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焼きそばパン

これを看板商品にするパン屋は信頼できない.


「パンという固有の食べ物に何を合わせればおいしくなるのか」
すべてはこの問いから始まった.この答え無きテーマに挑む過程で様々なパンが誕生した.小麦の甘味に酸味のアクセントとしてレーズンを.もちもちのパンに食感を加える為にクルミを.これらは全てパンのおいしさを引き立てる為に考案された.表すなら「パン×○○」であり、パンあったうえでのコラボレーション.

一方で、焼きそばパン.
完全にパンを追い越している.焼きそば本来のポテンシャルで存在が成り立ってる.まるでパン職人の矜持を感じられない.パンを売りたくてパン屋になったのでは?ただただ人気者を合わせてどうする.焼きそばに至っては素人だろ.パンが焼きそばを挟んでいるというより焼きそばの抱き合わせでパンが挟まれている.見た目と市場の関係がもはや真逆の状態.

ノブロックTVでバラバラ大作戦の成功について話していた.
「キョコロヒー」が当たったことで業界に激震が走ったらしい.斎藤京子とヒコロヒーが展開する軽妙なトークが言語化しにくい故に新しい魅力を生み出した.放送後、視聴者がなんとかそれを140字に表現しようとしバズった.これこそまさに「組み合わせの妙利」だ.既存の素材を組み合わせて未知の世界を創成する.レーズンやクルミが遂げたのはこれに等しい.

つまり焼きそばパンとは、頭を使わないゴミプロデューサーがバズったタレントをブッキングしてその場しのぎの数字を取りに行くのと同義.こういった人気者を企画に挟み込んで保守的に結果を取りにいく行為をバズるにかけて「バンズる」としよう.焼きそばをバンズに挟む事にならって.

レーズンもクルミもパンと合わさることで単体以上の魅力を発揮し世に認知された.クリエイターとは失敗と挑戦の連続.辛酸舐める日々にいつか差し込む光を信じて今日も作る.安泰と永続を願う者は今すぐこの舞台から降りてくれ.焼きそばパンが売れるのを喜々とするパン屋に未来はない.


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