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大峯奥駈道 敗退反省会

山行記録はこちら↓

今年最大の挑戦のつもりで計画し、挑戦し、敗退した大峯奥駈道の反省会。
参考までにまとめておく。

書いてる人の力量的なこと

これを書いている私はまだ登山歴2年。経験浅い。
これまで一番長い山行は、昨年の夏に八ヶ岳なんちゃって全山縦走した時で、2泊3日で42kmほど。山小屋泊なので、荷物も13kgほどと軽い。
冬山もやるので、その時は16kgぐらいは背負って行動した経験はある。
とはいえ、遅くても16時ぐらいには行動を終えようという感じで動いているので1日の行動時間10時間いくことはなかったかもしれない。

というか、改めて振り返ると、ソロの山行2回目。登山初めて初期の頃によくわからず一人で伊豆ヶ岳に行った以外は嫁に禁止されてたのでソロ登山をしてなかった。とはいえソロじゃなくても基本私が計画を立てて山に行っているので感覚的にあまり変わりはないが・・

大峯奥駈道の特徴

約100kmのルート中に基本的に1箇所、弥山小屋しか営業をしている山小屋はない(弥山小屋も営業している期間短いみたいなので、いくときは営業してるか調べてください)ため、食料を全日程分持っていく必要がある。水も限られた水場で汲むしかないので、常に2-3L確保しておく必要がある。水場は1日に1,2箇所しかないと思った方がいい。今回のルートだと初日はスタートの1時間以内にあるもの以外は水場はない。
一般登山道だけど、普通の登山と比べて若干、冒険要素がある。

以下、失敗した原因。

計画の無理  - 時間設定

今回色々なブログを読んで、あわよくば4日、基本的に5日で終わらせようという考えで計画をしたのが問題だった。5日もしくは6日とするべきだった。

だいたいこれまでの山行でコースタイムの80%-90%ぐらいで動いていたので今回もそれぐらいでいけるつもりだった。大峯奥駈道の計画はコースタイムで作ったのだが、休憩時間・昼食時間・水を汲みに行く時間は設定しておらず、前提としては、私がコースタイムより早く行動しているはずなので浮いた時間で諸々を済ませるはずという計画になっていた。

まず、コースタイムより巻いて歩けるはず、というのが間違いだった。
19kgもの重さを背負って登ったことはこれまでなかった。実際、ペースが上がらず、コースタイムで歩くのが精一杯だった。ちゃんと昼飯も食べず歩き続け、歩けないわけではないがカロリー不足でさらにペースが上げられないという状態だったと思う。特に1日目は出発で大失敗してしまい、取り戻すのにかなり急いだ。(ペース自体はコースタイム以上だったが・・・)

で、さらにコースタイムが正しいとは限らないという問題。山と高原地図などそのエリアに詳しい人が監修しているはずだが、コースタイムがどう考えても無理!って時がたまにある。2日目の地蔵岳は垂直岩場などもある鎖場連発の場所で、コースタイム1:15になっているが、まず無理だと思う。多分倍ぐらいかかる。
鎖場でなくてもそういう場所は他にもいくつかある。
また、下りはだいたい登りより短く時間設定されているが、雨の後の下りだとかなり時間がかかってしまうこともある。
コースタイムを目安に進むことを心の拠り所にしていると、突然裏切られて、とても焦る。

大峯奥駈道は非常に長いコースだし、できるだけ先に進みたいというのはあるが、ある程度余裕を持った上で宿泊地を決め、もし早く着いてもそこで寝てしまおうという気持ちで臨んだ方が良かったと思う。限界ギリギリに宿泊地を設定して計画したために、焦り悲観的になる一方だった。

スマホの充電問題

少なくとも私の山行では(おそらく多くの登山者にとっても)スマホは山で一番大事な道具になってきている。

役割としては、Geographicaやヤマレコなどのアプリを使ったGPSとして。あらかじめ調べておいた登山道の情報のメモとして。カメラとして。また、電波繋がらないことが多いけどいざという時の通報、通報じゃなくても家族や友人への連絡。下山すれば交通手段の確認など。

