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黒い石と白い石 二酸化炭素の功罪(8)

黒い石=石炭、白い石=石灰岩は共に、太古の地球上の二酸化炭素を起源とする堆積岩であることは、あまり知られていないように思う。私がこれらに惹かれ、共通して興味深いと考えているのは、どちらも生命の進化や生物の営みと深く関わっているからである。

石灰岩がどのようにして作られたのかについては、二酸化炭素の功罪(5)で述べたので、今回は石炭について書いてみる。

石炭は、今から3億年ほど前の石炭紀に生まれた。当時の地球はまだまだ大気中の二酸化炭素濃度が現在より高かったと想像できる。そのため、現在のシダ植物が大木に成長できるほど植物の光合成にとっては有利な環境であったに違いない。それらが朽ちていく過程で、酸素は今より少なかったようである。そのため、木質化(リグニン質)されたシダの細胞壁を分解できる木材腐朽菌(キノコ類)が誕生していなかった。腐朽が進まなかったために、リグニンなどは大量に土中深く堆積したのであろう。二酸化炭素濃度が高いため、水は酸性化し、泥炭層を形成する。それらが長期間かけて地中深く堆積し、圧力や地熱で脱水、脱炭酸して堆積したのが黒い石だ。石炭と呼ばれている。

その後、植物の光合成によって大気中の酸素濃度が高まり、急激に様々な微生物が進化したため、リグニンを分解できる木材腐朽菌が登場した。それによって、腐植土壌が形成されても、二度と石炭が作られることはなくなった。石炭に未だ多くのエネルギーを依存している人類にとっては、なんとも皮肉な話である。

石炭の起源は植物である。従って、酸素、窒素や硫黄など他の元素も多く含んでいる。産業革命以降それらを燃料として急激に使い、太古の植物によって固定された二酸化炭素が、今こうして大気中に増え続けている。それによって地球が温暖化している。

地球の二酸化炭素の歴史を考えると、壮大なロマンを感じる。また、これから私たちは二酸化炭素とどのように向き合っていけば良いかを考えるとワクワクするのは私だけであろうか?

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