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地球温暖化を防止する理にかなった解決策 森林資源基盤型産業のリサイクル(7) 次世代木質ボード・パネル

地球温暖化に歯止めが止まらない。日本全国が豪雨に晒されている。南方の海上の温かく湿った空気が日本列島を覆うと、冷たい空気と触れ飽和水蒸気は雲(水滴)となり、雨となる。前線と称される雨雲の帯が日本列島上空に居座っている。

温暖化防止のために「森」そして「樹」はCO2を吸収し続け、樹木の各部位に炭素同化している。中でも樹幹の主たる構成部「木」をマテリアル利用する場合は、「紙」などのように成分をバラバラにして使うのではなく、出来る限り木材として長く使う方が好ましい。木質バイオマス発電では樹木が吸収したCO2を大気中に一気に放出してしまう。

次世代木質ボードやパネルに注目してみよう。無垢板や合板や単板積層LVLは、原材料である製材用の丸太(通直・完満かそれに準ずる)をスタートとするが、パーティクルボード(木材チップを高温高圧プレスで成型)やファイバーボード(木材繊維を熱などで成型)、Oriented ストランドボード(薄く削った木片を成型)は、林地残材、製材不適合(曲がり)材、木質廃棄物(建設現場の解体材)をスタートとする。いわば木材チップのマテリアルリサイクルで、本来であれば木質バイオマス発電や製紙原料として短命に終わる木材に新しい使命を与えている。

都市のマンションなど建設現場から廃材を引き取り、新築の建設現場へ循環サイクルで届けられる。断熱性や防音性に優れるだけでなく、木材が湿気を吸ったり放したりするので、室内の湿度環境の調整にも都合が良いことから、床や壁に大量に使われるようになった。

「地球上の樹木+木材に固定されたCO2総量>大気中に排出されるCO2総量=地球温暖化ガスCO2量の削減」これ以外に地球温暖化を防止する方法はなかろう。

飛騨高山に来て、木造の古民家をリフォームしてカフェやゲストハウスで利用している。家具や古材はリセール市場があり木材のリユースも文化になりつつある。ここで述べた次世代木質パネルのようにマテリアルリサイクルもどんどん進めるべきと思う。どうしても材料として使えなくなったら、サーマルリサイクル⇒工場電力+チップ乾燥+ホットプレス用熱媒でもいい。

CO2削減効果を外販できる時代になった(カーボンオフセット)。「森」そして「樹」が固定してくれた「木」の中のCO2は、燃やして大気中に出すのではなく、出来るだけ長く「木」の中に留めておきたいものである。

温暖化、豪雨での土砂災害、コロナ、場当たり的な解決策でなく、理にかなった解決策が望まれる。

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