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旅で出会う豊かな心の人

noteのお題「#ゆたかさって何だろう」。
海外を旅すると日本人の感覚では計れない猛烈に良い人に出会う。私が旅で出会った豊かな心の人たちを思い出すままに紹介します。

留学中のパキスタンで出会った学生ジーショーン。初めて会ったときも少し不思議なヤツだった。

「日本語でノートにおれの名前を書いてくれ」

ジーショーンのノートにカタナカで名前を書こうとしたら違うと言われた。

「おれのノートじゃなくてお前のノートに書いて欲しいんだよ。」

意味がわからない。。
言われるままに私のノートに「ジーショーン」と書く。
彼は満面の笑みでこう言った。

「これでお前は俺の名前を忘れないな!」

頭のキレるヤツだ。
おかげで20年経った今でも彼の名前を鮮明に憶えている。

留学期間中、最初の方はジーショーンやパキスタン人学生と仲がよかった。でも途中で私の心が少し病んでいる時期があった。どんなに仲良くなってもパキスタンの言語ウルドゥー語を懸命に学んで話せるようになっても最終的な会話は

「日本に行くビザを取って欲しい」

この言葉を聞くと本当に辛かった。笑いに変える心の余裕もなく、私はあなたに日本のビザを発給することはできないから日本大使館に聞いてくれ、みたいな日本のビザ取得に関するウルドゥー語ばかりうまくなっていった。

何のために留学したんだろう。。

どうせ何を話しても最後は日本のビザが欲しいと言われるんだろう、そんなスレた気持ちになり、段々パキスタン人学生から離れてケニア人やネパール人の外国人留学生とつるむようになった。
ジーショーンともほとんど話すことはなかった。

1年の留学が終わりかけたころ、ジーショーンにたまたま会った。私はもうすぐ日本に帰るよと伝えたら彼はパキスタンの思い出に一緒に映画を見に行こう!と誘われた。

私は奨学金をもらっていることもあり、かなり金銭的な余裕があった。当然彼も日本人の私がお金を持っていることを百も承知だった。

でも最後の思い出だからと言って映画のチケット代、ポップコーン代、コーラ代、何でも彼がご馳走してくれた。私が払おうとしても受け取ってくれない。
金額にしたら1人数百円ぐらい。パキスタン人学生にとっては小さい金額ではないけど最後だからと彼の言葉に甘えた。

夕方になってもう帰ろうかというとき、バスに一緒に乗ろうとしたら彼はバスには乗らないと言う。

帰る方向も同じなんだから一緒に帰ろうと誘っても歩いて帰ると言い出す始末。
家は近いの?と聞くと「家は大学の先の住宅街」と答えた。

ざっと15キロ以上は離れている。
夕方歩いて帰るにはあまりに遠い。

歩いて帰る用事や理由があるのか?と聞いたら言いにくそうにボソッと

「お金を使い果たしてしまいバス代がなくなってしまった。」

本当にたまげだ。

バス代は15円ぐらいだったと記憶している。
15円のバス代が無くなるまで私にお菓子やコーラをご馳走してくれていたのだった。

お願いだからバス代は払わせてくれ。最高のパキスタンの思い出ができたからそのお礼だ。無理矢理彼にバス代を渡した。

彼は恥ずかしそうな笑顔でありがとうと言ってバスに乗って帰っていった。

私は日本に来た外国人にジーショーンのようにふるまえるだろうか。
いつか彼のような豊かな心を持てるのだろうか。

豊さってなんだろう?
と考えるときまってジーショーンの笑顔を思い出す。





























































































































































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