NFL Draft 2021 WR Prospect名鑑①

昨年はカレッジのWRが空前の大豊作と言われていた。実際に、今年のNFLドラフトでは13人ものWRが2巡までに指名され、多くの選手が1年目から評判に違わぬプレーを見せている。しかし、今年のカレッジもWRのレベルが極めて高く、来年のドラフトは今年以上に粒ぞろいかもしれないと感じている。私は応援するパッカーズに優秀なWRを迎えたいと常々考えながらカレッジを見ており、欲しい選手リストは50人以上に膨れ上がっている。このリストはもちろん、自分がドラフトを楽しむためのものではあるが、せっかくつけた知識が誰かのお役に立てるかもしれないと思い、現時点での注目選手をnoteで紹介してみることにした。仮に人様のお役に立てなくても自分の知識を整理するだけでも意味はあろうと思うので。もちろんまだ試合は残っているし、シニアボウルやコンバインの結果でも印象は変わるはず。それに、そもそもドラフトにエントリーしない選手も何人かはいるとは思うので、あくまで現時点の内容として紹介する。今後、更新すべき内容があれば編集していこうと思う。まずはDay1、Day2候補をプロスペクトランキングの形式での紹介から始め、Day3候補に関しては序列というよりタイプごとに別記事でまとめていきたい。

WRランキング~Day1 & Day2候補の26人

1.  DeVonta Smith, Alabama, 6-1, 175 Grade: Top10

Player Type: Polished Route-runner 

昨年のAlabamaは、今年のドラフトで1巡指名されたHenry Ruggs(現LV), Jerry Jeudy(現DEN)の二人に加え、来年の1巡候補に挙げられるJaylen Waddleもいたが、彼らを抑えてエースレシーバーだったのがこのSmithである。多彩なルートのバリエーションを持ち、ハイレベルなSECで常に優秀なCBにカバーされながらもいとも簡単にオープンになることができる。彼にかかればカレッジ最強CBと呼び声の高いLSUのDerek Stingley Jr.も、来年の1巡候補であるSouth CarolinaのJaycee Hornもなす術がなかった。もはや1対1で彼をカバーしきれるCBはカレッジには存在しないだろう。ディープも狙えるし、ショートパスをキャッチした後のRACも脅威、そのうえ過去3年間のドロップ率はわずか2.7%というシュアハンドの持ち主でもある。懸念点を挙げるなら細身な体型ぐらいであるが、フィジカルなSECの守備相手に、4年間大きな故障なくやってきた彼ならあまり心配もいらないだろう。昨年、カレッジフットボールの歴史に残るモンスターシーズンをおくったJa'marr Chaseと迷うが、現時点でのNo.1は彼と考える。

DeVonta Smithのハイライト動画 → https://youtu.be/Pv6bBg_lqvQ

2. Ja'Marr Chase, LSU, 6-1, 208 Grade: Top10

Player Type: Deep Threat

昨年の全米王者・LSUのエースレシーバーとして、なんと1780ヤード、20TDというとてつもない記録を残し、Biletnikoff Awardを受賞。ディープを狙えるスピードがありながら、フィジカルも強く、プレスカバレッジをものともしないし、タックルされてもなかなか倒れないパワフルなRACも魅力。さらに競り合いにも強く、レッドゾーンでも頼りになる。Smithはサイズの懸念があるのに対して、こちらはほぼ非の打ちどころがない完成度の高さで、NFLでも間違いなく1年目から通用するだろう。評価を差し引くポイントがあるとすれば、今シーズンをオプトアウトしている点。BurrowやJeffersonがいなくなった今季どれだけやれるか見てみたかった。直近の様子がわからないのでSmithと次としたが、Top 10評価が妥当な選手には変わりはない。

