キャプチャ

[log]ちいさな独占欲

「ね、ここどうしたの?」

なんとなくそういう雰囲気になって、ソファに腰掛けてキスをしたあと、彼が動きを止めた。彼の指が私の首筋をなぞり、そのポイントに触れた瞬間、皮膚がヒリッと痛む。反射で顔をしかめたら、ごめん痛かった?と心配そうにする彼の表情が見える。

「たいしたことないよ。髪巻いてたらアイロンで火傷しちゃっただけ」

「たいしたことあるじゃん…。赤くなってる。ちゃんと冷やした?」

「ううん…今朝は急いでて…」

「ばか。跡残ったらどうするの」

「大丈夫だよ。場所的にも目立たないし…」

「だめ、俺が大丈夫じゃない」

そう言いながら私の髪を耳にかけている。そして露わになった火傷痕に再び触れ、口付けた。これでもかというほど丁寧に吸い付かれ、私は痛みと快感の波に溺れそうになる。

「やっ、ちょっと…!」

「…ここの火傷、俺以外の男には見せないでね」

ときどき覗く彼の独占欲が、心の底から愛おしいと思う。




2015.01.22.

free pict by,Naris Roh