本多俊之「東方見聞録」

フュージョンに目覚めた自分は、日本のフュージョンを片っ端から聴いていた。
Casiopeaはその魅力を知ったちょうどそのタイミングで櫻井哲夫(b)→鳴瀬喜博(b)、神保彰(ds)→日山正明(ds)にメンバーチェンジし、また違う魅力を発揮し始めた。中でも鳴瀬氏=ナルチョのベースのインパクトは凄まじく、オクターブ上の複弦をプラスしつつディストーションをかけまくったド派手なスラップ(チョッパー)奏法は聴いた事ないサウンドだった。
一方で自分はドラム演奏を始めていたので、Pearl(星野楽器)のドラムカタログをよく見ていたのだが、そこにPearlドラムのユーザー一覧が写真つきで載っており、中でも1番インパクトがあったのが東原力哉氏。
力哉氏のドラムは是方博邦(g)「Mr.Heart」で予習済みで(ベースはまさにナルチョ)、そのスカッとする音色と微妙にスウィングしたリズム、マッチド・グリップなのが信じられないパワフルな音色に極めて魅了されていた。さらに「ちょっと関西弁」に聴こえるドラムに大変な親近感を感じていた(筆者は関西人)。
サックス本多俊之氏は当時のテレビ番組「ニュースステーション」のオープニングの曲の作曲・演奏で名前は知っていた。
https://youtu.be/fjK4i1nLrZI

是方博邦氏は結構ハマったゲーム「イース」の生演奏バージョンでもよく聴いていた(これもベースがナルチョ!どこにでもいるなあ(笑)。)
https://youtu.be/pNcHlkuag6g

このアルバム「東方見聞録」のメンバーが是方博邦(g)鳴瀬喜博(b)東原力哉(ds)、「ラジオクラブ」というバンドだそうな。これは聴いてみなきゃ!と思い入手。
1曲目「Eastside」からすっかり魅せられてしまった。「ニュースステーション」のような国籍不明の不思議な雰囲気とメロディ。力哉氏のドラムも、そのスウィング感は存分に味わえつつ、音作りが大変気持ちいい。スネアの音がほんっっとに気持ちいい!
https://youtu.be/8le_z3TcoJQ

他の曲、「Coconuts Milk」「Guarasuco」全部最高。まず、曲が無国籍でポップ。こんな暴れ馬のようなメンバーなのにどこまでも爽やか。まあこれは80年代末〜90年代のキラキラで豪華な音が自分世代にドンピシャというのもあるが。バブルが弾ける直前な感じ。
ナルチョってチョッパーの専門家かと思ったら、曲によって随分幅広い芸風だなあと思った。フレットレスやアップライト・エレクトリックも実に良い。
ビシッとキメキメ、高速ユニゾンが売りのCasiopeaに対して、もっと遊び心満載の「ラジオクラブ」の音楽も好きだなあ。どっちがではなく、どっちも好きな中学3年〜高校1年の頃だった。

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