Ja'Marr Chaseのハイライト動画 → https://youtu.be/XnsYzlesI6o

3. Jaylen Waddle, Alabama, 5-10, 182 Grade: Top 10

Player Type: Slot, RAC King, Excellent PR/KR

来年のドラフトはWRの中でも特にスロットタイプの層が厚く、歴代でもトップクラスだと考えているがその中でもNo.1だと思うのがこのWaddle。特にRACの能力はここ数年でみてもNo.1と言ってもいい。40ヤード4.3秒台を出せそうなスピードを持ちながら、方向転換能力に優れ、ビジョンも良く瞬時に最適なルートを選択できるセンスもある。これらの能力はリターンでも存分に発揮されており、特にパントリターンでは平均19.3ヤードと、カレッジの歴代でもトップクラスの成績を残している。今季は開幕から4試合連続100ヤードを超え、いよいよ今年のNo.1 WRの議論に加わってくると思った矢先に足首を骨折してシーズンエンドに。彼ほど実績があれば評価にはさほど影響しないとは思うが、見ていて楽しい選手だけにファンとしては残念である。スロット限定ではあるが、十分Top 10の価値がある選手だと思う。

Jaylen Waddleのハイライト動画 → https://youtu.be/TVMWY9wOxEo

4. Rashod Bateman, Minnesota, 6-2, 210 Grade: Top 20

Player Type: Polished Route-runner 

今年のベストルートランナー候補の一人。210ポンドの体重がある選手としては信じがたいほど滑らかに動くことができ、ダブルムーブでDBを鮮やかに抜き去り、ロングパスをキャッチする場面もしばしばみられる。腕が長くキャッチ範囲も広いのも魅力の一つ。昨年は長らく低迷が続いていたMinnesotaで、もう一人のエースWRだったTyler Johnson(現TB)とともにチームの快進撃を支え、ボウルゲーム勝利に貢献。Johnsonが抜けた今年は他に頼れるWRがいないため彼にマークが集中し、スロットに入ったり、バックフィールドにセットしたり様々な役回りをこなしながらも毎試合100ヤード程度は稼いでいる。上に挙げた3人ほどの派手さはなく、Top 10候補という感じではないがこのレベルのサイズとルートラン能力を併せ持った選手は毎年いるものではない。もしGBの順位まで落ちてきたらDavante Adams二世として是非狙ってほしいと思っている。

Rashod Batemanのハイライト動画 → https://youtu.be/hYcV6NjAzqQ

5.Kadarius Toney, Florida, 5-11, 194 Grade: Top 20

Player Type: Slot, RAC King, Excellent PR

この選手もわかりやすく凄い選手。RACが魅力的なスロットWR。スピードに乗りながらNFLでもあり得ないレベルで急峻な方向転換ができ、Florida StateのHamsah Nasirildeenをはじめ、彼をタックルしにいって方向転換に対応しようとして膝を壊すという事例も何度か起きているほどである。膝や股関節の可動域がどうなっているのか?といつも思う。昨年はチームにNFLにドラフト指名されたWRが3人もいたことから、出場機会が限られていたが、今年はスロットからスクリーンで走るだけでなく、持ち前の鋭い動きがルートランにも活かせるようになってきた。RBとしてキャリーさせてもアクセントになるし、元QBだけあってたまに投げるパスもなかなか。NFLでも楽しい使い方ができそうなOffensive Weaponである。

Kadarius Toneyのハイライト動画 → https://youtu.be/IKI6DyhXuaU

6. Rondale Moore, Purdue, 5-10, 180 Grade: Top 20

Player Type: Slot, RAC King, Excellent PR

こちらもスロットの候補だが、彼もまた異次元な選手である。尋常じゃくすばしっこくて、スペースでボールを持っと捕まえるのが困難。Pro Football Focusによると、フル出場したTrue Freshman時の18年は相手にミスタックルをさせた数は37回で、ここ数年のWRの中でも断トツトップだそう。特にこの年のOhio State戦は彼のハイライトとも言える試合。12キャッチで170ヤードを獲得し、ほぼ独力でドラ1指名選手を多数抱えるカレッジ最強の守備陣を崩壊させ、True Freshmanにして、この年のカレッジフットボールで最大のアップセットを演じた。ここ2年は故障が多く、満足にプレーできていないものの、出場したときは彼にしかできないプレーをやってのけ、やっぱりMooreだと感じさせてくれる。サイズが小さく、故障が多く、ヤードの多くをスクリーンで稼いでいて、時折状況判断力に疑問を感じるプレーもあるなど、割とBustの要素も揃っているのだが、それでもNFLを見慣れた目で見ても次元が違う動きができる選手。使いこなせないとしたらそれはチームの問題だと思う。彼も間違いなく1巡指名に相応しい選手である。

