食べて_祈って_恋をして

食べて、祈って、恋をして #気ままに映画感想文


この映画、言葉選びが最高。

5月の週末。リビングでシェアメイトがNetflixを観ているのを横目で見ながら、「うわ、この映画、セリフが最高」と思ったのがきっかけだった。


食べて、祈って、恋をして(公開:2010年)


ジュリア・ロバーツ演じるリズというライターの物語は、幻のように鮮やかなバリ島から始まる。
バリの老人との話、そこで感じたリズの想い。東南アジア特有の鮮やかな植物と老人の独特な雰囲気から作り出される夢のように幻想的な世界。

リズはそこでお告げをもらい、半年後に1年をかける旅に出ることになる。


バリ島から戻り、NYで離婚をするリズ。

いろいろあったのち、離婚後にできた恋人とも別れ、イタリア→インド→バリをめぐる旅に出ることを決意。

この元旦那との離婚交渉のシーンも、テンポが良くてセリフの切れ味が抜群なのでぜひ観て欲しい。



今までの自分とは決別し、リズが最初に向かうのはイタリア。

とにかく映画に出てくる食べ物が美味しそう。飯テロ映画なのかな?って思うくらいに、とにかくリズが食べて食べまくる。

このシーンで好きなのは、食べることが日常生活の中で当たり前のことなんだけれど、それを至福の時間に変え、存分に楽しんでいる陽気なイタリア人たち。

彼らは理容室でヒゲを剃ってる時でも話をやめない。
とにかく話続け、イタリア人とは?イタリア人の幸せとは?を語り合う。

理容室で男性二人がヒゲを剃られているのに、理容師にかまわず話し続け、その横で女性陣はティータイムを満喫しながら待ってる。
そんな日本にはない光景が、こんなの本当にあるの?と思うくらい自由でコミカルでおもしろい。

この映画で一番秀逸なシーンは、イタリアのレストランでリズが友人たちと会話をするシーン。

>友人
街はそれぞれの形容詞を持っている。
ロンドンは「肩苦しい」、NYは「野心、煤」
じゃあ、あなたを表す形容詞は?

>リズ
親から見たらいい娘。そして妻は落第ね。恋人も落第だったかもしれない。そうね・・・今いえるのはライターだけかしら?

>友人
それはあなたを表す形容詞ではないわ。あなたを表す言葉を見つけて。

これは言い返せないなぁ〜!!!!とグッときた。
なんてまっすぐに核心を付くんだろう。リズの言っている形容詞は自分主体じゃない。

「あなたはどんな人?」って聞かれて、組織や肩書き・職業じゃなくて「私はこうだ!」って言える人ってどのくらいいるんだろう。


この後にリズが向かう祈る場所、インドはグッとくるセリフがうまく見つからなかったので、飛ばします。
インドで出会った17歳の女の子の結婚式シーンは複雑な思いとは裏腹にとにかく鮮やかなのでおすすめ。


バリ島でリズを導いてくれるおじいちゃん。
このおじいちゃんもなかなかの返しの名人。写真みたいにしわくちゃの笑顔でリズを迎えます。

「あなたはいくつくらいなの?」
「101才・・・かもしれないし、64才かもしれない」

「あなたは飛行機に乗ったことがあるの?」
「飛行機には乗らない。わたしには歯がないから」

茶目っ気たっぷりに返してくるバリ島の老人。
このぐらい人生余裕を持って生きていたら楽しいだろうな。


2時間半くらいの映画だけど、長いことにも気づかずあっという間に観てしまった。
「自分探しの旅」なんてよく聞くけれど、そんな旅に出る前に一度この映画を観てみてもいいかもしれない。


映画のあとは気ままにお散歩。
海沿いのローソンにオリオンがあるなんて、なんて優秀・・・。




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