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学歴ロンダリングの実践

学歴ロンダリングとは?

学歴ロンダリングについては様々な解釈がありますが、本記事では「出身大学(学部)よりも難関大学の大学院に進学すること」として解説します。
例えば、就職活動の際に自身の出身大学(学部)よりレベルの高い大学院に進学することで、大学名で足切りするような学歴フィルターを突破できる可能性が上がるため、難関大学の大学院重点化も助ける形となって、近年急増しています。(厳密には大学院重点化自体は、2000年頃に完了している大学も多かったですが、学歴ロンダリングという言葉が流行りだしたのは、その少し後の2010年頃からでしょうか。)

学歴ロンダリングの実践スケジュール

本記事では、中堅某私立大学から旧帝大大学院への学歴ロンダリングを実践した筆者が、大学生を対象とした学歴ロンダリングの実践方法について解説します。
さて、学歴ロンダリングとはいっても、基本的には大学院入試を受けて合格する必要がありますので、基本的なフローは下図のようになります。これ以降は、図の赤枠のイベントについて解説します。

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大学3年の秋~:受験勉強(特に英語学習の種類)

学歴ロンダリングする場合、どんな大学院・研究科・研究室であっても、大学院生として研究に取り組むにあたって、一定の英語力が必要であるため、入試を突破するだけでなく修了するためにも、とにかく英語学習を早期に始めることが重要です。
近年では、大学院・研究科独自の英語試験を課さずに、TOEIC・TOEFL・IELTSなどのスコアを事前に用意・提出することを英語の学力測定に用いる大学院・研究科が増えてきました。
したがって、この段階で受験先が決まっている方は、対応した資格に特化した勉強でも良いと思います。逆に、自分の関心の及ぶ範囲であれば、TOEICですでにいいスコアがあったりして、追加の労力を避けたいのであれば、TOEICで英語の学力測定をしている大学院・研究科から選ぶ、という道筋でも問題ないかもしれません。

大学3年の秋~:研究室訪問

受験勉強と並行して行う重要なイベントとして、研究室訪問があります。大学院というのは、授業を受けたり教室で過ごす時間よりも研究室(ラボ・ゼミなど)で過ごす時間が長いものです。
したがって、自分の通っている大学ではない外部の大学院へ入学する前に、まず自分が希望する研究室で2年間やっていけるのか、また希望研究室の先生方や他の学生が外部から入学する学生と共に研究しても問題ないと考えているかを確認することが重要です。
そのため、研究室訪問は英語を除く受験勉強を開始するよりも早くに着手し、受験する大学院(正確には研究室)を決定することが効果的です。

筆者の場合、学部時代の担当教員の性格が中々ユニークな方でストレスを抱えていたので、先生方や博士課程の先輩方の人間性も重視していました。
実際、担当して頂いた先生方は、厳しいアカデミックの世界で常に競争にさらされているにも関わらず、学生には余裕を持った対応をされていて、本当にこの研究室に移動して良かったなと後で思ったものです。

研究室訪問には大きく2パターンの方法があります。
1つ目は大学院が主催する研究科全体を対象とする入試説明会に出席する方法です。この場合、希望する研究室の所属する研究科HPから予約することで参加できます。多くの場合、前半は研究科全体の取り組みや要項の説明がなされ、後半に学生が各々関心のある研究室単位に散らばり、研究室訪問をするパターンが多いです。
この場合は、自分以外にも複数人の学生と一緒に研究室ツアーのように進行されることが多いため、自分だけに注目が集まりすぎないメリットがある一方で、自分の本当に聞きたい質問がすべてできないままに終わってしまうデメリットもあります。

2つ目は各研究室が開設しているHPや大学の教員リストに記載されているメールアドレスから個人的に研究室訪問のお願いをする方法です。1つ目の方法と対照的に、自分の聞きたいことを自分のペースで聞けるメリットがあります。
その一方で、一般に多忙な大学の先生方の特定スロットの時間を自分が占有することになりますので、しっかりと下調べをして臨まなければ、先生に何だこの子はこんなことも調べずに来たのか、とマイナス印象を与えてしまう可能性もあるため、訪問日も入試の前哨戦と思って、学部でしている自分の研究や、希望する研究室で行っている研究の内容について概要を頭に入れておいた方が良いでしょう。

研究室訪問で最低限確認すべきポイント

研究室の雰囲気を比較するためにも、5研究室ほど、訪問しておくと良いでしょう。実際、同じ大学の同じ研究科であっても、その研究室のボスである教授によって驚くほど、雰囲気が異なるものです。
筆者の場合は、2大学3研究科に跨って、6研究室を訪問して、中には外部からの入学希望者に排他的な研究室もあり、帰りの電車で落ち込んだことを覚えています。
一方で、比較もできたため、この研究室であれば2年間やっていけると自信を持てました。実際、排他的な雰囲気をだしている研究室は、内部の人間で定員が埋まっていることも多いようで、入試に臨んでも合格を勝ち取ることが難しいようです。
また、万が一合格・入学しても、その後の2年間は相当肩身の狭い時間を送ることになる可能性が高いです。

次回の記事では、受験勉強(専門科目)について、受験勉強の進め方について、解説していきます。皆さんの大学院入試対策の一助となれば幸いです。

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