Rondale Mooreのハイライト動画 → https://youtu.be/F4m06s7Q11Y

7. Tamorrion Terry, Florida State, 6-4, 210 Grade: Late 1st Round

Player Type: Physical Freak, RAC King

身長6‐4、体重210という大型ながら、高さというより、ショートパスからのスピードを活かしたRACを武器とする選手。昨年は60ヤード以上のプレーを6度も記録するなどビッグプレー能力はカレッジでも随一である。チームのQBのパフォーマンスが悪く、オープンになってもボールが来ないことが少なくないが、それでもシーズン1000ヤードを超えるあたりはさすが。また、Clemson、Florida、Virginiaあたりとの試合ではNFLしたCB相手にしてもそれなりの頻度でオープンになれており、高いレベルの相手でも互角に渡り合えることを証明した。昨年はドラフトにエントリーせず、もう1年FSUでのプレーを選んだものの、今季はチームは低迷し、コロナ禍で中止になる試合も多く、自身も故障がちという不運が続いている。カレッジでは環境に恵まれず、実績的には突き抜けたものがないが、能力的には1巡でも納得できる選手である。

Tamorrion Terryのハイライト動画 → https://youtu.be/ZN8KEmrW6N

8. Chris Olave, Ohio State, 6-1, 188 Grade: Early 2nd Round

Player Type: Polished Route-runner 

スピードとルートランを兼ね備えたWR。特にQB Justin Fieldsのディープへのパスと相性が良く、昨年はキャッチしたパスの60%近くが10ヤード以上だったとか。AlabamaからATLに行ったCalvin Ridleyを彷彿とさせる滑らかな動きで一瞬にしてDBを数ヤード引き離すシーンが多々見られる。オープンになる能力という点では現カレッジでも随一ではないだろうか。そのうえキャッチも柔らかく、ドロップもほとんど見た記憶がない。評価を差し引くポイントがあるとすれば、ややフィジカルが弱い点、Ohio StateはWR層が非常に厚いため役割が限定的である点ぐらいか。それでも完成度の高い選手なのでNFLでも1年目から活躍を期待していいと思う。Gradeは1巡にしようか迷ったが、今年の層の厚さを考えて2巡上位とした。

Chris Olaveのハイライト動画 → https://youtu.be/iEEzfZz5_8Q

9. Tylan Wallace, Oklahoma State, 6-0, 190 Grade: Early 2nd Round

Player Type: Deep Threat, Speed Star

スピード豊かな現カレッジNo.1ディープスレッド。18年にチームのエースWRに抜擢されると、いきなり1491ヤード(全米2位)を獲得した。この年の20ヤード以上のキャッチ数は全米最多の20を数えた。ここ2年はFreshmanのQBのプレースタイルに合わせ、ディープだけでなく、ショートパスのターゲットになる回数も増えて数字的には地味になってるが、逆にRACや浅いゾーンへの早いタイミングのパスへの対応にも磨きがかかり、プレーの幅が増てきた印象がある。昨年、断裂したACLの影響も今季のプレーで懸念を払拭している。時折ドロップが見受けられる点はやや気になるが、許容範囲と考える。この選手もOlave同様、たいていの年なら余裕で1巡評価になるが層の厚さのため2巡上位とした。

