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HSS型HSPに辿り着くまで

40代を超えて周りの同年代は年相応の落ち着きを持ち始めてきました。仕事や家庭など自分の居場所も確保しているといった安心感とここで生きていくという気概を感じます。お陰様で僕の周りには、人生の手本にしたいと思える同級生がたくさんいます。
翻って自分を見返すと、転職を繰り返し落ち着きはなく安心感や気概とは遠い世界に住んでいるように思います。この違和感、というか疎外感はずっと感じてきました。

こちらの記事では、自分がHSS型HSPと行き着いた経緯を説明することで、同じような悩みを抱えている人々の一つの参考としていただきたいと思います。また、HSS型HSPと判明した方々には、私なりの生活改善方法をお伝えしたいです。

違和感と好奇心と劣等感

周りとの違和感は物心がついた幼少期から感じていました。友達の発言と自分の内なる感情が一致していないことに気づいて、正直な感情をさらけ出して除け者にされる痛い経験を経て、自分の感情より周りの発言や雰囲気を優先するようになりました。
お陰で、相手の感情への洞察力とその場で求められる発言を読む力は人一倍ついたと思います。一方で、自分の感情や意見を押し殺してきたので、感情や思考の感受性が鈍くなり自分というものが薄い存在に感じるようになってゆきました。そして、心からしたいこと、熱くなるものが見当たらなくなっていきました。

また、ひとつのことに集中し続けるのが苦手です。好奇心は人並み以上にあるようで、興味を持ったら猪突猛進でなりふり構わず進んで行きます。でも、途中で他の面白いことがあれば今しておいたことを差し置いて新しいことに熱中してしまう。それを人生を通して繰り返しているので、人生で何一つ成し遂げていない気がして自己嫌悪におちいってしまう。

さらに、この行動様式は人生の大きなイベントでも同じ動きをしてしまう。面白そうだと飛び込んだ仕事も数年で飽きてしまって4,5年単位で転職を繰り返している。
新しい業界に転職してうまくやれるかは分からないけど、持ち前の妙な反骨心に支えられてどんどん突き進んでいく。結局社会人二十数年が経ったけど、これといった専門性は持ち合わせていない。そして、人生設計とはかけ離れたこんな自分が嫌になる。

周りとの違和感と自分の感情への不信を発端にして、他者との比較は歳を重ねるごとに加速してゆきました。社会人を20年も続けて大人と化してゆく旧友たちを傍目に、転職を繰り返しふわふわとしている己を見返して情けなくなってくる。
幼少期から抱えていた違和感は、いつしか劣等感に変わっていました。
周りからは大人になれば自信がつくよと言われ、それを信じて自分なりに努力したが、未だに自己肯定感はあきれるほど低い。なのに、反骨心も人一番強いからまた無謀な挑戦をしてしまう。

HSS型HSPとの出会い
この堂々巡りのモヤモヤを日々抱えて出口が見えなくなっていましたが、コロナ禍で時間が出来て調べているうちにHSS方HSPという症状に行き着くことができました。

HSPとはHighly Sensitive Personの略で、「非常に感受性が強く敏感な気質を持った人」を指します。そして、HSSとはHigh Sensation Seekingの略で、外交的で好奇心が強いタイプを意味します。
この、内向性と外向性、敏感と旺盛な好奇心、といった相反する特徴を持ち合わせた厄介な人格の持ち主がHSS型HSPです。
よく、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるよう、とか、裸のまま戦場に殴り込む、などと例えられます。

最近はメンタルへの関心が高まり、心や頭の正体を知りたいとの要求が世間的に増えてきていると思います。症状を理解して解決法がみつかれば悩みや迷いから少しは開放されるのではと期待を持つ人も多いでしょう。
よく聞く症状にADHDたアスペルガー症候群などがあります。私もそれらを調べて、一時はそうではないかと思いまいしたが、最終的にHSS型HSPであると確信できました。


ADHDやアスペルガーと何が違うの?

