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「割れないガラス」から学ぶ木材の乾かし方

「がっちりマンデー」で、ハンマーでたたいても「割れないガラス」を見た。スマホやタブレットを落としてひび割れたまま使っている輩には衝撃だった。

こんなガラスが大量生産できるようになれば。。。早速調べてみた。

アルミニウム酸化物(Al2O3)とタンタル酸化物を混ぜあわせてガスを使って結晶化させるらしい。弾性率は鋼鉄にも匹敵するそうだ。(東大の研究)

強化ガラスは、簡単に割れないガラスだ。防犯のため、店舗の入り口扉などに使われている。粉々に割れずに網の目状にひび割れる(恐らく輩のタブレットはこのガラス!?)。ガラスを熱で流動化(軟化)させ空気を吹き付けて急激に冷やすと表面から先に固まり収縮する。内部は後で固まる。これにより、ガラス表面には圧縮応力が発生し、内部には引っ張り応力が働いてバランスしている。ガラスに力を加え歪ませると凸部が左右に引っ張られるが、表面の圧縮の力が引っ張りの力と拮抗するので割れにくいというわけだ。

これを木材乾燥に応用したのが、ドライングセット法だ。水分を含んだ木材は、熱で軟化するが、この表面を高温で乾かし、後で内部を乾燥させる。構造材(柱や梁など)に使われる。ところが広葉樹を使う内装材や家具材にはこの方法を使うことはできない。高温で色が変わるだけでなく、表面の収縮で左右に引っ張られる力に耐えきれなくなって材面が放射組織で簡単に割れてしまうためだ。割れた木材は、家具に使うことが出来ず、燃やされてCO2に還る運命を辿る。

ならばと。。。木材乾燥研究の日々が続いている。

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