Tylan Wallaceのハイライト動画 → https://youtu.be/gn6ohP_YD3o

10. Terrace Marshall Jr., LSU, 6-3, 200 Grade: Early 2nd Round

Player Type: Red-zone Threat

サイズがあり、レッドゾーンに強いTDマシーン。昨年はこのランキングの2位に挙げたJaMarr Chase、今年の1巡指名でMINで大活躍中のJustin Jeffersonに次ぐ3番手として全米制覇に貢献。限られた出番の中で、全米7位タイとなる13個ものTDを記録した。サイズを活かしたコンテストキャッチはもちろんのこと、クイックスラントなどの芸も持っているのがいい。今年はChaseがオプトアウト、JeffersonがNFL入りのため、エースに昇格。どちらかというと不向きと思われたスロットに入る機会が多いが、それでもレッドゾーンでの強さは健在で、ここまでわずか7試合で10TDを記録。しかもそのうち、8個はスロットから取っており、プレーの幅も広がっている。エンドゾーンに迫って攻めきれない悩みを持つチームにはぜひおすすめしたい上位候補である。

Terrace Marshall Jr.のハイライト動画 → https://youtu.be/VQsx3tGuvV0

11. Reggie Roberson Jr., SMU, 6-0, 200 Grade: Mid 2nd Round

Player Type: Deep Threat, Speed Star

私はマイナー校の試合からスリーパー的な選手を見つけるのが好きで、パワー5以外の試合も結構見るのだが、そのなかでもイチオシなのがこの選手。SMUはここ3年で、Courtland Sutton(現DEN)をはじめ3人のWRをNFLに送り込んでいるが、このRobersonはその中でもひと際スケールの大きさを感じるワイドアウトである。40ヤード4.3秒台が期待できそうなスピードに力強さも兼ね備えており、コンテストキャッチにも強い。リーグのレベルの懸念も、昨年はドラフト1巡指名されたJeff Gradney(現MIN)とマッチアップしたTCU戦でも122ヤードを獲得し、払拭している。今年は4試合で22キャッチ、468ヤード、5TDと、昨年以上の凄みを感じさせてくれる素晴らしいスタートを切ったもののACLの負傷でシーズンエンド。故障の影響がなければ1巡指名もあり得ると感じていただけに残念極まりない。ドラフトでの評価は回復度合いも大きく関係してくるが、来年の開幕に間に合うのであれば上位指名が妥当と考える。

Reggie Roberson Jr.のハイライト動画 → https://youtu.be/b0zgvajsmu8

12. Tyler Vaughns, USC, 6-2, 190 Grade: Mid 2nd Round

Player Type: Polished Route-runner

USCのQBがSam Darnoldだった17年からアウトサイドの先発を務めてきた選手。下級生の頃は左サイド、現在は右サイドをプレーしているが、どちらも器用にこなしている。常に相手エース格のCBから厳しいカバーにさらされており、成績も地味でPro Football Focusなどの評価も低いが、オープンになる能力が高く、難しいパスにもアジャストできるし、ドロップも少ない。クイックスラントや、サイドライン際のアウト系のルートや、バックショルダーなど、NFLでよく使われるプレーを得意としているのでNFLのオフェンスにもすんなり適応しそう。USCのオフェンスの中では今年2巡指名でIND入りしたMichael Pittman Jr.や、来年の上位候補Amon-ra St. Brownの方が目立っているが、個人的に最も評価しているのはこのVaughns。普通に2巡ぐらいの価値があると考えてるし、地味な成績のおかげで少し下で指名できるならオイシイと思っている。

Tyler Vaughnsのハイライト動画 → https://youtu.be/qlqDKrur0H8

13. Elijah Moore, Ole Miss, 5-9,184 Grade: Mid 2nd Round

Player Type: Slot, RAC King, Chain Mover

D.K. MetcalfとA.J. BrownがNFL入りした後、Ole Missのパスオフェンスの軸として活躍してきたスロットWR。特に今季のパフォーマンスは特筆すべきもので、現時点で全米トップのヤードを稼いでいる。ショートパスのルートが多彩で、オープンになる術を知っているので、特に3rdダウンで頼りになる。キャッチ後のランへの移行もスムーズな上に、RBのようにタックルを外せるのでYACが稼げる。さらにキャッチも安定していてドロップも少ない。活躍の割に一般的な評価が高くないのはNFLのWRとしては小柄であるためだと思われるが、フィジカルの水準が高いSECでの内容と、近年はスロットWRがNFLで即戦力になりやすい傾向があるので、2巡評価とした。せっかくなのでハイライトとともに昨年のコントみたいな失態の動画もつけておくことにする。

