観は壊れずに良い形に仕上がってると思う。
そんなわけで、他言語、他種族、様々な価値観を楽しみましょう。
それじゃまたねーノシ
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