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地域の熱のカスケード利用:木材乾燥の進化形を考える

東京農工大学の小金井キャンパスを訪れた。こちらは工学府がメインなため、欅並木のある府中キャンパスの農学府とは随分と趣きが違っている。生物システム応用科学府長で共生エネルギー社会実装研究所にも参画する秋澤淳教授にお話を伺った。

バイオマスなどの燃焼熱を大気へそのまま放出するのは、何とも勿体ない。排熱は冷めるまで地球環境のために合理的に使い尽くした方が良い。それにはどの様なしくみがありますか? 秋澤教授に教わった。

一つ目は、100℃を下回る低湿な熱から冷熱を得る「熱駆動吸着冷凍機(JP2013/067404)です。えっ。熱で冷ますの??? はい。60℃の排熱から冷熱を発生する吸着冷凍機を開発しました。原理は? シリカゲルを使います。潜熱を奪います。??? 勉強が必要です。
二つ目は、デシカント空調機です。此方ならば、温度の高い空気を循環させて湿度を下げ、排熱でシリカゲルが吸着した水分を脱着させる。何となく出来そう!?です。

日本は人口が減少するフェーズに入り、中山間地域の過疎化に抗する新しい産業と雇用の創出が求められている。廃材燃焼の熱を多段階利用する木材乾燥システムは、地域に根ざしたエネルギー利用の一つの形であり、それぞれに分散しながらであっても、国産材の丸太の集荷から価値を付けた乾燥材の集荷システムに切り替える仕組み作りのための切り札になるに違いない。

地域には様々な資源が眠っている。地域森林資源と人々の暮らしを持続性を持って繋げるテクノロジー開発と社会実装を目指している。飛騨高山カーボンサイクルの新たな目標(木材乾燥機の進化形)が描く記念日になった。

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