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Taylor Stitch : The Maritime Shirt Jacket (Heather Ash Weave)

2008年サンフランシスコ発、EC化率90%でD2C(Direct to Consumer)ブランドの成功事例として知られ、「オトナのデイリー・ワードローブ」を提供する Taylor Stitch のオーバーシャツ『The Maritime Shirt Jacket (Heather Ash Weave)』を購入。

Taylor Stitch は初めて。2017年 鎌倉に初出店(したと思ったら2020年10月に閉店してました... 一度行ってみたかったな...)する以前から少し気にはなっていたのですが、私の好みのド真ん中ではないことと、決してリーズナブルな価格ではないと思っていたので手にしていませんでした。

が、偶々Webショップを覗いたタイミングがブラック・フライデーのセール期間だったことと、前々からグレーのCPOシャツが欲しいなと思っていたところにこのオーバーシャツが 40% off となっていたので、ちょっと悩んだ末に買っちゃいました。
(メンバー登録して送料 550 円の無料クーポンが発行されたのも後押し材料になりました)

ちなみにアメリカではおそらく定価 188 ドル (レート105円だとすると19,800円くらい)だと思われ、日本国内では定価 28,000円。これが 40% off で 16,800円。アメリカのECショップのセールで 85ドル(9,000円を切る) で売ってたこともあるようだから激安とは言わないけど、アメリカでの定価よりは安いから良しとするかって感じかな。

(アメリカ本国のサイト https://www.taylorstitch.com/ にアクセスしようとすると強制的に日本サイトにリダイレクトするようになっているのが好かんですね。まぁ運営側の思惑も理解するけど)

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製品説明によれば、生地は ウール70% + リサイクル繊維30%(ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン、綿) の混紡 20oz とのことで、肉厚ヘヴィーオンス・フェチの私の物欲を刺激してきたんすよ。
 (Webサイトの表記では ウール74% + リサイクル繊維26% となっているけど、実際に届いたのは上記の混紡でした)

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もともと欲しいと思っていたCPOシャツは、本来はミリタリー由来で保温性の高い厚手のメルトン・ウールが主流で化繊混紡は邪道なわけですが、Taylor Stitch の理念の一つにできるだけ再生繊維を使用するという考えがあるそうなので「アリ」かなと。
(と言うか最近はCPOシャツもファッション・アイコン化していて、オーバーサイズで両胸にフラップ付きポケットがあればコットンでもアーシーな色味でなくてもCPOと呼ばれるから何でもアリなのですが)

ググッて見るとこの Maritime Shirt というモデルは何年も前からリリースされ続けている定番モデルのようで、年によって生地が違うようで Italian Melton Wool やら donegal lambswool との説明を発見。ビジネスの拡大に伴って素材を大量生産向きのものに変えていると思われる。残念だがいた仕方ない。

襟の形は Taylor Stitch のシグネチャー・モデルである "California" シャツと同様との記述があるのですが、それほど特徴的とも思えない。

で、私の好きなディテールは、大きめのネコ目尿素ボタン。色味がファブリックと同系色のアッシュ・グレー。

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年によってボタンも変更されていて、これによって表情がだいぶ変わります。例えばこれは黒ボタンのモデル。ボタンにアクセントがあってシャープな印象になる(生地も違うみたいですが)。

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こちらは水牛ボタン・バージョン(遠目なので、本当は "練り" なのかもしれない)。少しグレードの高いモノ感がありますね。

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私の手元に届いたのがこちら。
Shirt Jacket との言葉通り見た目はシャツカラー・タイプですが一回り大きめのサイズ感でジャケット感覚で着用するもの。実際にTシャツ1枚の上から着るとダボッとしてシルエットに締まりがない。

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両胸のポケットは大きめで、フラップも大きめかつ 20oz 生地をそのまま使っていて存在感があるね。前立てもボリュームがあって主張してる。
ネコ目が全て縦に縫い付けられているのが少し残念。

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背中はシンプルなヨーク。袖は普通のセットインですが、よく見てみると可動性を考慮したのか、複数のパーツから構成されていて内側でしっかりとロック処理されてます。これは良い。

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20oz の肉厚感が伝わりますでしょうか?  ジャケットどころか薄手のコート並みのヘヴィーオンス。ただしメルトンのように縮絨していないし化繊混紡なのでそれほどの重量感(重厚感)はなく、サッと羽織るものですね。残念ながら肌触りに高級感はないです(といっても悪くもないですよ)。毛玉はできるのかな? 今後要チェックですね。

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裾の処理はしっかりとパイピングされているので安心。カフはシングル・ボタン。おそらく袖まくりするようなことはないのでこれで充分。

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で、最終確認して初めて気づいたのが、中国製ということ。アメリカの新進D2Cブランドなのでてっきり made in USA (海外のブログを見てると MIUSA と書かれることがよくある)だと思い込んでた。不覚なり。
(日本サイトでは商品によって中国製との生産国記載があるものと無いものがあることに今気付いた)

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色々と調べてみると、立ち上げ当初はカリフォルニアで生産していたようだがその後一部の生産をポルトガルに移し、近年(2018年の初めらしい)中国に大幅シフトしたもよう。
Taylor Stitch Clothing Review
Thing Thoughts: Taylor Stitch has Gone Global

サプライチェーン変更は企業の重要戦略領域の話であり部外者が口を出すことではないですが、生産国をオープンにすることと価格に反映させることは企業の姿勢として重要なことだと考えます。そこんとこヨロシク。

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