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読了:良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方

タイトル:良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方
著者:雨宮美季,片岡玄一,橋詰卓司

【概要】
「安全」で「円滑」なウェブサービス運営のためのガイドブック。

ウェブサービスに欠かせない
「利用規約」
「プライバシーポリシー」
「特定商取引法に基づく表示」
の3大ドキュメント。
リリース時には「どうせ誰も読んでないし」「大手サイトをまるごとパクろう」「免責しておけばいいや」……
などと思っていませんか?
いえいえ、規約の中身はサービスそのもの。作りこめば作りこむほど、あなたのサービスやアプリの質は高まるのです。

【所感】
3大ドキュメント
「利用規約」「プライバシーポリシー」「特定商取引法に基づく表示」

今までは、どうせ読まれないし、自分も読んだことないしと正直、軽視していました。
でも、それは間違いでした。

・商品やサービスが「武器」であるなら、利用規約は企業、サービスを守るための「防具」である。
⇒ただし、サービスで解決できなおリスクを利用規約がすべて解決してくれるわけではない。
ということが理解できました。

では、なぜ読まれないのに重要なのか。
⇒【クレーム対応の際の話し合いの土俵を作っておくため】
(法律で定められたデフォルトルールが不利に働かないようにするため)

企業間の契約書同様に、最終的には弁護士に確認してもらうにせよ、
これからのドキュメントについてもサービス提供者は
少なくとも大筋については理解していないとまずいと感じました。

・明らかに規制に抵触するビジネスは、考えなしに立ち上げても持続させることはまず無理。
⇒「人と仲間と社会に真面目」であることは前提条件。
規制のグレーゾーンでビジネスを展開する場合は、「自分のビジネスが規制に抵触しない理屈」をしっかり固めておく。

・商標権はちゃんと押さえておかないと大変。
⇒そして、戦う場所は必ずしも日本とは限らない。

・「個人情報」および、位置情報や購買情報などのユーザーの行動・状態に関する情報である「パーソナルデータ」は、その利用目的をできる限り特定し明示しなければならない。

・利用規約の禁止事項には
「当社がNGと判断した場合」は入れておく
⇒禁止事項はできるだけ網羅的に。

全般的に言えることとしては、
自社のリスク項目を担保しつつも、ユーザーファーストの姿勢が重要。

「免責しておけばOKとはならない」
⇒社会通念上、法的、そしてユーザーの感情的に受け入れられるものでなければ炎上要因となる。

ただ、「一切責任取りませんよ。」は通用しない。
一切免責には
「故意または重過失が存在する場合」「消費者契約法上の消費者に該当する場合」には責任を負うと定めておくことが重要。

また、その際に下記のように賠償限度額を定めておく
「責任を負う場合であっても、サービスの対価として当社に支払われた総額を賠償の限度額とする」など

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