結局今回なぜ撤退したか、突き詰めるとスマホのバッテリーが最後まで持たないことが確定したからだ。スマホさえ大丈夫なら多少は無理をすることもできた、家族に連絡ができれば1日や2日余計に時間がかかっても良かったのだ(連絡できないで予定日より2日下山しなければ家族が通報する)。

今回、スマホは
・SONY Xperia  XZ3
・Goole Pixel
の2台。Pixelは予備機の扱いで満充電で電源を切っており、基本的にはXperia XZ3を利用。3200mAでバッテリー容量も多く持ちがいい。冬山でもほとんど寒さの影響を受けないようで結構気に入っている。

モバイルバッテリーはANKERのPower Core 13000。それと、太陽光発電ユニットとして、ANKER Powerport Solarを持っていった。

このANKER Powerport Solarが誤算だった。3日目からの雨・曇だったが、雨になるのはわかってた。まさか全く充電できないとは。だいたい多少の雨や曇でも山にいると結構日焼けするし紫外線はビンビンきているものだ。別に15分で充電したりしなくていいのだ。10時間以上歩いている間に3200mA充電できれば十分だったのだ。
だが、結果、太陽光が出ていないなら充電量は0だった。

Amazonのレビューを見ると、晴れている状態でちゃんと充電できて良かったと書いている人はいるので、晴れていれば役にたつのだろう。
ただこの極端な役たたなさ具合では、Powerport Solarも420gあるし、20000mAのモバイルバッテリーを持っていった方が良かった。
今見ると、ANKERのこれで360gなのか・・こっち買ってけばよかった。なんてことだ。行く前に調べてた時は目に入ってなかった。

太陽光発電ユニットは、1週間以上山に行くなら便利かもしれない。でもそれ以下なら大容量のモバイルバッテリーを持って行った方が良い。20000mA * 2 で済む範囲の日程なら太陽光発電ユニットじゃないほうがいいと思う。

これに関しても、そもそも山に行く前にソーラーパネルのテストをちゃんとしておけという話であり、準備不足でしかない。

スマホ問題続き、情報問題

続いて、今回情報がスマホに頼りきりになってしまっていたのも失敗だった。もし十分な準備ができていれば、スマホのバッテリーが切れそうでも、スマホは電源切って緊急時の連絡用として、アナログで頑張るでもよかっただろうが、それができなかった。

まず、紙の地図としては、山と高原地図しか今回持っていっていなかった。
奥駈道のエリアは広いため、山と高原地図は5万分の1の地図。これだと地形の情報はあまりわからない。2万5千分の1の地形図をちゃんと手配しておくべきだった。雪山なら用意しておくのだけど、今回サボった。
スマホの充電ができてれば、geographicaで地形図が見れるのだが・・・
道を間違えたら、地形図をみるかGPSを見るかしないと解決しないのだ。今回その両方がスマホ依存だったのが良くなかった。

また、テント適地と思われる場所の情報、水場の情報もEvernoteに入れていた。コースの時間も。
全部一冊の紙のノートにまとめるなどしておけば良かった。
毎日予定通りに進めなかったため、毎晩夜に次の計画を練る為にスマホをつけ、スマホで情報を編集しと無駄にバッテリーを消費した。

次に長い山行いくときはちゃんとノートを作ろうと思う。
2万5千分の1の地形図とそれを拡大コピーしたものも一緒に。

雨装備について

基本的に私は登山に行くタイミングが限定されているので、計画してこの日に行くと決めたときはどんな天気でも登山してきた。
雨でも嵐でも視界なしでも歩いた経験もあるし、できると思っていたが、それも所詮、日帰りや1泊2日の山行でのこと。その先がある山行とはやはり違う。

今回誤算だったのは、レインウエアの質が劣化していたことだろうか。これは洗濯の仕方が悪かったのかもしれないが、普通の雨程度のレベルでこんなに浸水するとは思っていなかった。
以前、嵐の中を丹沢主稜縦走したときは雨へっちゃらだったけど、その時は雪山でも使ってるハードシェルだったんだよなぁと思い返す。

