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自立はしていない

アマチュア無線の健全な発展、というお題を巡って考えている。

アマチュア(つまり職業ではない)による各種の活動、趣味やボランティア他には、誰でも思い立ったら始めたり参加したりできるものと、道具を揃えたり条件を満たさないと難しいものがある(もちろん二者択一ではない)。

そう考えると、アマチュア無線はかなり外的な条件が与えられないと始められない活動、趣味であることに気づく。例えば下のような条件を、ジョギングと比べることができる。

  • 不特定多数の通信相手、つまりコミュニティが必要

  • 国による電波資源の割り当て(資格や局免許など)が必要

  • メーカーによる専用の通信機器の供給が必要 など

アマチュア無線の衰退…という危機感は、この構図を念頭に置いて議論する必要があるのではないか。ハム人口が減ることは、単に相手が少なくなって通信活動が成り立たなくなっていく、ことだけではなく電波資源の割り当てや、通信機器の供給がなくなっていく、ことに繋がりかねない。つまり、アマチュア無線は他の趣味活動に比べると、より社会的に他に依存する部分が大きい、ことを再認識する必要がある。そのため、人口の減少が発展どころか、より持続可能性にとって深刻な問題となり得る(なっている)のだ。

なので、アマチュア無線の魅力を向上する各施策は、単に新規の参加者を増やして人口増に繋げるだけでなく、制度として国が認めて後押しすること、またメーカーが市場に価値を認めて新製品を投入し拡大していくこと、などと有機的に繋がり結果を出していく必要がある。いわゆる「エコシステム」の持続的発展である。

……という整理のもとで、もう一度SD会議の一次報告を読んでみることにする。

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