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この漫画がスゴい!!『呪術廻戦』 進化している異能バトル。「鬼滅」ロスはコイツで埋めろ

僕は映画でもなんでも作品単体についてtwitterでなくこっち(ブログ)に書くときは、よっぽど作品愛を語りたいか/オススメしたいかのどちらかだ。
世間では『鬼滅の刃』が社会現象にまでなりました。あの作品がウケた理由のひとつに「シンプルでわかりやすい」があると思う。『呪術廻戦』はその意味で、大ヒットにはならないと思う。読むのに少々アタマを使わされるからだ。同時期に少年ジャンプ掲載の両作には共通点もあるが、違った魅力がある。
『呪術廻戦』も、超絶オモシロい。簡単にその魅力を書いてみます。(マジでカンタンに書くので、細かいツッコミしないでね)
この作品「も」先行するバトル少年漫画の影響を大きく受けている。現在、単行本11巻まで出ています。

世界観の設定と物語とは?

人間の負の感情(怒りや妬みや悲しみなど)が「呪霊」というバケモノを生む。その呪霊と、呪術という技術を使って祓う("呪いなので"殺す"ではなく祓う)呪術師たちとの闘いを描いた、内容としては暗いバトル・ファンタジーだ。
いにしえからの人間の負の感情がカタチになった怨霊なので、火山や大地への恐怖、あるいは人間そのものへの恐怖から生み出されたような敵が興味深い。

まず、呪霊・呪術師とも、階級がある。特級、一級、準一級、二級など。ハイ、鬼滅も柱と上弦・下弦がありましたね。

主人公の高校生は、史上最悪・最強の特級呪霊"両面宿儺"をひょんなことから受肉する(要は中で飼う)ことから物語ははじまる。ハイ、ポテンシャル最強系。例は、NARUTOはじめいくらでもありますね。

まあ要は、人間と、人間の裏側面(だって呪霊とはヒトの負の感情から生まれるんだから)がバトる漫画である。
東京都立呪術高等専門学校の生徒と教師(京都校もある)が中心人物だ。ハイ、鬼殺隊ですね。まあ、ユニークなキャラクターが鬼滅よりたくさん出てくるし、人物の掘り下げが深く、登場人物の背後にある古くからの権力関係も描かれる。

現時点で、ラスボスや、その真の目的もわかっていない。主人公の中にいるバケモノが中心なのですが、ハッキリとは言明されていない。伏線が張り巡らされた漫画なので、読者として内容から今後の展開を考察する楽しみが相当ある。かなりグロい描写で人間が殺戮されるシーンが描かれるので、ここは好きキライは分かれよう。
繰り返すようだが、内容はダークだ。

何がそんなにおもしろいのか

これはね、バトル、戦闘なんですよね。基本的に戦闘につぐ戦闘です。
鬼滅になくて呪術に圧倒的にあるもの、それは「術理」(技の構造)が綿密に考えられ構築されている、というところですね。ジョジョのスタンド、HUNTER×HUNTERの念、NARUTOのチャクラの系譜。海賊漫画や鬼退治、始皇帝補佐武将漫画なんかは、なんだかんだ結局「オラーーー」って言って「奥の手」みたいなものを徐々に出していったり、それ気合やん、っていう火事場のクソ力で局面を打開するじゃないですか。それゆえに人気がある、とはもちろん言えますよ。呪術は、そういうのは一切ない。

呪霊と呪術師も、「呪力」(例え:電力のようなもの)を持ち、「術式」(例え:家電のようなもの)というものを使う。術式はキャラごとに個別にあり(これがスタンドに相当する)、だから戦闘は基本的に、術式同士の頭脳戦が多くなる。

特にすぐれた術者や呪霊は、自分の心のなかの「生得領域(しょうとくりょういき)」というものに術式を付与し、呪力で外部に構築する、という「領域展開」なるスゴ技が使える。視覚的にはドームみたいなのて相手を囲っちゃう。この中では基本、術者は無敵状態となる。しかしもっと強い領域展開を持つ相手にソレ出されたら支配されてしまう。

こうした技の応用がいろいろ出てくるので、力+技能+頭脳の戦闘を、アタマを使って読まねばならない。理解できないとついていけない。まあ、とにかく上に挙げた三作に近いんだけれども、どれとも違うタイプの、もっと厳密な設定があるので、こういうのが好きなヒトにはたまらないと思う。

味方に作中最強キャラがいる

このマンガの設定の仕掛けとして圧倒的に秀逸なのは、誰もが認めることだろう、この作品、味方側に作中圧倒的最強の人物がいるんである。アイツだ。先生。無敵すぎて敵のボスキャラが「逆に、お前は何を持ち得ないのだ」とか言ってしまうほど強い。この人物の存在そのものが、人間と呪霊のパワーバランスを保っていたほど強いのだが、、しかしコイツが呪霊たちに隙を突かれてアアなって・・・ 展開に目が離せない。

まあ、とにかく画力もメチャクチャ迫力あるし、作者は徹底的に構造を考え抜いていると思われるし、深い人間洞察に基づいた人間観を持っているようなセリフが多いし、オススメです。息子もドハマリしています。鬼滅ロスはコイツで埋めろ☆

あ、既刊11巻だけど、「0巻」というのも超本編に関わる内容なので、それも読んでネ☆

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