またレインパンツが破れてしまったのも誤算。確かに薄手ではあったが、こんなにぱっくりいくとは。今度は厚めのレインパンツにしようと思う。

あと、手袋もあっさり破れた。現行品と柄が違うのでわからないが、おそらくFinetrackのラピッドラッシュグローブ。防水のはずだけど、浸水もしまくってたし。そんなに回数使っていなかったと思うが。親指の根元の縫製部分がほつれて穴になった他、縫製部分複数箇所破けてしまっていた。

食料について

結果としてはそこまで悪くなかったかなとは思っているが、考え方的に反省点はある。

↑持って行った食料。

とりあえずカロリーを取らなくちゃと、ラーメンとアルファ米を一緒に食べてマヨネーズをかけるとか、ひどいことを考えていたが、そんなもの食えなかった。初日だけ食べて不味くてやめた。次の日からはアルファ米100-200g+親子丼的なもの、ソーセージ、チーズなど。

途中離脱したので結構食料は結構余ったが、そのまま続けていたとしても、アルファ米は余っただろう。7割ぐらいの量で良かった。
棒ラーメンはなくて良かった。あれは具を入れないと食事として厳しい。
味噌汁も5個ぐらいあれば良かった。マヨネーズもいらない。
逆に、カロリーメイト、エネモチなどの行動食はもっと持って行けば良かった。アミノバイタルも足りなかった。
食料全体では500gぐらいは削っても大丈夫だったかなという印象。

重量

ペースが上がらなかった大きな理由として重量が大きい。今回スタート時19kg(水3.5Lほど)。途中、所持する水の量や食べて減った食料で減ったりはするが、まぁそれでも常時17kgオーバーだったと思う。
最初にも書いたように無補給前提のルートになるので荷物は多くなる。

こちらのnoteに装備を書いたが、この後、ウォーターハイドレーションは持っていくのをやめた。
実際に大峯奥駈道の山行で使わなかったものは、
・SOL エマージェンシーヴィヴィ
・着替え一部(ただこれは続行してたら確実に使ってた)
・バフ
・FAK
ぐらい。いらないと言えるのは、バフぐらいか。数十gしか減らないが。
というわけで装備については減らせるものがなく、個別に軽量化するしかないかと思う。

上にも書いたが、モバイルバッテリーは20000mA以上のものにしてソーラーパネルも持たないという風にすれば多少軽量化できたはず。

あとはGoProとそのバッテリーの類。GoProはあまりいい絵は撮れてないが、オーディオコメンタリー的なものとして後で見て楽しい。今回バッテリー5本持って行ったけど、充電器は持って行かず、切れたらもう撮らないぐらいの割りきりでも良かったかもしれない。

後、コンデジ、結局2日目の朝に壊れてしまったのだけど、スマホよりはいい写真は撮れるが、削るとすれば削れるものではある。ただ写真は撮りたいだよなぁ。いっぱい挑戦する機会があれば、今回は写真は撮らないで挑戦のみ、次回はいい写真撮ろう、みたいに思えるけど、行く機会が限定されてるので余裕がなく、いろいろ詰め込みすぎてしまっている感はある。

あとはテントをツェルトにするとかはあるが、今回の天気だとテントじゃないと、続行難しかっただろうと思う。
とはいえ、どの程度の雨だったらツェルトが浸水するかとかもテストしたことないし、自宅のベランダででもテストするべきと思った。もしかしたら大丈夫だったのかもしれない。

というわけで、重量については、極端な軽量化は難しい気はするので、体力強化が前提かなぁと思う。

まとめ

結局まとめると、

・スマホのバッテリーきれないようにする
・体力鍛える

これかな。

今月のPeaksで、私がいけなかった釈迦ヶ岳から先のルートの記事が載っていた。やっぱり先に行きたかったなぁ。

参考:丹沢主稜縦走と比較

自作プログラムでGPXデータから出したアップダウン図。緑が丹沢主稜縦走、青が今回途中離脱までの大峯奥駈道。
アップダウンきつい・・
自作プログラムのため、距離の誤差が激しい。というかまともに1Plotづつ計算するとありえない距離になってしまうので、どこもある程度GPSデータのPlotを間引いて計算していると思うのだが、その勘所がわからない。

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