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ТВЕРДЬ Кустарное Производство : Denim Cap ТКП733 (Unsanforized pre-soaked)

前回に続きロシア・モスクワのハンドクラフト・ファッション・ブランド ТВЕРДЬ Кустарное Производство (英語表記 "twerd.mfg")から素朴な味わいのキャップ『Denim Cap ТКП733 (Unsanforized pre-soaked)』を紹介。

価格は50ユーロ、日本円で6,200円程度。商品名も Denim Cap とシャツ同様に気の利いたヒネリなど無し。

そうです。先に紹介した『Shop Shirt ТКП201 (Sanforized)』と一緒に購入しました。instagram を見ていると白いキナリ・シャツを着てこの藍色デニム・キャップをかぶっているショットが清々しくて素敵で、いわばセットでの購入です(送料が 20ユーロ なのでついつい複数アイテムをまとめて買おうという心理が働いてしまうというのもある)。

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形としては丸くシェイプした6パネルのメカニック・キャップ。デニム生地に縫製糸はジーンズでよく使用されるオレンジ色でオールドな雰囲気もバッチリ。使い込むことでヴィンテージのような味わい深い変化が見られるはず。

デニムは、日本が世界に誇るデニム・テキスタイル・メーカーであるクロキ社の 14oz ピンク・セルヴィッジで、これもシャツ同様日本製デニム生地が使われています(シャツにはクロキの記載がありませんが)。

一説によれば、クロキのデニムは日本国内のみならず CHANEL, LOUIS VUITTON, GUCCI, PRADA などの海外ハイブランドでも採用されており、今や売上の6-7割が海外なのだとか。
私がマメにチェックしている海外のアメカジ系ブランド Tellason, 3sixteen, Freenote Cloth, Railcar Fine Goods 等々でもクロキが採用されていることが確認できます。

先の Shop Shirt 紹介では、デザイナー/パタンナー/ソーイング・スタッフ/パッカー その全てを一人でこなす Egor Rasskazov 本人が着用していたシーンを案内しましたが、その時もこのデニム・キャップをかぶってますね。

例によって以下は彼(twerd.mfg)の instagram より紹介。

背景の巨大トレーラーのような物体が何なのかよく判りませんが、この twerd.mfg のWebページトップにも出てくる無機質で荒廃したインダストリアル重機とのショットが何故か心惹かれます。

Screenshot_2020-11-09 ТВЕРДЬ Кустарное Производство( twerd mfg) • Instagram写真と動画(2)

メカニック・キャップ型でブリムにツバ芯がなく、上向きに上げてかぶるのが定番でしょうか。Gジャンにグレーのパーカーという鉄板コーデに加えてデニム・キャップ、王道ですね。

Screenshot_2020-11-09 ТВЕРДЬ Кустарное Производство( twerd mfg) • Instagram写真と動画(3)

整然と並んでオーダーを待つ姿が何故かインダストリアルな雰囲気を醸し出してます。もしくは映画『Aliens (邦題 : エイリアン 2)』(86年)に出てくる「エイリアンの卵」に見えなくもない?

Screenshot_2020-11-09 ТВЕРДЬ Кустарное Производство( twerd mfg) • Instagram写真と動画

ちなみにロシアン・ポストで送られてきましたが、キャップが潰れないよう小さな段ボール箱に入れて発送した心遣いに彼の人柄を感じました。

Screenshot_2020-11-09 ТВЕРДЬ Кустарное Производство( twerd mfg) • Instagram写真と動画(1)

で、実ブツがコチラ。
ほぼ正半球のクラウンとフラットなブリムで、第二次世界大戦時にアメリカ軍の航空機整備士に支給された A-3 メカニック・キャップと呼ばれるカタチですが、ミリタリーど真ん中のオリーブ・グリーンではないのでワークキャップととらえた方が良いでしょうか。
製品説明に it look sharp and crispy とあるのがまさにピッタリの表現。

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とても綺麗なレンゲのラウンド・カーブなので接写(笑)。おそらく洗濯するとよれて消えちゃうので撮っときます(まぁそれはそれでこのキャップの味わいになるのですがね)。14oz デニムの生地感伝わりますでしょうか。たった今、気付いたのですが、14oz のデニム生地なのにベンチレーション用の菊穴(アイレット)がないので結構蒸れるんですかね?

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ブリムの8列におよぶオレンジの刺繍が美しい。慎重な手捌きと一気に仕上げる大胆さが必要なはずで、かなりの心的負担の掛かる作業と思われます。ツバ芯がなく 14oz デニムを2枚重ねて縫っているのでシッカリしつつも上向きに上げてかぶることができます。

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本来のメカニック・キャップは生産効率の観点からアジャスターがありませんが、こちらはベジタブル・タンニングのレザーと真鍮リングといったエイジングが楽しみな素材を使い、コットンテープによる縁の補強という丁寧な仕事が美しいです。このディテール大好き。

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サイズは S(56cm), M(58cm), L(60cm) の3種類あります。私の頭囲実測は 56.5cm、pre-soaked(浸け置き洗い済み)で縮みが少ないとはいえ Unsanforized(防縮加工なし)とのことなので、今後の洗濯縮みを考慮して M(58cm) が丁度良いのではないかと。
浅過ぎず深過ぎずのジャスト・フィット。かぶり心地は良いのですが、丸顔の私がかぶるとドラえもんの顔と同じシルエットになってしまいました...

内側はこの通り。6つのレンゲの縫製部分はコットン・テープで補強されてます。スベリ(ビン皮)はおそらく Shop Shirt で使われている 10oz キナリ・デニムと思われ、ここにもセルヴィッジが確認できる。

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春に UES のデニム・キャップを買ったばかりで、色落ちを優先するかその日の気分でかぶりモノを変えるか。楽しいやら悩やましいやら。

最後に。エイジングが進むとこんな感じになるもよう(instagram より)。

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