Elijah Mooreのハイライト動画 → https://youtu.be/l3GgC5damtM

Elijah Mooreのお笑いプレー → https://youtu.be/hPek6FrrKYE

14. D'Wayne Eskridge, Western Michigan, 5-9, 190 Grade: Late 2nd Round

Player Type: RAC King, Speed Star

マイナー校ながら、Greg Jennings(元GB)やCorey Davis(現TEN)などの優秀なWRを輩出してきたWMUに現れたスピードスター。40ヤードは4.33秒と言われるほどの快速で、下級生の頃は陸上でも優秀な成績をおさめた。100m走のタイムは過去6年のMid‐American Conferenceのフットボール選手の中で最速だという。しかも、昨年はWRだけでなくCBもこなし、普通にいいプレーをしていたという信じられないほど多彩なタレント。今季は開幕から自慢の快速を遺憾なく発揮しており、チームではCorey Davis以来となる4試合連続100ヤード超え。特にRPOからのスラントが猛威を振るっており、毎試合のように独走TDを記録しているほか、キックオフリターンでもTDを記録している。マイナーカンファレンスの選手なのでレベルが高い相手に通用するかが評価の分かれ目だと思うが、一昨年にSyracuse相手に1試合240ヤードと大爆発しているあたりからしても現時点では問題ないと考えている。この点については、シニアボウルにも選ばれているので、練習や試合の様子を詳しくチェックしたい。まだハイライト動画が出回っていないのでTwitterから好プレーを引用する。

D'Wayne Eskridgeのロングパスキャッチ → https://twitter.com/WMU_Football/status/1332773460192333824?s=20

D'Wayne EskridgeのキックオフリターンTD → https://twitter.com/WMU_Football/status/1332750744072622095?s=20

D'Wayne Eskridgeのスラント&After the Catch → https://twitter.com/WMU_Football/status/1329246886331514880?s=20

15. Dyami Brown, North Carolina, 6-1, 185 Grade: Late 2nd Round

Player Type: Deep Threat

一般的な評価がもっと高くてもいいのではないか?と、昨年から思っている選手。とにかくダイナミックなプレーが魅力のディープスレットで、UNCを率いる来年の1巡候補QB Sam Howellの強肩と相性がいい。スピードやクイックネスに加えて力強さも感じられるし、今年1巡指名されたClemsonのA. J. TerrellをはじめとするACCのトップCBを相手に成績を残している。今年はキャッチも安定するようになり、大事な場面で頼りになるエースレシーバーに成長。昨年から体重を落としたようで、動きにさらにキレが出てきた印象もある。まだ世間の評価は相変わらず低いと感じるが、これだけの内容と成績を維持していればそのうち上位評価になってくるはず。このランキングでは現時点で2巡後半評価とするが、今後の試合などでさらに評価をあげるかもしれない。

Dyami Brownのハイライト動画 → https://youtu.be/GMEtppnbjt4

16. Marquez Stevenson, Houston, 6-0, 190 Grade: Late 2nd Round

Player Type: Slot, Speed Star, Excellent KR

こちらもマイナーカンファレンスのスピードスター。足首の怪我の影響で少し評価を差し引いたが一時は1巡もあり得ると思ったほどの快速で、現カレッジでも最速WRの一人と言っていい。独走態勢に入ると一瞬にして守備選手が引き離されていく様は今年WRの最高位で指名されたHenry Ruggs(現OAK)を彷彿とさせる。また、スピードを落とさずにキャッチできるので、ショートパスからのRACを得意としており、通算の1キャッチ当たりのYACが9ヤードというスタッツはその能力を裏付けている。さらにキックオフリターンでも通算3回のTDを記録している。下級生の頃はドロップも目立っていたがここ2年ほどはプレーに安定感も出てきた。それなりの実績があり、これだけのスピードを持った選手をNFLのチームが放っておく訳がないと思うので2巡評価とした。故障の影響は気になるがコンバインなどシーズン後も楽しみな選手である。