モヤモヤをはっきりさせたいと本格的に思い始めたのは、10代後半のころでした。テレビでADHD(注意欠陥・多動症)で苦しむアメリカ人の特集を観たからです。自分と被ることが多く衝撃を受けたことを覚えています。
その後にADHDの診断を自分なりにしてみました。落ち着きがなくケアレスミスや忘れ物が多いのはよくあることなので、ADHDではないかと長年悩んできた。
しかし、ADHDと診断された方に何度かお会いして、時間管理や片付け、多動性などをみて自分は普通より少し落ち着きがなく不注意なところがおおいだけなのだと気付かされました。
次に疑ったのは、アスペルガー症候群です。ADHDと同じ発達障害の一つとされています。興味の対象が独特で、のめり込んでしまう傾向からアスペルガー症候群も疑いましたが、コミュニケーションの一方性や気持ちの配慮の欠如は自分にはなじまなかった。
むしろ、周りの空気を読んで正解なコミュニケーションを探して発言し、相手の気持ちを読み切ることで、周りとの違いを隠してきましたので皮肉なことですが得意なことです。

HSS型HSPにとの出会いは、先ずはHSPの存在を知ったのがきっかけでした。確かに、HSPの特徴である内向的で敏感な部分は持ち合わせていますが、一方で突飛もない行動を起こす行動力もありHSPだけでは自分の特性に納得がいかなかったのです。
そこで、Dr. Elaine Aron氏がつくられたHSS型HSPの診断テストを受けました。20のチャック項目のなかで、男性は13以上の項目にチェックが入るとHSS型HSPと診断出来るそうです。そのなかで私は19項目が該当しました。更に、この診断テストの質問が、今まで受けたどの診断テストとも全く異なった内容で、その内容に自分でコントロール出来なかった自身の特徴が書かれていたので確信することができました。

自己診断の勧め

ADHDやアスペルガーなどを調べ始めたころは、恥ずかしくもあり出来ない自分から逃げているような罪悪感もありました。自分が精神的弱者と認めるのかと自問自答しながら調べていたのを覚えています。
でも、このもやもやはいつまで経っても晴れなかったのです。皆からは経験を積めば迷いは無くなるよと言われましたが、むしろ歳を経るごとにもやもやは増えている。更に2020年のコロナ禍で運営していた事業が止まり、精神的に追い込まれ鬱状態を経験しました。自分を省みる時間が出来たことで、追い込まれるように自分の解決方法を探していました。


HSS型HSPと自認すると、不思議と落ち着くことができました。この悩みが自分一人ではなかったと理解できました。そして、症状の対処法を解説してくれているので新たな光が見えました。もやもやの出口が見えず悩んでいる状態から、解決に向けて前にすすめるようになった瞬間でした。
メンタル的なことを病院やカウンセリングなどの他者に頼るのは、自分の弱さを告白するような気になり情けなくもなるかもしれません。でも、自分の弱みを認めて改善してよりよい自分になると考えればよいのだと思います。


カウンセリングの勧め

そして、もしHSS型HSPでは無いかと疑問を抱いたならば、一度カウンセリングを受けてみることをお勧めします。それもHSS型HSPを専門としたカウンセラーがいいでしょう。そのようなカウンセラーは自身がHSS型HSPであったり、多くの同じ症状の方を診た経験から的確なアドバイスをいただけます。
HSS型HSPは他者との違和感から悩みを自分のなかに溜め込みがちです。世間とズレて自分しか理解できないと思っていた思考や感情、それに伴う失敗体験をカウンセラーに話したところ「そういうのやっちゃうよねー。」とそのまま受け止めてくれました。そうだよね、そういうことあるよね、と受け止めてくれると、この独特の感情は自分だけという疎外感から開放されて安心感が生まれてきたのです。

最初に書いたようなこころのもやもやが薄まらず、むしろ深まってゆくのならば、ADHDやHSS方HSPなどの症状を調べてみるのをお勧めします。
持っている症状は、身体の病気ではなく、先天性のものが多いので完治させてさせるのは難しいかもしれない。それでも、己の長所短所と短所の改善方法を実践して、自分を無駄に責めすぎず、以前よりスムーズに平穏に生きれるようになるのではないでしょうか。

皆さんの心の葛藤が少しでも癒やされることを願っています。

※ こちらの記事は2020年12月25日にジェントルヨシ@インバウンド飲みツアー専門家で公開した内容です。アカウント変更のためこちらに転載しています。

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