2024/3/16_雑記

この前、木田さんと世界一落ち着かない銀だこ、TOHOシネマ店で食べた。

クズでありながらも憎めない愛嬌がある、というのが木田さんを簡単に評した言葉だろう。でも僕は一度も、だらしない人だと感じたことはないし、まぁそれはそういう状況に居合わせてないだけかもしれないが、でもそれより実際会って話すようになって強く思うのが、なんというかこの人は、ただただまっすぐで、狙って生きてない、それを感じる。

マセキ紅白歌合戦で木田さんはソロでラップを披露した。出番前に「服部、ラップ聞いてくれん?」と唐突に言われ、正直そんなに話したことないので「はい」と一切目を合わせず変な愛想笑いを浮かべて、とりあえず聞いた。僕は正直ラップとかは分らんし、歌とかも歌詞が速いとなんて言ってるか分らんから、せめて歌詞だけでも見た方がいいと思い、木田さんの携帯を見ながら聞いた。

簡単に良かった、というのも、なんか違う気がするが、でも僕に歌ってる最中すごく感じたのは、なんというかこの人は、まっすぐだ、ということだった。本番前にラップなんか全くわからん後輩に一生懸命うたって最終調整して、最後に「どうだった?」と純粋な目で聞く感じが、もうなんかラップがどうとかじゃなくて、あなた自身が作品みたいなとこあるよ、と言いたかった。まっすぐだった。

そんな木田さんと銀だこを食べた。話の8割は最新作の龍が如くのエンディングがやばかったという話で、ほとんどついていけなかった。いい相槌を打つことに集中して、へー、とか、ほー、とか、感心してる感じの、おほー、いやちょっとやりすぎたか・・?とかをやっていた。

残りの2割でちょっと大事な話をした。木田さんは最近大きな失恋をした。長年付き合った彼女とお別れした。「いっそさ、150万以下の年収の奴は国が恋愛しちゃいけませんとか規制かけてくれればいいのにな」と木田さんが言った。本人の体験とかも乗ってたし、たしかにそうだよな、本当にそんなんでいいわ、と強く思った。自由が与えられてるからこそ、若いうちはそういうのするべきだろと思って、がんばってみる。でも実際は、お試し体験、思い出づくり、なんかで終われるものなんて一つもなくて、それぞれがヘビーで、オリジナルで、圧倒的で、このまま一生という概念とか、新しい命とか、一人では住まない広い部屋をsuumoで見たりとか、否が応でも真剣な表情で未来を考えてみたりする。でも結局はどのみち同じ分岐点に立たされる。(いや、うまくいくパターンもあると思うけど)絶対に手を振りほどいてお互い一人でそれぞれの道を進まないといけない分岐点が来る。コロナの時に自宅待機が続いたとき、家に居続ける自分に理由を与えてくれることに助けられていた。端から可能性の芽を抜いて自由をはく奪してくれれば。まぁでも結局は自分の人生が大事でふりほどくし、それに伴う悲しいどうのこうのは、自業自得、むしろ悲しむ資格もあるのか?一番迷惑を被ってるのは分岐点まで連れてこられた相手だろ、と、とりあえず責められないだけの反対意見を挙げて、保身する自分もいる。つねに自分を大事にしてしまうということを自覚しておくだけでも、人に迷惑をかけないようになれると信じていたい。

ホルモン屋をやるなら店名は「旨胃」にしよう、という不毛な議論を終え、家路についた。

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