Marquez Stevensonのハイライト動画 → https://youtu.be/RpSd600JeAE

17. Amon-Ra St. Brown, USC, 6-1, 195 Grade: Late 2nd Round

Player Type: Polished Route-runner, Slot

現GBのEquanimeous St. Brownの実弟ながら、プレースタイルは兄とは対照的。兄のようなサイズはないが、とにかく動きがスムーズで難しいボールにも対応できるハンドを持っている。タックルをかわすのが上手いのでRBに入ってキャリーすることもある。昨年はMichael Pittman Jr.(現IND)がチームにいたため、ほとんどスロットで使われていたが、今季はアウトサイドでのプレー機会が増え、まずまずのプレーができている。持ち味が最も発揮できるのはやはりスロットだと思うが、外もこなせるなら価値はさらに上がるはず。USCは他に優秀なWRが多く、これまで厳しいカバレッジにさらされていないという面があるので評価が難しいが、最近はルートランが上手いスロットタイプがNFLでも1年目から活躍できる例が多いだけに即戦力の活躍を期待したいところ。GB的には素質がなかなか活かし切れていない兄への刺激という意味でも面白いプロスペクトである。

Amon-Ra St. Brownのハイライト動画 → https://youtu.be/v0QCLegOTC0

18.Seth Williams, Auburn, 6-3, 211 Grade: Late 2nd Round

Player Type: Physical Freak

サイズと身体能力を兼ね備えた怪物WR。公称は211ポンドだがもっとあると思う。このサイズにしてエリートCBを引き離すスピードがあり、ハイボールに対してはサイズと跳躍力を活かしてかなりの確率で競り勝てる。身体的スペックがエリートな反面、洗練されたルートランナーでないのと、ドロップがあまりに多く、粗削りな選手なので好みが分かれるタイプかもしれない。先日も、来ドラフトのNo.1 CB候補にも挙がっているPatrick Surtain II(Alabama)をスピードでぶち抜きながらイージーな落球を犯すなどらしさ全開であった。このようにいい部分と悪い部分を併せ持った選手なのでどう評価するかは難しいところだが、現在NFLで活躍しているD.K. Metcalf(現SEA)やChase Claypool(現PIT)も大学時代は同じように粗削りだったし、こういうフリークはNFLでの成長に期待して温かい目で見るべきではないかと思う。期待も込めて、MetcalfやClaypoolと同じ2巡後半の評価とした。

Seth Williamsのハイライト動画 → https://youtu.be/7Z0lw0X02-U

19. Romeo Doubs, Nevada, 6-2, 200 Grade: Early 3rd Round

Player Type: Deep Threat, Speed Star

現カレッジ最強のディープスレット候補。今季のNevadaは豪快なパスオフェンスで快進撃を続けているが、特に強肩QB Carson Strongの自陣から相手のエンドゾーンまで到達するような超ロングパスが何度となく決まっており、NFLを見慣れた目で見ても驚かされている。そしてそのターゲットとなっているのがこのDoubs。スピードがずば抜けている上に、動きがしなやかで、落下点への入り方もよく、GBファンとしてはかつて痛い目にあわされまくったRandy Mossを思い出す。Pro Football Focusによれば、カンファレンスの開幕が遅れ、試合数が少ないにもかかわらず、現時点で20ヤード以上のディープパスで稼いだヤードは全米No.1らしい。また、それだけのロングパスの脅威がありながら、早いタイミングでのパスやショートパスからのRACでもヤードを稼げるので使い勝手も悪くない。QBに恵まれている点、カンファレンスのレベルが落ちる点は少し割り引いてみる必要があると思うが、NFLでも肩の強いQBのいるチームにいけば凄い活躍をするかもしれない。この選手もハイライト動画がまだなのでtwitterから動画を拝借。

Romeo Doubsのロングパスキャッチ① → https://twitter.com/SecondStringSp1/status/1324523607662448641?s=20

Romeo Doubsのロングパスキャッチ② → https://twitter.com/devywarehouse/status/1327791617403744257?s=20

Romeo Doubsのロングパスキャッチ③ → https://twitter.com/marguliespxp/status/1330282543380393987?s=20

