一切なりゆき_樹木希林のことば__1_

一切なりゆき 樹木希林のことば  #気ままに読書感想文


120の遺言?私そんなに言ってないわよ。
というか120個なんていやよ。疲れちゃうでしょ?ーーー

鎌倉駅前の本屋で平積みの本を眺めながら、
樹木希林さんの本、最近よく見かけるな。ちょっと買いたいな。と感じてた。

その時あった樹木希林さんの本で平積みは2冊。

2冊ある中で、私が最初に興味を惹かれたのは120の遺言の方。
単純に120の遺言というタイトルの雰囲気と、表紙がすごく独特で目を惹かれたんだと思う。

でも少し考えて、裏表紙の発刊時期を見てみた。

・120の遺言の発刊時期      →2019年1月頃
・一切なりゆきの発刊時期    →2018年12月頃
・樹木希林さんが亡くなった時期 →2018年9月頃

どちらの本も樹木希林さんが亡くなったあとだ。
ということは、亡くなる前に自分の名言集(遺言集?)としてご本人が校閲されたというより、亡くなった後に今までのインタビューを出版社の方がまとめた本なのかな?と。
(詳しい本を作る経緯は、私にはわからないのであくまで推測)

そしたらなんだか120という数字が突然、多すぎるように感じた。
そして何よりも

120の遺言?私そんなに言ってないわよ。
というか120個なんていやよ。疲れちゃうでしょ?

そんな樹木希林さんの言葉が聞こえてきそうな気がして、『一切なりゆき 樹木希林のことば』を買った。


#気ままに読書感想文

求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから。
年をとってパワーがなくなる。病気になる。言葉で言うとやらしいけど、これは神の賜物、贈り物だと思います。終わりが見えてくるという安心感があります。

「人生の終わりが見えてくる安心感」という言葉は初めて聞いたけどしっくりくきた。
20後半になって、20歳前後までの感覚と変わってきた気がする。なんというか、感覚が鈍くなった。笑
でもそれでいいのかもしれない。
いつまでも思春期のように敏感に生きるのではなく「まぁ、これでいいか」って言いたいから。(27歳だとまだ早い?笑)

しっかり傷ついたりヘコんだりすれば、自分の足しや幅になる
生きるというのは、いろんなところをくぐり抜けて、どう墓穴に入るかという道。
結婚でも別れでも仕事でも、しっかり傷ついたりヘコんだりすれば、自分の足しや幅になる。
自分の変化を楽しんだ方が得ですよ
老いてくると、若いころにできたことが少しずつできなくなってくるんですけど、それは人間なら当然のこと。「昔はよかった」と嘆くより「へえ、こんなこともできなくなるんだ!」って自分の変化を楽しんだ方が得ですよ。

何でもおもしろがって毎日を楽しく過ごしていたら、いい歳の取り方ができるんじゃないかと思うのでうすが、どうでしょう。
それは依存症というものよ、あなた
「老い」とか「死」とかそういうテーマの取材がたくさんきて困っちゃうのよ。
えっ、私の話で救われる人がいるって? それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。

ぴしゃりと言われる感じがたまらない。

今の人たちは死に上手じゃなくなっちゃってるのよね
でもやっぱり今の人たちは死に上手じゃなくなっちゃってるのよね、もう、いつまで生きてるの?っていうぐらい、死なないし。生きるのも上手じゃないし。

「死に上手」「生きるのが上手」そんな考え方があったなんて。笑

生きるのに精いっぱいという人が、だいたい見事な人生を送りますね
基本的に女というのは、余計なことを考える時間があると、余計なことをしてしまうと思うの。生きるのに精いっぱいという人が、だいたい見事な人生を送りますね。



最後の一文は喪主を務めた娘さんのお話にあった、樹木希林さんがよく言っていたという言葉だそう。
本の最後の1ページを読んでいて、どうしてかこの一文に「持っていかれた!やられた!」と残った最高の言葉。

「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」



コーヒーが飲めないので、読書のおともは紅茶派です。



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