【アメリカ税法】リサーチの仕方
アメリカの税法に関してリサーチが必要な場合のリサーチの仕方をいくつかまとめてみました。有料会員である必要があるサービスも含まれますので、その点はご容赦ください。
1 IRSのHPでリサーチする
リサーチとして、アメリカの内国歳入庁(日本の国税庁に相当する機関。IRS)のHPで、問題となっている用語等をサーチにかけてみるのがまず考えられます。
たとえば、適格事業所得(Qualified Business Income)が問題となっている場合には、IRSのでその用語を検索にかけてみるといいでしょう。検索結果は以下のとおり。IRSは納税者向けに書いているものが多いので、平易な記載になっていることも多く、ぱらぱらとみてみると全体像が理解しやすいです。
1' Googleを使ってIRSのHPを検索してみる
1の検索方法では、検索サーチの表示順があまり自分が見たいものが出てこない場合もあります。その場合には、googleで「〇〇(検索したいワード) irs.gov」と検索すると、googleのAIを用いた表示順で結果を見ることができます。
以下のとおり、Qualified Business Incomeで調べた場合、IRSのHPの表示結果とは異なるページが出てきています。
2 Thomson ReutersのCheckpoint Edge(旧RIA Checkpoint)でリサーチする
タックス関連のリサーチにおいては、この検索サイトがかなり根強い人気を持っているようです。
Checkpoint Edgeでのリサーチの方法はいくつもありますが、たとえば、以下のような方法が考えられます。
まず、1や1’のリサーチにより、適格事業所得の控除がSection 199Aに規定されていることがわかったとします。その場合に、Checkpointでまず条文検索をします。
条文検索は、Searchの"Citation and Other Search Tools"をクリックするとページがでてきます。
そして、Code & RegsのページのCodeの欄に条文数(ここでは199A)を入れて検索します。
そうすると、以下のとおり条文が表示されます。そのときに、(以下では青い枠で囲まれている)”WG&L Treatises”をクリックすると、右の枠にWG&Lの逐条解説が表示されます。
WG&Lは、導入の制度趣旨の説明も丁寧で非常にわかりやすいと思います。
2’ その他の2nd Sourceにあたってみる
もしCheckpointがワークしない場合には、LexisにあるRabkin & Johnson等にアクセスしてみることも考えられます。ただ、私自身はあまりこちらを使ったことはないので、今後必要に応じて有用性を確認していきたいと思います。
3 開示資料から勉強してみる
この方法は多分に暇つぶし的な要素が含まれていますが、米国企業の開示資料に書かれている税務に関する記載を見てみることも場合によっては非常に勉強になります。
上記のEDGARのテクストサーチにアクセスしてみて、気になるワードを検索してみます。法人税に関連する記載がいいので、たとえば、FDII(外国稼得無形資産所得)と検索してみます。
とりあえず、Filing categoryをAll annual, quarterly, and current reports(要するに、10-K(有価証券報告書)、10-Q(四半期報告書)、8-K(決算短信)等)に限定して検索をかけてみます。
いくつかぱらぱらみてみると、たとえば、10-Kに以下のような記載を見つけました。
この検索方法は決定的な解を与えてくれるものにはなりえませんが、実際の企業で問題となっている税制がどうワークしているのかを知る上でも参考になります。
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