Romeo Doubsのロングパスキャッチ④ → https://twitter.com/StillRyanFive/status/1327819651435421697?s=20

20. Sage Surratt, Wake Forest, 6-3, 215 Grade: Mid 3rd Round

Player Type: Red-zone Threat, Big Target

競り合いに強く、クイックスラントやバックショルダーを得意とし、レッドゾーンで頼りになる。サイズの割にクイックな動きができ、マンカバーに強い。フィジカルが強くタックルされてもなかなか倒れない。North Carolinaに所属するLB Chazz Sarrattは実兄で、兄弟でドラフト候補に挙げられている。昨年は中盤まで全米トップクラスの成績を残していたが、故障で離脱。大学に残った今季も結局オプトアウトしている。フィジカルが強く、それなりに動ける選手なのでNFLでもそこそこ通用する可能性は高いと思うが、故障明けで、直近のプレーが見れないのは懸念点ではある。今後、シニアボウルやコンバインで健在をアピールできればもう少し上の評価になると思うが、今のところはタイプ的にも能力的にも近い、今年South CarolinaからLV入りしたBryan Edwardsと同程度の評価をしておく。

Sage Surrattのハイライト動画 → https://youtu.be/hCXCa1LQ-Bo

21. Tre Walker San Jose State, 5-11, 180 Grade: Mid 3rd Round

Player Type: RAC King, Polished Route-runner

この選手は個人的にかなり好みのタイプ。スラントやシャロークロスなどの浅いゾーンのパスからのRACを武器としている。キャッチも柔らかく、スピードを落とさずキャッチできるのが強み。また、このタイプにしては珍しく、バックショルダーも得意で、スロットだけでなく外でも使える。San Jose State出身のWRと言えばGBファン的にはJames Jonesであるがどちらかと言うとタイプ的にはGreg Jenningsに近い。昨年の終盤に大爆発し、最後の5試合の成績は全米トップクラスだった。おそらく、所属カンファレンスがマイナーで、身体的特徴もないタイプなので一般的な評価は高くないとは思うが、プレースタイルもNFL向き(特にGB向き)だと思うので高く評価している。個人的には3巡評価。

Tre Walkerのハイライト動画 → https://youtu.be/Q0JCCCPgZRM

22. Warren Jackson, Colorado State, 6-6, 219 Grade: Mid 3rd Round

Player Type: Physical Freak, Big Target

近年、Colorado State出身のWRのNFLでの活躍は目覚ましいものがある。Michael Gallup(現DAL) は一昨年3巡指名されて2年目には1000ヤードを突破。昨年もPreston Williams(現MIA)がUDFAながら1年目から428ヤードを獲得し、Olabisi Johnson(現MIN)も7巡指名ながらWRの層が厚いチームで出場機会を得ている。どの選手も指名順位以上の期待に応えられてるのは、Mike Bobo前HCのプロスタイルオフェンスの経験がNFLへの適応に繋がっているためと考えているが、このJacksonもまさにプロ向きのWRと感じる。6‐6という類稀なサイズを持ちながら、決して高さやフィジカルに頼ったプレーだけでなく、クイックな動きでオープンになることもできるのが大きい。昨季はエースに昇格して1119ヤードを記録し、大ブレークを果たすも、Sr.となった今季はオプトアウトしている。直近のプレー内容を見ていないので過度な高評価はできないが、フィジカルツールと先輩たちのNFLでの活躍から3巡評価とした。

Warren Jacksonのハイライト動画 → https://youtu.be/7B6ps78-_zA

23. Amari Rodgers, Clemson, 5-10, 210 Grade: Mid 3rd Round

Player Type: Slot, RAC King, Polished Route-runner

毎年、チームランキングで全米上位にランクされているClemsonの今年のエース。多彩なルートを走ることができる器用なスロットWR。RBのような体格を活かしてタックルを破ることができるのでRACも期待できるし、パントリターンもまずまず。Deebo Samuel(現SF)をややスケールダウンしたような印象である。今季はTee Higgins(現CIN)らが抜けるとともにエースに昇格し、9試合で814ヤードと、全米トップクラスの獲得ヤードを記録している。スピードがあるとかではないのでNFLが高く評価するかはわからないが、使い勝手が良く、高いレベルでプレーしてきた選手なので、同じClemsonのスロットWRで、5巡指名ながら1年目から活躍しているHunter Renfrow(現LV)のように即戦力の活躍を期待していいと思う。わかりやすい凄みのある選手ではないが、あえてDay2のリストに入れてみたい。

