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『腸よ鼻よ』10巻完結

島袋全優の闘病エッセイギャグ漫画『腸よ鼻よ』が10巻で完結しました。作者が潰瘍性大腸炎で闘病エッセイギャグ漫画ということでずっと追いかけてきました。私は軽症なので服薬でなんとか寛解の時期が長く続いているのですが、読みながら重症化すると本当にしんどいということをみにつまされました。でもこの作品の良さは病気の辛さや告白ではなく、主人公が明るさと逞しさに溢れているというとこです。

難病を抱えながらも持ち前のポジティブさで漫画家という夢を追いかける主人公全優はついにデビューを果たします。ところが、連載が打ち切られ、単行本も2冊で終了。病状は安定せず入退院を繰り返します。そんな厳しい現実の中でも周囲の人たちが手を差し伸べ新たなチャンスを掴みます。

悲惨な病状でさえ自虐的なギャグに変える作者のポジティブな描きっぷりに思わず笑わされます。ギャグは盛っても病状は盛らないという作者のポリシーからもかなり苦しい病状であることがわかります。それでも漫画を描く前向きな姿勢に読みながら自然と励まされ、応援してしまいます。難病の不安と痛みに苦しんだ経験のある私はこの作品に何度も救われました。

『腸よ鼻よ』1巻 島袋全優


私小説というジャンルもフィクションだと思っていますが、作者が主人公になったときにどの部分をデフォルメするかセンスが問われると思います。難病という過酷な境遇、その経験をギャグに変換できるセンスが漫画家としての才能なのだと思います。

終わってしまうのは寂しいですが、10巻楽しませていただきました。島袋さんありがとう。そして病気が寛解に向かってよかったです。

『腸よ鼻よ』ぜひご注目ください!
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