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謝憐はなぜ花城を好きになったのか

⚠️『天官賜福』繁体字版・旧連載版本編終盤(5-6巻)ネタバレあり




・殿下はなぜ花城を好きになったのか?
・花城はどうやって殿下射止めたのか?
Twitter+ふせったーへの投稿を一部修正しまとめてみました。
パッと思いついてポストしたものをまとめただけなので、そのうちきちんと加筆します。


いつから好きだったのか?

まず、実は出会ってそう経ってないうちから殿下は花城を意識しているんだよね。

水中キスから花城を「性」の対象としても意識し始めたのは確実だろうけど、鬼市から帰ったときにはもう既にかなり心惹かれていたのではないのかな?


花城は初手から銀蝶を使って殿下に自分の「美しさ」と「無害さ」をアピールしていたし、とっくに人々に忘れ去られたはずの太子悦神図も描けるしで、実は密かにめっちゃアタックかけてたよね。

花城の誠実さに殿下が惹かれたのはもちろんだけど、今回はそこ以外の要素を考えてみようと思う。


なぜ好きになったのか?

1. 花城が「庇護対象」でなかった

まず前提条件として、花城が(あらゆる方面で)強くて気をつかう必要がなかった、というのがあるのではないのかなと思う……
「庇護対象」(=対等もしくはそれ以上の力を持つ)でなかったというか。

殿下、人を守る/救うがライフワークなところがあるから、一度保護の対象に入ってしまうと「守るべき衆生」扱いになってしまうのではないかな?

現に少年時代の花城のことは庇護対象/守るべき民として、あくまで「太子殿下」として接していたよね。たとえば共に戦うことよりも自己を犠牲にすることを選んだり、あとは名前や顔を覚えられないとか。そもそも名前を積極的に聞きにいくこともない。衆生はあくまでも衆生で、そこに謝憐個人としての感情は持たないのだと思う。

ある意味で、風信や慕情もそこを越えたからこそ「友達」という枠に収まることができたのだと思う。ふたりは飛昇するほどの実力があるわけだし。

2. 花城の「やりたいようにやればいい」発言

仙楽宮で花城を想いながら賽を振ったときにはすでに心惹かれていたと思うけど、やっぱり鬼市後にそれが大きくなったのではないか?と思う。

じゃあなんで鬼市後ですでに心惹かれていたのか?と考えながら読み返していたら、「あなたはやりたいようにやればいいんだ」という一言が目について......
これが大きなきっかけになったのではないのかなと。

殿下が人生で最も後悔していると言った2回目の飛昇、つまり白衣禍世になりかけたことのきっかけのなかには、父母の死と、唯一自分のそばに残っていた従者であり友人である風信が離れていったことがある。

慕情が自分から離れていったとき、風信は「私は彼と違ってあなたから離れない」と言っていたのに、百剣貫心きっかけで殿下が強盗や盗みを働くようになったら、結局はその行動に反対して、側を離れていってしまう....。
殿下自身から切り出したとはいえ、本心ではなく試していただけなので、風信があまりにもあっさり承諾してしまいかなりのショックを受けていたよね(ここ読んでて本当に辛かった)。

  风信走之前,他害怕。而风信走了之后,他就一点也不害怕了。可是,虽然他不害怕了,却更痛苦了
  原本,谢怜还在心底抱着万分之一的期待,期待即便是他承认做了不该做的事,即便是他变成现在这样糟到极点的样子,风信也还是会留下

墨香銅臭『天官賜福』 連載版 第191章 无恋喜白衣祸此世


思えば、仙楽国時代から殿下の周りには謝憐の意見に反対する人がいたわけじゃない?
国師、天界の神々、はては自分の従者や父母まで。

そう考えると殿下の人生にはひとりも「自分のすべてを包み込んでくれる人」っていなかったんじゃないのかな.....

両親にしてもそうだ。
アニメ版では殿下が優しかった母后のことを思い出すシーンが何回かあるし、仙楽国のお墓に行った時も真っ先に母の棺桶に話しかけていたので、彼は彼女のことがとても好きだったのだと思う。
でもその母も最期は結局、疲れ果てた息子の負担にならないよう自⚪︎してしまったので、息子の「全て」を包みこんでくれたのかどうか、と聞かれると正直微妙だと思う。
(たしかに両親は息子のためを考えた結果の行動なのだろうけど、呪枷を受けたために死ぬこともできずに残された息子はこれからひとりでどうすればいいの............)

本編終盤では「花城は謝憐の全てを知っているわけではない。泥の中で這いずり回ったり、人面疫を再度起こそうとしたりした謝憐を花城が知ったらどう反応するだろうか?少しでも驚いた表情を見せたら、もう花城に合わせる顔がない」「花城を信じていないわけではない。ただ、試す勇気がないだけだ。」(超雑まとめ)などとある。

つまり「どんな自分でも包み込んでくれる人」というのは、実は謝憐がずっと求めていたものなのだと思う。

風信を信じきることができなかった反面、花城のことは信じる事ができたし、機会を見計らって伝えようとしていた(ただどんな反応をするか怖くて試せないだけ)。
結局は「あなたのそばを離れない」という発言よりも、「好きなようにやればいい」と言ってくれたほうが、「どんな自分でも許してくれる」人としてみることができたのかな。


花城がこれまで出会えなかった「やりたいようにやればいい」とすべてを包み込んでくれた人だからこそ、殿下の心を動かすことができたんじゃないかな......と読み返しながら思った。


最終更新 2024.5.29


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