見出し画像

部屋がペペロンチーノのにおい。

昨晩24時に暴食したペペロンチーノ。その残り香は翌朝に枕元へ訪れ、優しく目覚めを誘った。事実、ガーリックの強烈な臭気が鼻孔を女王様のように踏みつけ、たたき起こした。この状況で他人が来訪すれば評価はマントルまで落ちるだろう。男の生活感は道端の乾いたゲロより見たくない。

布団を投げ飛ばし、蛇口をグインとひねりドバドバと水をポットに入れる。シャワーを浴びシャンプーの泡を飛び散らせながらふと気づく。

普段より、すべてが荒々しい。

すぐに合点はいく。
部屋中のガーリックの匂いが通常よりも自分を豪快にさせている。匂いという非視覚要素は無意識に気分をつくり上げてしまう。匂いは正に事実上のムードメーカー。所作、と呼べるほどに奥ゆかしい動きは一つもなく、動作、すべてに無駄な力が多い。不必要な腕力が至るところに放出され散乱していた。

繊細さを欠いた今日は長文はやめよう。

そして今なら、電話で気になるあの子を豪快にデートへ誘えるかもしれない。
関西弁で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?