Amari Rodgersのハイライト動画 → https://youtu.be/TaDYBOfsg-s

24.  Jaquarii Roberson, Wake Forest, 6-1, 182 Grade: Late 3rd Round

Player Type: Slot, Chain Mover, Sleeper

昨年のWake Forestはほとんど毎週見ていたにもかかわらずシーズン前は全く知らなかったのだが、開幕戦のClemson戦で強豪相手に好プレーを見せていたので、注目して追っていくと見れば見るほど惹かれてくるようになった。特にNorth Carolinaとの試合では、激しい打ち合いの中で12キャッチ、167ヤード、2TDを荒稼ぎした。昨年のJustin Jefferson(現MIN)を彷彿とさせるスムーズな動きができるSlotタイプで、ディフェンスの弱点も良くわかっているので、3rdダウンなどの要所でも悉くいいプレーを見せている。シーズンを追うごとにプレー内容も良くなり、チーム内での地位も高まってきていることから今後も更なる活躍が期待できるのではないだろうか?Seniorになるまでの実績はほとんどないが、少なくても今季の内容はDay2に値するはず。ちょっと気が早い気もするが、スリーパー候補として推したい選手である。

Jaquarii Robersonのゲームハイライト(vs UNC) → https://youtu.be/VwgPZUafnNQ

Jaquarii Robersonのゲームハイライト(vs Syracuse) → https://youtu.be/C-gGkVyWtbY

Jaquarii Robersonのゲームハイライト(vs Virginia) → https://youtu.be/Dx4AvJa-vEM

25. Erik Ezukanma, Texas Tech, 6-3, 220 Grade: Late 3rd Round

Player Type: Physical Freak, Deep Threat

大きくて、速くて、強い、とんでもないスケールの大きさを感じられるフリーク。サイズを活かしたコンテストキャッチはもちろん、スピードでディープを狙うことも、スクリーンからタックルを弾き飛ばしながらRACを狙うこともできる。今季はここまで9試合で728ヤード、6TDといずれもカンファレンストップを争う数字を残し、大ブレーク中。粗削りだったルートランも良くなってきたし、崩れたプレーでもQBのいてほしいところにいられるようになってきた。今年はr-So.なので来年もカレッジに残るかもしれないが、エントリーすれば若さとポテンシャルからするとDay2までには消えると見ている。まだ向こうのドラフトサイトなどでもほとんど取り上げられていないが、フリークマニアにはたまらない逸材である。

Erik Ezukanmaのハイライト動画 → https://youtu.be/zHoyXqJlB5Y

26. Jonathan Adams Jr., Arkansas State, 6-3, 220 Grade: Late 3rd Round

Player Type: Big Target, Deep Threat

今年はCoastal Carolinaが大躍進を果たすなど、Sun Belt Conferenceに見どころがあるチームが多い。その中でもベストWRと思われるのがこの選手。サイズを活かしたジャンプボールに滅法強く、浮き球を投げておけば取ってくれる。特に大アップセットを演じたKansas State戦では、強豪校のCB相手に無敵を誇った。今季これまで20ヤード以上のパスキャッチ数は全米トップらしい。このタイプは数年前は上位指名されることもあったが、NFLでも大きなレシーバーは(TEも含めると)だいたいのチームに一人はいるのと、カレッジにも似たような選手が多いので近年は評価されなくなってきている。しかし、この選手は高さを売りにする選手の中でも抜けた存在であることと、どうしてもSun Beltの選手を紹介したいという私の趣味から、無理やり3巡評価とさせていただいた。

Jonathan Adams Jr.のハイライト動画(Kansas State戦) → https://youtu.be/lcQTILokJVw


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