読了:池上彰の行動経済学入門 (働く君に伝えたい「本物の教養」

読了:池上彰の行動経済学入門 (働く君に伝えたい「本物の教養」

池上彰 (監修)

【概要】
★★★人は、なぜそれを買うのか?  使える! 最新経済学を池上彰氏がわかりやすく解説! ★★★
・売上を上げたいなら、二択より三択!
・損切りができないのは「サンクコスト効果」のため?
・なぜイケアの家具は、愛着がわくのか?
・政治にも利用される「バンドワゴン効果」とは?
・人は必ずしも合理的に行動しない!
・「損したくない」で行動を決めている!
・意思を決定するのは「直感」! ?
・人を操る魔法の理論「ナッジ」とは?
人間の行動心理を読み解く「行動経済学」がいっきにわかる!

【所感】
「行動経済学」と言いながら様々なマーケティング手法が紹介されている本でした。
本書では「人間的な弱さを分析してみたら、何がわかるだろう」が「行動経済学」だと言います。
キーエンスでもよく言う「性弱説」に通じる話だったり、営業でもよく使われる心理学的なものが多数紹介されており、非常に興味深く読めました。

人間は正確に損得を見極められず、様々な感情バイアスで行動してしまう生き物だということが本書での結論だと思います。
合理的じゃなくて面白いし、自分にも当てはまります。

・プロスペクト理論:


収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。

人は損をすることに敏感
⇒デメリットを訴求するのは有効!
一昔前に流行ったネット広告の「えっ、わたし給料安すぎ!?」は典型的な使い方かなと思いました。

【損失の悲しさは、利得の嬉しさの2.25倍】

・選択的知覚
⇒その人にとって重要なもの、関心ののだけを選んで知覚する
広告でも年齢や地域を限定した呼びかけは効果的
「あなただけに」は効果的。

ちょうどタイムリーな事例として、使っている媒体の会社から有料プランの提案がありました。
「cvrの良い会社に限定してご案内しているプランです。いま申し込まなくても結構ですが、お申込みいただきたいタイミングでcvrが基準値を維持していないと受けられません。」
思わず、お礼を言って金を払いそうになりましたが、上司の冷静な助言で「申し込まない方が得じゃん」に気付けました。
まさに行動経済学を戦術に落とし込んでいる例だなと思いました。

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